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フランスフットボールはブラックフットボール

丸山龍也選手画像

フランスでのトライアウトのこと。

ヨーロッパに活躍の場を求めた僕は、当初パリを拠点に活動しました。
僕は4部のクラブ、6部のクラブに練習参加をしました。4部や5部相手の練習試合にも出場しましたが、その中で感じたのは「フランスは本当に黒人選手が多いな」ということ。
移民の国フランスですから、今のフランス代表にも有色人種の選手が多いですし、街を歩いていてもいろいろな人種の人が共存している・・・それがこの国の特徴です。

特にフランスの植民地であったコートジボワールやカメルーンにルーツを持つ選手が多く、実にチームの半数以上・・・ヘタすると8割ぐらいが黒人系選手となることも多く、やはり球際の強さや裏抜けのスピードは凄いものがあります。

一方、黒人選手特有の集中力の無さというか、安定性の無さというものはあって、それが大きな弱点にもなっている・・・のですが、そこをカバーするのが元々の白人選手であったり、チュニジアやモロッコなどアフリカ北部にルーツを持つ選手であったりもします。

なので、CBやFWなど、パワーの必要な所には黒人選手が、トップ下やサイドバック、ボランチなど献身性が求められる所には純血のフランス人が配置されることが多い印象でした。もちろん必ずしもそうではないのですが、どのチームもそういう傾向が見えたのは、フランスでサッカーをする上で非常に面白かった部分ではあります。

ここに日本人が入る・・・となるとどうでしょうか。やはりセカンドトップやセントラルハーフなどの、俊敏性が求められるポジションではないかな、と考えます。事実、フランスでプレーしていた日本人選手といえば松井大輔選手や大黒将志選手、梅崎司選手や伊藤翔選手などのセカンドトップ型が多く、それ以外だと稲本潤一選手が思い浮かびますが、彼もセントラルでのプレーが中心でした。中田浩二選手はディフェンダーとしてプレーしましたが、あまり多くの機会が与えられませんでしたし、黒人選手と純血選手の「分業」とも言えるような、補完関係が成り立ってるフランスは、日本人がプレーするのには最も難しいリーグのひとつだと僕は考えます。

そんなこんなで色々なことを考えさせられるフランス時代でした。ヨーロッパや海外とヒトクチに言っても、国民性も民族性も多種多様なので、その辺りから試合やゲームに注目してみるのも面白いのではないでしょうか。日本のサイドバックが海外で活躍できている理由も、なんとなく見えてくると思います。
次回はセルビアです。