今季からテレビ放映の形態が大きく変わるJリーグ。ゆえにヴィッセル神戸が元ドイツ代表FWルーカス・ポドルスキの獲得を狙ったり、元日本代表MF中村俊輔がまさかのジュビロ磐田への移籍を決断するなど、各クラブが大きく補強で動いている。

そんな中、筆者が今季最も期待する選手は意外な選手なのかもしれない。

 昨季の明治安田生命J2リーグ。ザスパクサツ群馬は全22チームのJ2で17位に終わった。J3降格の危機を感じた事もあった。しかし、J2下位に沈む他クラブとは違い、彼等には“タリズマン”(守り神)的存在がいた。

 リーグ最多の13アシストを記録した「アシスト王」であり、得点もチーム最多の13ゴール。「チャンスメイカー」でありながら、「点取り屋」としても活躍する選手がいたのだ。

 瀬川祐輔。明治大学から加入した大卒ルーキーのMFで、群馬としては即戦力として獲得した右サイドアタッカーだったのだ。

 ただ、彼は2015年シーズンにサイドMFとして鋭い得点感覚を見せたMF吉濱遼平の長期離脱やFW陣の得点力不足もあって、主に2トップの1角として開幕から定位置を確立する事になった。中盤戦を過ぎる頃には1トップの最前線を担うほどの信頼感を得ていたのだ。

 それもそのはず、開幕戦から先発に抜擢されただけでなく、いきなり2ゴール1アシストの大活躍。その後は得点からは遠ざかったが、6月8日に行われたJ2第17節のアウェイ・ギラヴァンツ北九州戦ではハットトリックも達成。以降もコンスタントに得点に絡み続け、最終的には13得点13アシストという”ダブル-ダブル”を達成した。

動画URL:https://youtu.be/hXA5VbVwcUI 瀬川がハットトリックを達成した第17節、北九州戦。

 昨季の瀬川は10試合ほどは本職のサイドMFとして先発していた。そして、自他共に認める最大の武器はスピードで間違いない。サイドに開いた状態からゴールに対して斜めに走る抜ける動きや、クロスに対して点で合わせる能力など、オブ・ザ・ボールの動きに優れているからこそ、多くの得点に絡む事ができるのだ。

 その他にも170cmと小柄ながらもバネがあるのでヘディングも強い。また、アシスト能力が高いため、シュートの選択肢を効果的に使う事もできる選手だ。

大卒→群馬の26番→大宮へ~大宮へ移籍した先輩・江坂がJ1でも大活躍!

 実は瀬川が加入する前にも、群馬には流通経済大学から加入した大卒新人のMF江坂任がいた。彼も群馬で13ゴールを記録し、僅か1年でJ1の大宮アルディージャに引き抜かれていた。

 江坂は大宮でも定位置を奪い、ここまで31試合に出場して8得点を挙げて昨季の明治安田生命J1リーグの舞台でも大活躍。それまでJ1・11位が最高位だった大宮でJ1昇格初年度ながら、クラブ史上最高となる5位に大躍進したチームの大きな原動力となった。

 特徴が違うとはいえ、江坂も体格に恵まれずとも、滞空時間の長いヘディングを得意とし、サイドMFながらFWとして多くの得点に絡むなど、瀬川との共通項も多い。

 そして、その江坂が群馬でつけた背番号「26」は、昨季、瀬川が継承した。そして、2人とも加入初年度で13得点を挙げ、瀬川は江坂と同様にJ1・大宮へステップアップ移籍する決断を下した。

“日本のペドロ”瀬川のJ1でのブレイクに期待!

 瀬川のプレーを見ていると、現在はイングランドのチェルシーでプレーするスペイン代表FWペドロ・ロドリゲスに似ている気がする。

 オフ・ザ・ボールの動きが多彩で鋭いペドロ。移籍初年度の昨季はチェルシーで苦戦していたものの、今季から就任したアントニオ・コンテ監督の下で、彼は<3-4-2-1>という斬新なシステムのシャドーに定着。イングランド・プレミアリーグで13連勝を記録するなど、首位を走るチームに不可欠な存在となった。