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日本の女子サッカーは本当に過渡期を迎えているのか?育成年代の成功となでしこリーグの現状

 「日本の女子サッカーは過渡期を迎えている」と言われている。しかし、同時に「本当にそうなのか?」とも筆者はよく自問自答している。

 女子サッカー日本代表=なでしこジャパンは、2011年のFIFA-W杯ドイツ大会優勝に始まり、2012年にはロンドン五輪準優勝、2015年にはFIFA-W杯カナダ大会準優勝を成し遂げた。しかし、これらの輝かしい実績が対象となるため、世代交代を強いられる中で新陳代謝は全くと言っていいほどに進まなかった。

 そして、世界的な女子サッカー界のレジェンド=澤穂希さんが2015年限りで現役を引退したのを象徴に、日本の女子サッカー界は過渡期を迎えている。

 何よりも、日本の女子サッカーのトップリーグである『プレナスなでしこリーグ1部』は2015年までのスカパー、2016年のスポーツナビなどの放送局との契約が終了した。今季はINAC神戸レオネッサが自前のWEBチャンネルで放送したり、各地方の放送局が単発的に放送する以外は映像化されない厳しい状況だ。昨年のリオディジャネイロ五輪への出場を逃したことが未だに尾をひいている。

 3月初頭にポルトガルで開催された『FPFアルガルベカップ2017』に参戦した、なでしこジャパンも参加12カ国中の6位で終えた。完全に過渡期だ。

U17W杯優勝を筆頭とする育成年代の黄金期

 しかし、そうとも言い切れないのが、そのアルガルベ杯でも23歳のFW横山久美(AC長野パルセイロ・レディース)が4試合で4得点を奪って大会の得点女王となり、代表デビューとなった20歳のMF長谷川唯(日テレ・ベレーザ)は大会を通して2得点2アシストを記録したのを筆頭に、多くの若手が台頭した。

 また、近年の育成年代の代表では2014年のU17W杯で初優勝。2016年にはU17W杯で準優勝、U20W杯では3位入賞と好成績を続けており、その3大会全ての最優秀選手にはMF杉田妃和(INAC神戸レオネッサ所属、2014年U17W杯と2016年U20W杯両大会でMVP)とMF長野風花(浦和レッズレディース所属、2016年U17W杯MVP)が選出されている。育成年代には世界から見ても“黄金世代”と称されるべき選手達がいる。

 しかも、2014年のU17W杯優勝と昨年のU20W杯の3位は、現・なでしこジャパンの指揮官=高倉麻子監督が指揮を執っていたのだから、今後その育成年代の逸材たちを適切なタイミングでフル代表にも“昇格”させてくるはず。確かに不安も大きいが、期待も大きいのが実情なのだ。

 そんな高倉監督はチーム作りや選手選考のプロセスについての持論として、「チーム作りとはいつも水が流れている状態」としばしば表現している。「流れが滞る前に水を入れ替え、また新しい水を入れ替えながら新たな流れを生んでいく作業」だと。

 その“水源地”とはもちろん、なでしこリーグに他ならない。この水源地から“良質な”、そして“異質な”水を汲み上げる作業が高倉監督の選手選考なのだ。

“水源地”から汲み上げたコスタリカ戦のメンバー選考

 そして4月9日に熊本で開催される、『キリンチャレンジカップ2017~熊本地震復興支援マッチ がんばるばい熊本~』のコスタリカ戦には以下の通り、初代表4人を含む若いメンバーが選出された。

【GK】
1 山根 恵里奈 ヤマネ エリナ(ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)
18 池田 咲紀子 イケダ サキコ(浦和レッズレディース)
21 山下 杏也加 ヤマシタ アヤカ(日テレ・ベレーザ)