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武藤嘉紀のチェルシーからのオファーがアーセナル稲本、バイエルン宇佐美とは違う理由

※1は冬の移籍市場でドイツ1部・ヴォルフスブルクへ完全移籍
※2は冬の移籍市場でイタリア1部・フィオレンティーナへレンタル移籍。

 上記を見ても、序列が明確と言うよりも、ハッキリし過ぎています。出場時間が11番目に多いFWジエゴ・コスタ(1960分間)と12番目に多いラミレス(922分)の差が2倍ある事も著しい数字ですが、ラミレスはまだ“準レギュラー”と言える位置付けです。しかし、その後の13番目から19番目に当たる選手達(フェリペ・ルイス、ドログバ、ズーマ、ミケル、レミー、シュールレ※、ツェフ、※シュールレは途中退団)の出場時間もコントロールされているように同じくらいです。彼等は“準レギュラー”でなく、完全な“バックアッパー”です。

 「全てのサッカー選手は平等である」「全選手がポジション争いをしている」などという美辞麗句はサッカー界における最も明白な嘘です。特に世界最強の代理人であると言われるジョルジュ・メンデスと同胞のポルトガル人であるモウリーニョ監督が、選手補強に代表されるようにピッチ外のロビー活動が忙しいこのクラブならではの選手起用ではないか?とも思ってしまいます。

 日本のJ1リーグ・FC東京の日本代表FW武藤嘉紀もチェルシーからの獲得オファーを受けたと話題になっていますが、チェルシーで出場機会を掴む事は無理です。実力主義ではなく、様々な契約事項優先で試合に出場する選手が決まっているかのようなクラブではどう頑張っても・・・。

結果最優先でビジネスライクだからこそ 武藤のチェルシー移籍は稲本、宇佐美とは違う

 それだけ戦術では結果優先主義で、チーム編成もビジネスライクだからこそ、選手にとってもその時の状況で最適な環境がどこなのか?を探してくれるのがチェルシーとモウリーニョ監督でもあります。

 モウリーニョ監督は正直で、自分の志向するサッカーと合わない選手に対しては移籍先を探す事も早い段階でハッキリ言ってるようで、それが2014年1月にマンチェスター・ユナイテッドへスペイン代表MFファン・マヌエル・マタを約65億円、2014年5月にはブラジル代表DFダヴィド・ルイスをパリ・サン・ジェルマンへ約70億円、2014年1月と2015年1月にはドイツ1部リーグのヴォルフスブルクへベルギー代表MFケビン・デ・ブライネを約25億円、ドイツ代表MFアンドレ・シュールレを40億円という高額な移籍金で売却できた理由にもなっています。試合出場が遠ざかってバックアッパーになってしまえば市場価値も下がってしまうため、“売り時”を逃さない事が重要で、その売却益でセスクやコスタという移籍市場の人気銘柄をきっちりと買ってくる。モウリーニョ監督は“サッカーの監督業”というよりも、“バイヤー業”のノウハウもあるのかもしれませね。

 また、今回の武藤への獲得オファーは過去にビッグクラブに加入して全く出場機会がなく1年で退団した稲本潤一(アーセナル、リーグ戦出場0)、宇佐美貴史(バイエルン・ミュンヘン、リーグ戦出場3)、とはケースが違います。彼等はガンバ大阪からのレンタル移籍だったため、アーセナルもバイエルンもどうにもしようがありません。その点、武藤の場合は完全移籍でチェルシー側が保有権を持てるため、国内外のクラブへレンタル移籍させる事が可能になります。また、過去の海外移籍で誰にとっても不利益なオペレーションしか繰り返せなかったガンバ大阪とは違って、長友佑都のイタリアへの移籍オペレーションで成功しているFC東京に所属している事も武藤がチェルシーを選らばなかったとしても今後のキャリアにとってプラスに働くでしょう。

 もし厳格な英国就労ビザ(過去2年間で代表戦75%以上出場以外は特例措置)が下りなくても、武藤がどこかで結果を残せば、彼等は適正な移籍金と共に完全移籍で見送ってくれるでしょう。ブラジルW杯で得点王候補だったベルギー代表FWロメル・ルカクですら、チェルシーと契約してからプレーしたのは1年間で、その後の2年間を同じプレミアリーグのウエスト・ブロムウィッチ・アルビオンとエヴァートンで計66試合32ゴールを記録しても、そのままエヴァートンに完全移籍で売却するぐらいのクラブですから。

でも、これはピッチ外の部分で注目されていて、サッカーという競技自体の魅力が損なわれてしまう危険があると思うですが・・・・。サッカーという競技の未来にとって本当にコレで良いのでしょうか?