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ブンデスリーガを席巻したRBライプツィヒのMFフォルスベリを観たか?スウェーデンの新たな『10番』は民主的!

 レアル・マドリーのUEFAチャンピオンズリーグ優勝で幕を閉じた欧州サッカー。毎週末に各国で熱戦が繰り広げられる世界は、我々日本人も心を踊らされる。

 個人的に、今季の欧州サッカーで最も驚きを持って観戦して来たチームに、最も驚かされた選手がいるので改めて紹介させていただきたい。(御存知の方々が多いのはご承知ですが)

クラブ史上初のブンデス1部で2位と大躍進のライプツィヒ

 今季クラブ史上初のブンデスリーガ1部に昇格して来たRBライプツィヒ。開幕から第13節まで無敗を維持し、8連勝も記録。12月を迎えた段階では絶対王者=バイエルン=ミュンヘンを抑えてリーグ首位に立っていた。

 その後、他チームからの対策や主力選手の疲労なども相まってペースは落ちたものの、最終的には昇格初年度ながらリーグ2位フィニッシュというビッグサプライズを演じた。

 <4-4-2>のシステムを採用しているライプツィヒだが、その運用形態から彼等のシステムはしばしば<4-2-2-2>と表記されている。

 『パワー・フットボール』と呼ばれる超高速カウンターを成立させるため、トレーニングではサイドのエリアを少なくした縦長のフィールドで実践的なトレーニングや紅白戦を行っている。中央にアタッカーを密集させるこのシステムの機能性を引き出すためだ。
 
 相手ボールの時は片側のサイドに極端に密集を作って数的優位からボールを奪い、ボール奪取後も密集のまま速攻を仕掛ける。強引に縦パスを入れ、ミスが出てもそれをカヴァーできる距離感で前線の4選手が密集して仕掛けるのが『パワー・フットボール』の肝だ。

 ただ、FWや2列目のアタッカーにも攻守に渡ってフルスピード、フルスロットルに動き回る事が要求されるため、このチームにはベンチから出て来る選手も含めて、運動量豊富でスピードのある粒揃いな若手タレントが勢揃いしている。

『パワー・フットボール』に沿った若手タレントが揃った前線

 193cmの長身でポストプレーに長ける現在23歳のデンマーク代表FWユスフ・ポウルセンは開幕から2トップの1角として重用された。ただ、彼はチームで最も相手ゴールに近い位置にポジショニングする事が多い選手でありながら、僅かに5得点。それでも彼は1部昇格初年度で2位となったチームの最前線で重要な役割を担っている。

 そして、超高速カウンターから得点を量産するライプツィヒで、今季チーム最多21得点を挙げたのは、2部へ降格していたシュツットガルトから新加入したFWティモ・ヴェルナー。3月に21歳となった若手ながら、すでにブンデスリーガ1部で通算100試合を越える出場経験があり、ドイツのフル代表でもデビューしたスピードスターだ。

 180cmとドイツ人FWとしては小柄な部類に入るヴェルナー。実際、彼はサイドに開いて縦へ突破するドリブルでの推進力を売りにしており、世界的に1トップの布陣が一般的な現代サッカーではサイドアタッカーとして見られがちだ。しかし、ライプツィヒでは特異な<4-2-2-2>の2トップの1角として起用され、超高速カウンターの旗手として縦パスを引き出し、それを得点に直結させるヴェルナーは、まさにライプツィヒに最適なスピード系FWなのだ。

 今季からの新戦力として、主にスーパーサブとして終盤から出場したスコットランド代表FWオリヴァー・バーク。188cmで公称74kgとは思えない巨漢ながら、主に右サイドハーフの位置から『ギャレス・ベイル(レアル・マドリー/ウェールズ代表)の再来』と称される弾丸のような鋭いドリブル突破と推進力を感じさせるスピードに長けたアタッカーだ。ポウルセンやヴェルナー以上の存在になる可能性を随所に感じさせる。

 「ドイツ代表の未来を担う」と多くの国民から期待されている本格的な点取り屋タイプで、ドイツU21代表のエースFWダビー・ゼルケですら出番が限られる程に攻撃陣の層は分厚く、ラルフ・ハーゼンヒュットル監督は、選手交代を駆使しながら前線の選手の負担も多い『パワー・フットボール』を機能させている。

個性派若手タレントを牽引する“アシスト・キング”はサッカー一家に育つ

 そんな個性豊かな若手タレントが揃う前線を操るのが、現在25歳で、このチームでは「お兄さん」的存在であるエミル・フォルスベリ。主に左側の攻撃的MFとして起用され、30試合の出場で8得点。さらにブンデスリーガトップの19アシストを記録。12アシストのドイツ代表FWトーマス・ミュラー(バイエルン・ミュンヘン)を大きく引き離してのアシスト王に輝いた。