昨季のイングランド・プレミアリーグで奇跡のリーグ優勝を遂げた地方クラブ=レスター・シティ。

 昨季からチームに加入した日本代表FW岡崎慎司は、その「ミラクル・レスター」の一員としてリーグ戦28試合に先発出場し、定位置を掴んでいた。

 自身の得点は5ゴールに止まりながらも、そのハードワークぶりはチームを象徴する姿として高く評価されていたのだ。

 しかし、今季は欧州最高峰の舞台であるUEFAチャンピオンズリーグに出場する事もあり、今季のレスターは新たな実力派FWを2人獲得した。。

 そして、岡崎はここへ来てベンチ外になった試合も含めて、試合途中からですら試合に出れない日々が続いている。

アルジェリア代表でハリルのサッカーを体現したスリマ二

 そんな岡崎からポジションを奪ったのは、ポルトガルの名門=スポルティング・リスボンから約40億円というクラブ史上最高額の移籍金で獲得したFWイスラム・スリマ二。昨季のポルトガル1部リーグで33試合に出場して27得点を記録し、見事に得点王に輝いたアルジェリア代表だ。

 日本人のサッカーファンとしてスリマ二を知っておきたいのは、彼が日本代表のヴァヒッド・ハリルホジッチ監督の申し子であること。

 現日本代表監督が指揮していたアルジェリアは、日本が未勝利の惨敗で終わったブラジルW杯でベスト16へ進出。準々決勝でも優勝したドイツと延長戦までもつれる大熱戦を演じた。そのアルジェリアをエースとして牽引していたのが、このスリマ二だった。

 特に第2戦で韓国とのグループリーグ突破を分けた大一番。膠着状態だった26分、スリマ二は後方からのロングボールに反応。韓国のDF2人に挟まれながらも強引に抜け出し、貴重な先制点を挙げました。(下記動画参照)

動画:https://youtu.be/37ORuT6wPNQ
 
 スリマ二はこの得点に代表されるように、そのパワーやスピードで「組織」をたった1人で突破できる圧倒的な個の能力を持っている。ブラジルW杯では得点こそ2つに止まったが、それ以外に何度も空中戦で競り勝って制空権を確保したり、スペースへの抜け出しで前線で起点を作り続けていた。

 「距離感が悪くて孤立しがち」なのは現在の日本代表の課題だが、このブラジルW杯でのアルジェリアもそうだった。しかし、このスリマ二の存在が全てを可能にしていたのだ。

 ハリルホジッチ監督は日本代表でも、「縦への速い攻撃」や「デュエル(1対1の競り合い)の強さ」といったコンセプトを掲げているが、アルジェリアでのスリマ二はそれを象徴するような存在だったのだ。

「得点が少ないFW」でも「多くの勝点を獲れるFW」

 
 現状は岡崎にとって厳しいのは確か。それでも自身の持ち味を消してでも得点を奪う事を優先する必要はない。