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紀行文:ドルトレヒトの新星が五輪代表の救世主となるポテンシャリティ《あとがき》

リスボンのオリエンテ駅と試合会場の《リオ》マイオール。この駅はアテネの五輪スタジアムと同じスペイン人建築家がデザインを手掛けている。本年若き東洋人がブラジルで世界の強豪に挑む旅立ちに相応しいネーミングではあるが、実際に選手達は列車ではなくバスで移動するはず。

祝、U23代表初招集!

 U-23代表のポルトガル遠征に際・ファン・ウェルメスケルケンが初招集された。手倉森監督がどのような戦術タスクを課すのか非常に興味深い。

 以前述べた通り、オランダはスピッツの両翼に速さ自慢のタイプを配するスタイルが根付いているし、各選手の距離間を保ちバランスを崩さない動きが要求される為、サイドバックのダイナミックなオーバーラップも控えめなお国柄。その他複数の要素も含め、独特の高い最終ラインが設定されている。

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 オランダ人はケチであるという通説。干拓地を広げてきた先人の「限りあるものを大切に使う」慣習が受け継がれたのだろう。合理主義がフットボールにも影響しており、無駄な走りでスタミナを消耗することを嫌う。リヌス・ミケルスとヨハン・クライフ以降プレスとポゼッションはオランダの代名詞として浸透しているが、今でも鮮明に記憶が蘇るのは2009年のA代表初対決。スコアレスで大健闘していた岡田ジャパンの足が止まり、後半立て続けに3失点の親善試合も今や苦く懐かしい思い出に。

 青いユニフォームが最前線から積極的にプレスをかけるとオランイェはボールを回すことでスタミナを奪う常とう手段に。スタミナを無駄に浪費しない事を育成段階から徹底する彼らは相手のスタミナを奪う事にも長けていた。

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海外組の五輪世代では丸岡満が帰国。セレッソ大阪への復帰を決断した。こちらも述べた通り、ブンデスリーガ屈指の強豪でトップチームの一角に食い込むハードルは高い上に与えられるステージがアマチュア相手の四部では格差が大き過ぎる。現実三部以上の環境でプレーできる選択肢がなければBVBのエンブレムに拘らず帰国しJ2でのプレーするのが賢明である。

それに比べるとドルトレヒトを観る限り、三強は突出していても中位以下のクラブと二部上位を比較してみるとレベルにさほど大きな隔たりはないのが蘭国。スタジアムもポルトガルの二部に比べるならばこれ以上の贅沢は言えない。

 それに比べるとドルトレヒトを観る限り、三強は突出していても中位以下のクラブと二部上位を比較してもレベルにさほど大きな隔たりはない。
そもそもオランダの二部への好印象は、今や日本サッカーの顔、ACミラン本田圭祐からVVV時代(2009~)に植え付けられた。

 名古屋グランパス時代から変貌を遂げていると感じた。90分間をトップギアでのプレーから、オランダで揉まれることで試合の流れを読みサード、セカンドとギアを落とす場面と、勝負どころで一気にトップスピードにシフトチェンジする緩急の使い分けをマスターした本田は勝敗を決定づけるプレーヤーへと覚醒した。肉体だけでなく精神的なスタミナを考慮しての的確なペース配分と瞬間的な集中力。高性能ぶりで同姓のモーターサイクルを彷彿させる彼は、二部とはいえオランダの環境への適応が、自身の成長に直結した好例である。

 ポジションは異なるが際・ファン・ウェルメスケルケンも同じルートを踏襲している最中。

オランダ発ポルトガル経由ブラジルへ