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創造と破壊のマンチェスター・ダービー

 サー・アレックス・ファーガソンに率いられたユナイテッドの黄金期が終焉し、マンチェスターの覇権を握り始めたのはシティのはずだった。イングランド仕込みの古いサッカーをするユナイテッドとは違い、シティは現代の定番とも呼べるショートパスとポジションチェンジを巧みに繰り返すトレンドチームだった。

 ところが、今回のマンチェスター・ダービーはユナイテッドの完勝に終わり、シティはペジェグリーニの解任説まで囁かれるに至った。わずか数年・・・。金満クラブのシティに訪れた危機によって、再びマンチェスターの勢力図が入れ替わろうとしている。
シティとユナイテッド、2つのクラブで起こる創造と破壊に注目した。

☆「停滞」と「破壊」のシティ

 シティといえば、2007年より続く大型補強で徐々に力を付け、わずか5年で史上初のプレミアリーグ制覇を達成した超金満クラブである。チームの成長にお金が大きく関わった事は事実だが、シティは度重なる補強で年々ユナイテッドとの差を縮めてきた。
 これからはプレミアリーグでの地位を固めるべく、成長期から安定期へと移り変わっていかなければならない。ところが、14-15シーズンにシティは大きな躓きを見せる。昨夏の移籍市場での動きに失敗し、チーム力の底上げが出来なかったのだ。
このような事態は現オーナーのアブダビ・ユナイテッド・グループが就任以降初の事であり、昨季とメンバーの顔触れがほとんど変わらないまま14-15シーズンの開幕を迎える事となった。

 獲得した主要選手は守備的MFのフェルナンド、フランス期待の大型CBマンガラ、フランス代表SBサニャ、そしてUSLへの移籍までという期間限定で獲得したランパードの4名だ。しかし、この中で今回のマンチェスターダービーに先発出場をした者は1人もいない。
 それどころか負傷明けだったコンパニに代わって後半から出場したマンガラは、ユナイテッドの3点目と4点目に大きく関わってしまった。後半21分の3点目の場面ではルーニーへの寄せが甘く、簡単にマタへのスルーパスを許してしまった。4点目のFKでもDFラインを乱してしまい、スモーリングをフリーにしてしまった。
昨夏に獲得した選手がチームの足を引っ張り、成長を続けてきたチームは「停滞」してしまったのだ。

 ペジェグリーニは必然的にシルバ、ナスリといった過去の英雄に頼るしかなくなり、そんな彼らのパフォーマンスも徐々に低下してきている。シティのようにスター選手を集めて作る金満クラブは、常にスターを供給し続けないと強さを維持できないという欠点を抱えているのだ。
 チームに確固たるアイデンティティが存在すれば問題ないが、若手を育てるという概念が無い以上、どうしても実績のある選手を求めてしまう。しかし欧州の舞台で実績のある選手というのは、多くが20代半ばの選手となるため、賞味期限が2~3年で過ぎてしまう。
 つまりは、11-12シーズンにプレミア史上初の優勝をもたらしたナスリやシルバは賞味期限が切れ、チームには新たなスターが必要となっているのだ。それを獲得するミッションに失敗したシティは、徐々にチームが「破壊」の道へと向かっている訳である。

 監督も同じだ。CLで結果を残せないマンチーニを更迭し、過去にマドリーやビジャレアルなどを率いた経験のあるペジェグリーニを招聘したものの、彼も同じくCLで結果を残せなかった。それどころかプレミアリーグでも優勝戦線から漏れ、今では来季のCL出場権を獲得するのがやっとの状況にある。
 シティというクラブが成長するには、ペジェグリーニがCLで結果を残し、シティを新たな段階へ導かなければならなかった。優勝は難しいとしても、少なくともベスト4には入るべきだっただろう。このミッションに失敗した事で、シティはクラブとしてのブランド価値も「停滞」してしまった。
 無冠に終わる可能性が高いペジェグリーニは今夏に解任されるだろう。シティは再び来季から新たなスタートを切らなければならなくなり、必然的にペジェグリーニを超える名将を求める事となる。そのために再びお金を積むゲームがスタートし、良くも悪くもシティは市場を引っ掻き回すのである。

About the Author:

大阪府在住 / 20代 / 趣味:サッカー観戦、カラオケ / サッカー歴:中学2年よりサッカーを始める。人生初の試合が0-12、チームとしてのシュート数0と歴史的な大敗となり、カルチャーショックを受ける。それ以降なぜ0-12で負けたのかを研究するようになり、気付けばサッカーオタクとなっていた。

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