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シーガルズのなでしこリーグ1部昇格ならずも、日本サッカーの中心地は神奈川にアリ!

 失点直後の73分、人数をかけた分厚い攻撃を仕掛け、右SB大島の決死の攻撃参加でゴールライン際まで突破。マイナス方向へのグランダーのクロスに、エース・大滝が後ろに下がって倒れ込みながら強引にゴールの枠内に流し込む。右足でのスライディングシュートが決まって1-2。2試合合計で3-3。

遂に同点となった、エースの起死回生の同点弾で意気上がるシーガルズは直後にも左サイド・佐藤の強烈な突破からゴール前に高橋が突っ込む決定機も演出。逆転ムードを漂わせながら、勝負は最終局面に突入した。

 しかし89分、無常にも右CKからのこぼれ球を、初戦でも貴重な得点を挙げた日体大MF平田ひかりが蹴り込み、日体大が試合終了間際に決勝点。異様な雰囲気の中で数分後、今季のなでしこリーグ最後の試合の終了を告げるホイッスルが鳴り響いた。

「偶然」ではなく「必然」の現状

 悲願のクラブ史上初のなでしこリーグ1部昇格を目指したシーガルズは、あと一歩のところで昇格を逃した。

 試合後、難しい心境の中で取材に応じてくれたFW大滝とMF山本は共に同じ言葉でチームの現状を言葉に残した。

「最後は自分達の“甘さ”が出たと思います。もし、このまま1部に昇格しても通じないのが現実かな、とも思います。ただ、2位になってこの舞台に上がって来たのも偶然ではないとも思います。それができる選手たちが揃っていて、それだけのチーム力もあります。この悔しさを忘れず、来季1年1部昇格後も戦えるチカラをしっかりと身につけていきたいと思います。」

 共に日本代表でも海外チームでのプレー歴もある経験豊富な2選手による言葉は、チームの現状を確実に、そして的確に捉えている。

「36歳でも成長できている」シーガルズ代表・山本絵美

 36歳となったベテランMF山本(背番号7)は、2004年のアテネ五輪のアメリカ戦で直接FKを決めるなど、日本代表としても活躍し、アメリカのリーグでもプレー。その後、イタリアのリーグでは年間MVPも獲得したレジェンドだが、そんな彼女は2014年に中学時代を過ごした古巣シーガルズにコーチ兼任で復帰を決断した。この日、強烈な突破力でチームを牽引した佐藤渚は、山本の教え子でもある。

「代表の時は20代前半の若手で、海外クラブでの自分は“外国籍選手”としてのチャレンジャーとしてプレーして来ました。ここでは最年長で、そういった経験も伝えながらチームを引っ張っていく存在でもあるので、立場が全く違う中で感じることは以前と違うものもありますね。」

 と話す山本は現在、選手としてプレーする傍ら、自身もOGである「横須賀シーガルズ」女子の代表を務め、小学生から高校生まで約100人が在籍する育成年代の選手たちを指導している。「横浜FC・東戸塚フットボールパーク」で午前中に行われる自身のトップチームのトレーニング終了後には、隣接する横浜FCシーガルズのクラブハウス内にその事務所を構え、事務ワークをしている。

「事務所で話していただく神野監督の言葉には、今まで私が見つけられなかった“サッカーの答え”となるヒントがたくさん詰まっています。今はそれを繋ぎ合わせながら自分のプレーに落とし込んで、『36歳でも成長できている』という実感があって、サッカーがより面白くなって来ています。」

 山本が神野監督に影響を受けているように、初代J2得点王で日本代表にも召集された経験を持つ神野監督もまた、「現役時代にヴィッセル神戸で出会ったスチュアート・バクスター監督にサッカーを論理的に整理していただいた」という。バクスター監督と選手・神野卓哉のように、神野監督と山本の師弟関係は来季以降も楽しみだ。

 1部昇格を逃す悔しい経験をしながらも、直後にこういった話をしてくれた山本の視線は、しっかりと前を向いていた。

日本サッカーの中心地は神奈川にアリ!

 女子ワールドカップドイツ大会でなでしこジャパンが初優勝を果たし、空前の「なでしこブーム」に沸いた2011年には、神奈川県になでしこリーグに所属するチームは1つもなかった。

 しかし、2012年に創設されたノジマステラ神奈川相模原は、今季1部で3位に大躍進。さらに、来季からは2部にシーガルズと共に中学生年代の育成に定評がある大和シルフィードが初昇格してくる。そしてこの日、来季のなでしこ1部最後の座を懸けて戦った2部2位のシーガルズと1部9位の日体大もいる。

 現在、日本のJリーグは川崎フロンターレが2連覇を果たし、その魅力的なパスサッカーを体現する中心選手であるMF中村憲剛・FW小林悠・MF家長昭博が同一クラブからは初の3年連続年間MVPを受賞するなど、川崎の黄金時代が始まっている。

 また、湘南ベルマーレも今季初の『YBCルヴァンカップ』を制覇。走力と縦への推進力による「湘南スタイル」は川崎とは違った魅力を伴っている。

 「オリジナル10」の横浜Fマリノスもまた、マンチェスター・シティを運営する「シティ・ユナイテッド・グループ」と提携。GKも攻撃に関与する異色な超攻撃的サッカーに取り組み始めるなど、神奈川県のJクラブは切磋琢磨しながら独自のカラーで魅力的なチームを作っている。

 今、男女問わず、日本サッカーの中心地は神奈川にある!

写真提供:ニッパツ横浜FCシーガルズ

About the Author:

hirobrown
創設当初からのJリ−グファンで各種媒体に寄稿する副業サッカーライター。好きなクラブはアーセナル。宇佐美貴史やエジル、杉田亜未など絶滅危惧種となったファンタジスタを愛する。趣味の音楽は演奏も好きだが、CD500枚ほど所持するコレクターでもある。 サッカー歴:中学・高校時代にサッカー部に所属。 中学時は大阪市トレセンに選出される。 その後は競技者としてのサッカーから離れていたが、サッカー観戦は欠かさない 。

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