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ぷら~リ 欧州蹴球場百景【2】シュタディオン・ウィーナー・ノイシュタット

欧州四大リーグと聞かれて英・西・独・伊の国名は、サッカーファンならば誰でも即答できるはず。しかし欧州四大ビールと言われて、答えられるビール通のサッカーファンは、意外に少ないかもしれない。ミュンヒナー、ドルトムンダーは、2012-13シーズン欧州の頂点を賭けた両雄の街で醸造されたビール。そしてチェコのピルスナー、オーストリアのウィナーが四天王。ピルスナー発祥のピルゼン、かたや褐色のウィナーラガーは、オーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフから騎士十字章が授与された逸品。

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ななせさんが持っている『ゲッサー』は日本でも手軽に手に入るウィナー・ピルスナーの代表格。第二景はウィーンから南に60キロ程下ったウィーナー・ノイシュタット(WN)シュタディオン。その名の通り「ウィーンの新しい街」は第二次大戦時の甚大な爆撃被害からの復興を余儀なくされた。

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この連載では蹴球場百景と看板を掲げるからには、毎回一枚はスタジアムの写真を必ずUPする。今回上の写真はかなり気に入っている。ビールのCMにも見えなくもないが。

2015年2月14日、このスタジアムで南野拓実が同国デビューしている。ポジションは左ハーフ。7700人収容のスタジアムに観衆は2100人程度。一方この時点で最下位から浮上することなく降格してしまったWNは、当時ラピド・ウィーン出身のクロアチア人を左ハーフに据えていた。。

2017年11月5日 第14節ウィーンのエルンスト・ハッペルスタディオン
アウストリア・ウィーン対SVマッタースブルク。1-1で迎えた後半30分過ぎ、奥川雅也がピッチに投入される。その3分後、右サイド奥川にボールが入ると柔軟なドリブルムーブでマーカーを翻弄、ペナルティエリア内に侵入し左足を振り抜くと、ファーサイドのネットを揺らして見事な勝ち越しゴールが生まれる。その後フリーキックで1点を追加したマッタースブルグがアウェーで掴んだ金星。今季2部のリーフェリングからレンタルされている奥川にとっては記念すべき一部リーグでの初ゴール。翌日は日本国内のメディアも奥川の話題で賑わうかと思いきや、取り上げたのは日経、時事通信とフットボールチャンネル、ゲキサカの四媒体。こんなものかと思ったがオーストリア・ブンデスリーガの注目度からすれば上出来。5万収容のハッペルのシートは一割程度しか埋まっておらず・・・そんなものだ。

第6節アルタッハ戦の動画。前半31分と早い時間帯で投入された奥川。
この試合でアウストリア戦とほぼ同じ位置からシュートを放っているが枠を捉えることができなかった。それでも斬れのあるドリブルは攻撃のアクセントになっているので、観ていただいて損はない。

この動画で29番奥川以外に視覚えのある顔が序盤の円陣に登場した。27番のフロリアン・ジッザム

2016年5月10日エアステリーガ第33節
ウィーン滞在中、WNシュタディオンにリーフェリングがやってくる。南野のデビュー戦は見れなかったが、奥川雅也を見る機会が転がり込んだ幸運。
地下鉄6号線からウィーン・マイドリング駅で乗り換えると30分でWN中央駅に。但しそこからが不安なのでタクシーを利用。帰りの徒歩、ルートを覚えたつもりで挑んだが撃沈、結局1時間以上は歩く羽目に。ウィーン市内の宿に着く頃には日付は変わっていたが、無事辿り着けたので問題なし。下の写真はWN中央駅出発時にシャッターをきった。

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奥川は後半からの出場。ポジションを右から左にかえ、低い位置に下がってボールに触れる回数は幾分増えたが正直この日は見せ場なし。
アルタッハ戦では中盤の左でプレーしているジッザムだが、この日は最終ラインで無失点に貢献。その一ヶ月後の親善試合、ブルガリアU21戦に招集されたジッザムは、1994年12月生まれで奥川より二歳年長。


背番号18がジッザム。奥川は9番。一年前約500人の観客の前で対峙した二人が一部で同僚に。更に上(A代表)を目指すのであれば、マッタースブルグに長く留まるわけにはいかない。

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冒頭で述べたとおり、この新しい街で1952年春スタジアム建設の工事が始まった。80年代に照明が整備されメインスタンドに屋根が設けられた。
スポンサー(パートナー)企業にはプンティガマーが名を連ねる。2003年にオランダのハイネケングループに引き継がれたグラーツ発祥のビール・ブランド。ジッサムはシュタム・グラーツの下部(U18)出身。5歳年下の弟フィリップはグラーツの現在セカンドチーム(四部)でプレーしている。

奥川、ジッザムの他にもう一人、アルタッハの動画には注目すべき人物が映し出されていた。南野と対戦したクロアチア人、クリスティアン・ドブラスがWN時代と同じ30を背負い左サイドでプレーしている。昨季はWMからシュタム グラーツ、今季はアルタッハへ。


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アルタッハは本年8月3日UEFAヨーロッパリーグ(EL)予選3回戦で久保裕也所属のヘントを退けている。第2戦80分にピッチへ送り出された久保の目の前でダメ押しゴールを決めたのがドブラスだった。
二部降格後も一昨季は7位、昨季は更に順位を下げてしまったWN。しかし今季は17節終了現在首位と同勝ち点の2位。
隣国ドイツ同様外国人枠は撤廃、但し自国選手の登録数12名が義務づけられるオーストリア。そしてTV放映権の分配金の査定評価に自国の若手選手の起用実績が含まれるシステム。これからもジッザムやドブラスと同じルートを辿るように、音楽とビールの国で芽吹いた若き才能達が経由するであろうこの街の人口はエルンスト・ハッペルの収容人員よりも少ない。【ニ景了】

文/撮影:横澤悦孝 モデル:花園ななせ

By | 2017-11-15T02:48:58+00:00 11月 14th, 2017|Categories: Soccerlture League, コラム, ひゃくぷら|0 Comments

About the Author:

Yoshitaka Yokozawa

1964年生 / 東京都在住
NPO・NGOの経験を活かしてサッカルチャー・チャアマンをしてます。
本業は国際交流コンサルタント。文化催事の企画運営や講演など欧州と国内をころげまわってます。
サッカルチャーコラム連載では欧州蹴球文化探訪(全41回)
同ベルギーの光と闇(全27回)※最終話そのうちUPします。
長靴の国で観た異邦人たち(全21話)
サッカルチャー・ホームタウン秘書室(2017年~
同 日本人が知らないアーセナル 全8回含)他。
サッカルチャーやっててよかったのはバルセロナで故ヨハン・クライフに逢えたこと。世界各国の”秘書たち”とビールを飲むのもささやかな楽しみ。

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