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紀行文:ドルトレヒトの新星が五輪代表の救世主となるポテンシャリティ《あとがき》

 五輪代表のポルトガル遠征。25日にはメキシコU23代表。そして中2日でスポルティングCP戦の過密日程。メンバーの入れ替えが予想される。

 第二戦のスポルティング戦でのスタメンを推測するが願望である。

 リオ五輪男子サッカーの主役と目される地元ブラジルとドイツ、アルゼンチン、そして宗主国ポルトガルが宛ら四天王。そのポルトガルU21代表で予選突破に貢献したオフェンスのマルティンス(1995年生まれ)とカルロス・マネ(1994年生まれ)。ディフェンスならばセメド(1994年生まれ)とトビアス・フェグエイレド(1994年生まれ)に加え、マリオやエスガイオの93年組も出場資格を有する。ポルトガル五輪代表が25日に試合を組んでいれば出場メンバーも大きく異なるはず。

 日本は深夜ながらテレビ東京系6局がメキシコ戦を生中継してくれる。対戦相手がスポルティングとあって同クラブのホームエスタディオ・ジョゼ・アルヴァラーデ(下写真)が使えるのかと期待したが甘くはない。二試合とも会場はエスタディオ・リオ・マイオール。リスボンから北側に80キロ程度離れており市内に宿泊しバスで通うことになるはず。つまりリオマイオール市内では確保できない程の田舎である。現在、自身が5月から欧州を12~13都市を巡回する宿と列車・バスの手配に頭を悩ませており五輪代表の心配をしている場合ではない。エスタディオ・ジョゼ・アルヴァラーデの収容人員は5万人を越えるが、リオ・マイオール市の総人口は2万人強なので、ホームスタジアムの収容人員は一万人にも満たない。地元クラブは2010年に閉鎖しており現在はU21代表、スポルティングのセカンドチームが使用していたはず。

 今回日本五輪代表と対戦するのもセカンドチームと思われるが、彼らは国内の二部に参戦。

第五話にて2009-10シーズン、カレガドVSフェイレンセ戦の長閑な風景を紹介しているが、そのフェイレンセは首位と2ポイントの三位。昇格を狙える位置につけ、その首位に君臨するのは驚くなかれFCポルトのセカンドチーム。スポルティングCPは3月16日(第36節)黒星を喫しても24チームで争う中13位と健闘。他のセカンド組はブラガ11位、ベンフィカは21位と低迷。
今シーズン、そのライバル、ベンフィカで6シーズンに渡り指揮を執ったジョルジュ・ジェズスを迎え入れたが、攻撃的なスタイルが証明するように根っからのクライフ信者。しかし今季トップチームは4-4-2のフォーメーション、一方セカンドは4-3-3に固定しているため、対面するサイドバックは腕(脚)の見せ所となるだろう。

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出来るだけ長い時間プレーする機会を与えられることを切望しパフォーマンスに期待したいのだが、独特のスタイルを貫く異端の地にその身を置き、同僚に同じピッチに立った経験者も見当たらないのだから一抹の不安を抱かざるを得ない。現実的にフィットするのは容易ではないかもしれない。

 それでも現地で直接プレーを目視し本人との対話した体験から筆者は確信している。

 アヤックスやPSVなど欧州で技術的にはトップレベルの同年代と相対し、年齢と体格において自身を遥かに上回るオランダ人達に囲まれながら日々凌ぎを削る彼が、萎縮したり緊張や恐怖で自身を見失ったりすることだけはあり得ない。ユーティリティを支える明晰な頭脳と、経験に培われたハートの強さ。都内での桜よりも一足早く欧州最西南端での開花となるのか。試合中継の実況泣かせとなりそうなその氏名と共に、彼のプレーが日本のサッカーファンに認知されるのもそう遠い先ではないのかもしれない。

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ちなみにリスボンからカレガドまでの40キロを列車で移動した出発時に撮影したのが上の写真(リスボンのオリエント駅)。カレガドから更に同距離を北上するとサンタレン。そして西側に30キロ程車でリオ・マイオールに着く。リスボンからタクシーで行くには直線にして100キロは超えないはずだがかなり遠い先なのでお薦めはしない。