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「規格外の挑戦者」VS“門番”ノルディーア北海道~“多様性”で底上げされる『プレナスチャレンジリーグ』


(取材日:2017年12月2日)

 日本の女子サッカー界には“多様性”をもって競技力の底上げをもたらしているリーグがある。

 『プレナス・チャレンジリーグ』は、『プレナスなでしこリーグ』の1・2部の下に位置する女子サッカーの国内3部相当のリーグだ。全12チームを東西で6チームずつに分け、まずは東西それぞれのリーグで3回戦総当たりの全15試合を戦って順位を競う。次に東西それぞれのリーグで1,2位のチーム、3,4位のチーム、5.6位のチームの4チームずつに分かれて最終順位を決定するためのプレーオフを行うというレギュレーションである。

 尚、【プレーオフ順位決定戦1~4位】シリーズの首位チームがチャレンジリーグ優勝となり、翌シーズンからの「なでしこリーグ2部自動昇格」、同プレーオフで2位チームがなでしこ2部・9位チームとの「入替戦出場権」を手にすることになる。すでに静岡産業大学磐田ボニータの優勝となでしこリーグ2部自動昇格が決まっており、2位のバニーズ京都SCが2部・9位のFC吉備国際大学Charmeとの入替戦を12月9日と17日に戦う事が決まっている。

 また、【プレーオフ順位決定戦9~12位】シリーズで11,12位となったチームは、『プレナスチャレンジリーグ入替戦予選大会』から勝ち上がって来たチームとの入替戦に回る。ただし、今季に限ってはチャレンジリーグ10位となった福岡J・アンクラスがリーグを退会する事となったため、入替戦で敗れても“敗者復活戦”が用意されている。つまり、今季に限っては入替戦を戦う4チームのうち3チームが、来季はチャレンジリーグの舞台でしのぎを削る権利を得ることができる。

 そんな今季のチャレンジリーグを戦ったのは上記の12チームである。実に高校が2つ、大学が4つの合計6チームが学校のサッカー部を母体とするチームだ。単なる部活ではなく、クラブチームとして立ち上げていたり、総合型スポーツクラブの形態をとっているチームもあるとはいえ、“学校チーム”が半数を占めている。

 チャレンジリーグEASTで5位となり、【プレーオフ順位決定戦9~12位】シリーズに回った結果、11位に終わったのはノルディーア北海道。彼女達は残留が懸かる『プレナスチャレンジリーグ入替戦』の第1節を戦うため、チャレンジリーグ参入戦2位で勝ち上がって来た、「規格外の挑戦者」が待つ敵地・大阪へと乗り込んだ。

相手は平均年齢16歳以下の超若手偏重の精鋭チーム

 ノルディーアはプロ契約選手も在籍する年齢制限のない大人のクラブだが、12月2日の土曜日に戦った相手は、セレッソ大阪堺ガールズ。男子のJ1リーグに所属するセレッソ大阪のアカデミーチームで、普段は『U-15プレナスなでしこアカデミーカップ2017』を戦うなど、中学生以下の編成で戦う大会にも参加している。

 しかも、C大阪堺ガールズの上には、現在のなでしこリーグ2部に所属するC大阪堺レディースがある。どちらもアカデミーチームなのだが、なでしこリーグやチャレンジリーグには年齢制限はない。よって、この入替戦第1節には、C大阪堺Lのセカンドチームとして参戦している。そのため、この日の先発メンバーにはGK山下莉奈、DF筒井梨香というC大阪堺Lで主力を張る2人、U17女子日本代表のエースFW田中智子ら準レギュラークラスのメンバーも合わせると、実に7名の「トップチーム」の選手が揃っていた。平均年齢は先発11人が16.1歳、登録メンバー16人が15.9歳の超若手偏重の精鋭集団だ。また、この日の応援スタンドにはU19女子日本代表のエース格で、今季なでしこリーグ2部の得点王FW宝田沙織らレディースの選手達の姿もあった。

 ノルディーアは当然ながらC大阪堺ガールズを分析したものの、出て来た相手の先発メンバーが普段とは異なる編成だったために、スカウティングが機能しなかった。ただ、ノルディーアを率いる中村浩紀監督は、2015年から(現ニッパツ・)横浜FCシーガルズを率い、見事に初年度で入替戦を勝ち抜いてプレナスなでしこリーグ2部昇格を勝ち取った指揮官である。横浜での2年目には2部・8位で残留に成功している。

 そんな指揮官が横浜時代にセレッソ大阪堺レディースと何度も対戦した経験が活きたのだろう。序盤から相手に攻め込まれ、14分にはセレッソらしい攻守の切り替えの速さを活かしたショートカウンターから一瞬の隙を突かれた。裏への侵入を許してPKを献上し、相手MF森中陽菜に先制点を許したが、<4-4-2>のオーソドックスな陣形を取って中央を割らせることはなく、徐々に陣地を前方に回復していった。

 そして33分には、FW星山彩香の絶妙な左CKを、この日は本職のDFではなくFW起用で先発した波佐谷灯子が豪快なヘッドでゴールに突き刺した同点弾。貴重なアウェイゴールとなった。前半終了間際にはチーム全体で上手く崩したパスワークからFW星山がクロスバー直撃のシュートも放った。

貴重な敵地でのドローで折り返したノルディーア

 その後、同点で折り返した後半もノルディーアが粘る展開とはなったものの、徐々にエースFWの星山が前を向いて仕掛けるシーンも作った。

 チームで唯一のプロ契約選手でもある星山は、後半も同点弾のアシストとなったような絶妙なCKも蹴り、75分にはカウンターから一気にドリブルで持ち込んで絶好のチャンスもお膳立て。しかし、自身も前半終了間際のクロスバー直撃シュートに加えて、60分頃にもクロスに合わせたシュートが外れてしまうなど、少ないながら決定機はあったノルディーアは2点目のチャンスを奪えず。

 終盤は大きなスペースができるオープンな展開となったものの、最後は割らせない粘りの守備で不確定要素が多かった初戦をアウェイゴールの1得点を伴った貴重なドローで終えた。

 試合後、星山は「自分で得点を獲って、勝って、絶対に来週の第2節で残留を決めたい!」と答え、12月10日の日曜日に地元・北海道の室蘭市入江運動公園陸上競技場で行われる第2節へ向けて抱負を語り、大阪を後にした。

 そしてC大阪堺ガールズは、女子トップチームのレディースが12月9日に『プレナスなでしこリーグ1部・2部入替戦』の第1節を戦う。そのため、ガールズの第2節はどのようなメンバー構成で北海道へ向かうのかは不明だ。起用法自体が大きな戦術になるのだろう。

≪2017プレナスチャレンジリーグ入替戦 第1節≫
開催日:2017年12月2日(土曜) 13:00 KICK OFF
会場: J-GREEN堺S1メインフィールド(大阪府)
観客動員: 259人
セレッソ大阪堺ガールズ1-1ノルディーア北海道
【得点】≪C大阪堺G≫森中陽菜(14分、PK)
≪ノルディーア≫波佐谷(33分)

About the Author:

hirobrown
創設当初からのJリ−グファンで各種媒体に寄稿する副業サッカーライター。好きなクラブはアーセナル。宇佐美貴史やエジル、杉田亜未など絶滅危惧種となったファンタジスタを愛する。趣味の音楽は演奏も好きだが、CD500枚ほど所持するコレクターでもある。 サッカー歴:中学・高校時代にサッカー部に所属。 中学時は大阪市トレセンに選出される。 その後は競技者としてのサッカーから離れていたが、サッカー観戦は欠かさない 。

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