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ロシアW杯2次予選、シリアVS日本〜不完全燃焼の快勝

確実に”仕留めた”後半 本当にコレで納得して良いのか?

 全く上手くチームが回らない前半を経るも、予想に反して選手交代なしでスタートした後半。しかし、日本が開始から2列目の3選手が近い距離でポジションを取る事でシリアの守備ブロックの“間”でボールを受けられるように修正。同時に岡崎が最前線で縦横無尽に動きまわる事でスペースも出来ていたため、前線の4選手が流動的な攻撃を魅せ始めました。

 そして55分、右サイド深くで相手の攻撃を受け止めてボールを奪った主将MF長谷部誠。攻守が切り替わった瞬間に最前線に出来ていたスペースへ向かって素早く動き出したFW岡崎へ高精度のロングパスが通る。受けた岡崎が懸命に戻って来た相手DFを緩急をつけて受け止める事でファウルを誘い、思惑通りのPKを獲得。このPKを本田が相手GKの逆を冷静に突くキックで左へ沈めて日本が0-1と先制。

 先制点を奪って落ち着いて試合を運び始めた日本はこの後も攻勢を仕掛け、左サイドから崩して中央の本田や、途中出場の宇佐美貴史から岡崎がエリア内右に抜け出して決定機を得る似たようなシーンを2度演出。ここでは追加点を決められませんでした。

 しかし、70分でした。右からのクロスが左サイドに流れ、拾った香川がドリブルで相手DFを交わして、ゴールライン際からエリア内に持ち込む。この瞬間に岡崎がゴール前で巧みな動き出しでフリーになったところへ香川が絶妙にお膳立てのパスを入れ、岡崎が難なく流し込んで0-2となる追加点。

 ただ、この後はシリアを相手にカウンターを狙ったとはいえ、押し込まれる試合展開となり、あわや失点の危機もありました。その上で、カウンターから本田や宇佐美が決定機を得るも決めきれず。88分に完全に体力もなくなって前掛かりになったシリアの裏を突いたカウンターで、途中出場のMF清武弘嗣から絶妙なスルーパスが本田へ通り、中央にスペースを作りながら左サイドで受けた本田がそのスペースへ巧みなヒールでお膳立てのラストパス。スペースを突いた宇佐美のシュートがGKに当たりながらも決まって0-3となり、スコア的には“快勝”も、いまいち何とも言えない印象でタイムアップ。

 後半は確かに監督の指示もあって修正できた事や、シリアが前半から飛ばして動き回っていたために運動量が落ちる事を想定して前半を失点しないで凌いだ事も確か、2点目以降は引いてカウンターを狙うのもゲームプランとしては妥当。しかし、観客も入らない決してアウェイ感があったとは言えない状況の格下相手との試合で、そんなつけ焼き刃の戦略で“ただ勝っただけ”感のある試合に納得していいのでしょうか?後半も修正できて3得点できたとはいえ、それで両SBが上がって支配的な試合を運べたわけではなく、むしろ攻撃は前の4人しかほとんど絡まないというリスクを冒さないモノばかり。この試合を高評価してしまう事こそがリスクに感じてしまうほど、乏しい試合内容だったように感じました。

 この後、日本代表はW杯2次予選が5カ国で試合がない日程に入るため、イランに移動して、13日にイラン代表と強化試合を行いました。FIFAランキングではアジア最高位となる39位のアジアの強豪国相手に戦った試合のマッチレポートも執筆致しますので、しばし下記の選手採点&寸評でお楽しみください。

【選手採点&寸評:独断MOMは岡崎】

出場選手
選手 採点 一言
GK西川周作 6.0 危ない場面が多い中、直接FKなど決定機を防いだり、タイミングの良い飛び出しで未然に防いだり、相手にプレッシャーをかけて完封をもたらした。
DF酒井高徳 6.0 ビルドアップがままならない展開でもスピード感を出すなど奮闘。クロスには疑問を感じた場面もあるが、試合勘に心配なし。酒井宏はよく途中交代させられるので、フル出場は評価に値。
DF吉田麻也 5.0 出足の遅い対応で後手に回り、ピンチを招く。ビルドアップも不安定で、終始目的意識が定まっていないようなプレーが多かった。森重とのコンビではこんな事はなかったが・・・。
DF槙野智章 5.0 グラウンドの状態が悪いためにビルドアップやバウンドボールの処理にミスが頻発。「自分が」というリーダーシップはすごいが、この日は麻也に統率してもらった方が良さそうだった。
DF長友佑都 6.0 トップフォームに全く戻らないが、それでもドリブル突破や対人守備で無理が利くレベルは披露。もっと戦術的に彼を使う攻撃の戦略があっても良いと思うが、現監督のアプローチでは・・・。
MF長谷部誠 5.0 芝が悪いとはいえ、配球ミスが多過ぎる。特に左サイドへのパスはほとんどズレが生じていた。反面、普段あまり見られないロングボールではPK獲得の場面などで鋭さと精度を見せる。
MF山口蛍 5.0 相手の厳しいプレスにビルドアップも安定せず。持ち味の幅の広いダイナミックな動きも皆無に近かった。長谷部と2人で1人の仕事を分け合ってしまっていた。
FW本田圭佑 6.0 最も多くの好機に絡み、最も決定機でミスをしていたが、それだけ全てに絡んでもいた。PKも以前よりも断然上手くなった。しかし、それだけで良いのか?
MF香川真司(79分まで出場) 5.5 前半はビルドアップすら出来ない試合展開の中で埋没。後半は2点目のアシストで魅せたが、どうやって前を向いてプレーするか?の工夫は物足りない。
→MF清武弘嗣(79分から出場) 6.0 久しぶりの代表戦にも関わらず、即座に順応して追加点にも絡む。香川との共演を見てみたいが・・・。
FW原口元気(66分まで出場) 5.5 疲労からか?いつものガツガツした積極性も影を潜めていた。ピンチを招くミスもあった。それでも後半は流動的なプレーで役目は果たして交代。
→FW宇佐美貴史(66分から出場) 6.5 多くの好機を演出し、得点も決めた。しかし、これでまだ代表2得点目(しかも共に格下相手の終盤)では、23歳の決して若手ではない新エース候補としては不十分。
FW岡崎慎司(85分まで出場) 6.5 動きが重そうで本調子ではない中、PK奪取と1得点で結果は残した。しかし、決定機を決めきれない場面もあったが、ストライカーとはこんなものかも。
→FW武藤嘉紀(85分から出場) 短時間出場のため採点不可。 カウンター狙いの象徴としては機能。