明治安田生命J1リーグの第2ステージの第14節、ヴァンフォーレ甲府が同じく来季のJ1リーグ残留を争うモンテディオ山形との直接対決が行われ、甲府が1-0で完封勝利。年間総勝点を36に乗せて、J2降格圏の松本山雅FCとの差を9ポイントに拡げる事に成功。翌週の結果により、見事に甲府は3年連続のJ1残留となりました。

 その試合で今季20試合目の出場となったGK河田晃兵は監督交代直後の第1ステージ第12節のモンテディオ山形戦からリーグ戦全試合に先発フル出場して13失点(以後サンフレッチェ広島に0-2と敗れて21試合15失点)に抑え、その間のチーム成績も8勝6分6敗で、勝点を30も記録する上位争いをできるくらいの成績。また、この試合での完封により今季の自身が出場した試合でのクリーンシートは10試合目。実に“完封率5割”という絶対的な結果を残しており、ファーストチョイスであるはずの日本代表GK川島永嗣が所属クラブが決まらずに実戦から離れて代表落ちが続く中、この河田の代表招集の可能性もあるのではないか?そう、「無視できない結果」を残し続けています。

 的確なポジショニングと正確なセービング、PKストップの多さ。話しかけると“ド天然”な自然体の彼ですが、その頭脳的なプレースタイルからは新たなGKとして今後もより大きな舞台でも飛躍できる可能性を感じさせます。

GKゆえの下積み時代~レンタル移籍で確かな実績を残すも・・・

 2010年シーズンに福岡大学からG大阪へ加入してからの2年間は公式戦出場がなく、2012年にはJ2・アビスパ福岡へのレンタル移籍を決断。そこで公式戦デビューを果たし、リーグ終盤の10試合に出場して17失点に抑えたものの、実は出場した試合のチーム成績は4分6敗の未勝利。完封も1度も記録していません。

 しかし、翌年にはJ1へ昇格した甲府への“再レンタル修行”で加入。ここで当時の城福浩監督から、
「他のGKとは違った雰囲気がある」
と稀有なポテンシャルを認められた河田は、J1デビューとなった試合でいきなりのPKストップという大きなインパクトを残し、さらにデビューからチームも7戦無敗という結果も残して定位置を獲得。結局、2013年シーズンはJ1リーグで17試合に出場。4完封を含む23失点に抑えて、彼が出場した際のチーム成績も4勝7分6敗、勝点19。“プロ初勝利”も記録しました。それまで2年連続のJ1残留を成し遂げた事がなかった甲府にとっては、試合数よりも勝点の方が多ければ“良”と言えるでしょう。

ただ、その結果を下に完全移籍への移行を要求した甲府でしたが、高額な移籍金を支払えずに断念。2014年シーズンは河田のレンタルも認めない方針のG大阪へ復帰するに至りました。

 迎えた2014年シーズン。G大阪はチームとしてJリーグ史上初のJ1昇格初年度の3冠(J1リーグ、ナビスコカップ、天皇杯)を達成。G大阪が全51試合の公式戦を消化した中、河田は実に公式戦45試合でベンチ入りしたのですが、河田はナビスコカップのグループリーグ1試合のみの出場に終わりました。河田がG大阪への復帰を決めた同時期に、チームには後に日本代表へ定着するアルビレックス新潟のGK東口順昭の加入が決まっていたからで、その東口はMVP級の働きを見せて3冠獲得に大きく貢献しました。

 それらも含めて1つしかないGKという専門職のポジション上の厳しい“下積み時代”の完結となりました。