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サラリーマン・ハリル! 〜日本人のワークスタイルとマッチした指揮官〜

 日本代表メンバー発表の記者会見において、ハリルホジッチはスタッフの驚異的な数字を口にした。
「私は日本に着いてからJ1、J2、J3の116試合、ナビスコカップ28試合、ACL24試合、欧州3試合を現地視察しました。そしてスタッフ全員で349試合ほどビデオで見ました」

 
 合計で520試合ほどチェックした事になります。これはすごい数字です。皆さんにもスタッフの頑張りを分かってほしいと思います」

☆日本人より働く外国人

 この発言を聞いたとき、サッカー好きの私でさえゾッとした。J2やJ3の試合にまで足を運ぶ代表監督は過去にほとんど例が無い(J3は発足して間もないが・・・)。確かに今までのJリーグを振り返ってみると、ハイライト映像のどこかに必ずハリルホジッチの姿があった。
 Jリーグのスケジュール的に、J1が土曜開催だった場合はJ2が日曜に試合をおこなう。つまりハリルホジッチは土曜にJ1の試合を視察し、翌日はJ2の試合に足を運んでいる事になる。それも首都圏だけでなく、大阪や地方にも足を伸ばしている。
 歴代の監督は通常関東のゲームを中心に視察し、G大阪の宇佐美のような生でチェックしたい選手がいたとしても、彼らが関東のホームスタジアムにやってきた時しか視察に行かないのがほとんどだった。ハリルホジッチの視察回数は群を抜いている。

 しかもハリルホジッチは代表監督にしては珍しく毎日のようにJFA(日本サッカー協会)を訪れ、スタッフとの意見交換などを重ねているという。まるでサラリーマンのような働きぶりで、そのワークスタイルはどこか日本人と似ている部分がある。

 さらには先日結婚が発表された内田篤人のもとに直接赴き、笑顔で祝福したという話もある。内田は膝の負傷の影響もあって代表メンバーから外れているが、ハリルホジッチはシャルケで活躍する26歳のサイドバックに期待を寄せている。
 内田のもとを訪れた際にも、「私は代表の時にだけ集まるのは好きじゃない。出来るだけコミュニケーションの機会を増やす事で、チームの成熟度をアップさせられると考えている」と語っており、招集外となった選手にも戦術論を伝え、次に招集した際のタイムラグを無くそうとしている。

 こうした代表監督の動きは連日のようにニュースとなり、ハリルの名前を見ない日は無いくらいだ。

 現在おこなわれている代表合宿では、「オフの時間に他人の部屋に行くのは禁止」といった修学旅行のようなルールまであるという。やりすぎではないかと思う部分もあるが、選手たちは口々に「勝利のため」と話す。
 オフに休むのはプロとして大切な事であり、その積み重ねが勝利に繋がる。代表選手はハリルホジッチのガチガチルールにも従順だ。

 こうしたハリルホジッチの行動の根底には勝利への執着心があり、2014ワールドカップの惨敗から勝利に飢えている代表選手たちにとって受け入れやすいものなのかもしれない。