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欧州蹴球文化探訪第十の巻 欧州・亜細亜ゴムゴム対決

ゴムゴムの実を食べた少年が仲間達と海賊王を目指すという国民的コミックの話題ではない。近年日本企業も参戦し始めたタイヤメーカーのスポンサード検証。

チェルシーの助っ人は邦人ではなく法人(企業)だった

 武藤嘉紀が新婦と手を携えてマインツへと旅立った。

 チェルシーのオファーを蹴っての移籍には賛否両論あるのは当然。国内でプレーという選択肢もあったがマインツ行きに一票を投じる。マインツは人口20万人程度の小さな都市ではあるが、ドイツ五大都市フランクフルトまで列車で30分の距離。


[マインツ駅]

 日本人選手が海外で初めて生活する環境に好ましいのは、まず都会の利便性ありき+喧騒から離れて落ち着ける静寂があれば尚良し。クラブに対しても前任者岡崎慎司自身が度々称賛している。遠慮なければ近憂あり。ビッグクラブは遠くにありて思うもので良い。

 一方チェルシーにとっても痛くも痒くもなく、そもそも本年既に日本からの強力な助っ人と契約しているではないか。韓国電子メーカーのロゴが印されたユニフォームに身を包んでプレミアリーグ、チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグ制覇の栄光は刻まれた。それがスマホ関連事業の不振による業績悪化を理由に契約を解除せざる得ない状況に陥る。この煽りをくったチェルシーがオファーを出したのは、日本の大手タイヤメーカー「横浜ゴム」だった。
 
 横浜ゴムの好調な業績を支えるのは主に海外、特にロシアの市場である。2008年から進出すると、日本企業として初の乗用車用タイヤ工場を操業したのが2011年。ロシアの石油王がオーナーを務めるロンドンの名門もルーブル大暴落の痛手を負うが、年間契約額は60億~70億円と目される巨額のジャパンマネーに救われた。今シーズンからYOKOHAMAの文字が印されたユニフォームへの違和感は、徐々に薄まるだろう。

 ジュネーブモーターショーに毎年出展している横浜ゴムの展示ブースには、Miss YOKOHAMAの襷をかけた美女が登場する。同社の現地法人が、プロモーションの一環としてミスコンを開催しており、初めて見たときの違和感は絶大。「実は俺もミスター横浜の異名をとる男だ」と筆者宛のレターを取り出し「Mr. YOKOZAWA」の名前を見せたらスイス人は妙に納得していたが、日本人の氏名になじみの薄い欧米でスペル間違いは頻繁に起きるのでご注意。気がつけば別人にされている。


[Miss YOKOHAMA審査会]

日韓の和衷共同。フットボールクラブとメーカー各社の思惑

 横浜ゴムは昨年、韓国のクムホタイヤと業務提携を結んだ。製品の共同開発を進める傍らクムホ中国工場で生産されたタイヤが横浜ゴムに供給される関係は相互にメリットが大きい。クムホといえば朴智星在籍時のマンチェスター・ユナイテッドをはじめ、これまでハンブルガーSV、ラピード・ウィーンと契約、本年からはシャルケ04のスポンサーに。内田篤人の所属しているクラブに韓国メーカーとは・・・対立からパートナーシップへ、日韓企業の関係も変化している。本田圭佑の所属するACミランのプレミアムスポンサーは、東洋ゴム工業。業界最大手のブリジストンと資本提携している同社。このお宝写真の周りには121ものプレミアムスポンサーロゴが印刷済。


[Corrieredello Sport -Stadio紙]

 東洋ゴムとACミランがライバルのピレリとインテルを意識していないはずがない。ミラノに本社を構える同社のロゴがインテリスタの胸で輝いて20年。そのピレリが中国化工集団に 70億ユーロ(約9074億円)で買収されたのに吃驚仰天。財政規模縮小でフットボール界最長のスポンサーシップも遂に途絶えるのかと昨秋噂されたが、イタリア史上最大額とされる中国からの投資により危機は回避された。そのユニフォーム発表写真に不在の長友佑都の去就にも注目される。

By | 2015-07-16T15:31:32+00:00 7月 15th, 2015|Categories: コラム, その他コラム|Tags: |欧州蹴球文化探訪第十の巻 欧州・亜細亜ゴムゴム対決 はコメントを受け付けていません。

About the Author:

Yoshitaka Yokozawa
1964年生 / 東京都在住 NPO・NGOの経験を活かしてサッカルチャー・チャアマンをしてます。 本業は国際交流コンサルタント。文化催事の企画運営や講演など欧州と国内をころげまわってます。 サッカルチャーコラム連載では欧州蹴球文化探訪(全41回) 同ベルギーの光と闇(全27回)※最終話そのうちUPします。 長靴の国で観た異邦人たち(全21話) サッカルチャー・ホームタウン秘書室(2017年~ 同 日本人が知らないアーセナル 全8回含)他。 サッカルチャーやっててよかったのはバルセロナで故ヨハン・クライフに逢えたこと。世界各国の”秘書たち”とビールを飲むのもささやかな楽しみ。