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FIFAロシアW杯アジア2次予選、日本VSアフガニスタン 〜個人戦術の組み合わせに見えたハリル流

 選手交代なしで迎えた後半。追加点は即座に生まれなかったが、日本は清武が自分のポジションとスぺ―スを見つけて攻撃を操ったのが大きかった。

 そして58分、グランダーの縦パスを今度は引いたFW金崎がワンタッチでゴール前へ浮き球のパスを流し込み、そのスペースに走り込んだ清武が合わせて2点目。63分には右サイドで高い位置をとったSB酒井宏樹がドリブルで持ち込んで入れた低いクロスが相手DFに当たってゴールに吸い込まれ3-0に。74分には、清武の左CKからニアサイドに飛び込んだ吉田麻也がヘディングで4点目を決めた。

 78分には左から清武がゴール前に入った途中出場のFWハーフナーへのアーリークロス。ハーフナーが長身を活かして巧みに折り返したボールを、この試合だけで1人で9本のシュートを放った金崎が体ごと突っ込んで5点目。

 完全な格下相手にそのまま5-0で難なく勝利した日本。これでW杯アジア最終予選への進出が決定した日本だが、中4日でホームで迎える29日のシリア戦が2次予選の最終戦となる。(以下、順位表参照。)

新布陣・新戦術ではなく、“清武”という個人戦術の機能

 新戦術や新システムが機能したと評価されているアフガニスタン戦だが、筆者が考えるにはそれは誤りではないかと思う。試合前日の1日しか練習していない布陣や戦術を完全な格下相手とはいえ、その戦術自体が機能したとは言い難い。だからこその前半28分頃の緊急ミーティングだったはずだ。もちろん、選手達が自らの意見交換で自主的に修正した点も見逃せない収穫だ。

 しかし、これは新戦術や新システム、引いては相手チームの実力どうこうの問題ではないと感じる。なぜなら、日本代表が普段採用している<4-2-3-1>にしても、<4-3-3>にしても、今回の<4-3-1-2>にしても、前線と中盤は3人ずつの構成だ。これが中盤フラットの<4-4-2>なら両サイドMFからのサイド攻撃や2トップだけでの速攻、<3-4-3>なら中盤やビルドアップのメカニズムに変化が生じるが、<4-2-3-1>や<4-3-3>、<4-3-1-2>ではそういった変化がない。極論すれば、前線の3人をどう配置するか?ウイングを置くのか、トップ下を作るのか?だ。

 その上で評価すべきなのは、個人戦術の部分だ。前線3人の個性を活かすべく、岡崎がシャドー的な位置に下がってスペースを作り、そこへ金崎が突っ込んだり、時間差で清武が飛び出して奪った2点目などはその象徴的な部分だ。そういった個人戦術の組み合わせを意見交換で修正した事で、清武がこの試合の中でのトップ下のポジションとスペースを見つけ出した事が大きかった。如何にもトップ下の仕事をこなした清武のアシストだった先制点も素晴らしかった。

 これを新布陣や新戦術として解釈するとチーム単位で捉えてしまう。しかし、これは個人戦術の組み合わせであって、それはトレーニングに時間が限られる代表チームでは大きな事。選手起用自体が戦術の変更にも繋がるため、個性を最大限活かすアプローチを監督や選手達が見せた事は、ハーフナーがピッチに登場すると直ぐにアーリークロスを多用し始めた部分にも表れていた。

 こうした個人戦術から波及していくのは重要な事で、昨年秋頃から台頭し始めた原口や柏木、金崎も同じようにチームに定着して来た。この3人も実はハリル体制下ではなかなか招集がかからなかった選手だったが、今や主力級になっている。

 やっと、ハリル流が見えて来たのかもしれない。