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長靴の国で観た異邦人たち 九の巻 【未知なる大陸から新たなる旅立ちへ】

前々回 七の巻で掲載したラ・スペツィアのクラブチームが刻んだ創立から110年の歴史を示すエンブレムとアルベルト・ピッコのファサード。街中の風景は汗ばむ陽気の今春に撮影。およそ半年ぶりに訪れた街並みにはダウンジャケット姿も目につく。

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 近隣地域の名門フィオレンティーナが今年90周年を祝っているだけに、20年ほど上回るスペツィアの重みがより際立つ。広く知られる2002年のフィオレンティーナ経営破綻。しかしこのスペツィアも2008年同じく経営破綻によりセリエDからの再始動を余儀なくされたエスプレッソのような苦い過去を持つ。そのスペツィアが今季はクラブ史上初のセリエA昇格も夢ではないとピッコに足を運ぶスペツィア市民の老若男女達。

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2016年第11節10月24日本拠地で2位チッタデラを迎え撃つスぺツィアとのポイント差は僅か2。直接対決で勝利すれば暫定ではあるがその時点でスペツィアが2位へ。

 注目のスタメン、4バックの左にダトコヴィッチは、ウォームアップ時点である程度予想できたがもう一人異邦人が前線に。右サイドの背番号18番はデヴィド・オケレク。1997年8月生まれの若者はコッパ・イタリアのウディネーゼ戦で逆転ゴールを決めておりジャイアントキリングの立役者として伊紙面を飾った。

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 試合は目まぐるしく、やや慌ただしい攻防ではあるがピッチを駆けまわる全てのプレーヤーから気迫が伝わる。熱狂的なスタジアムの雰囲気が彼らの背を押しているのかもしれない。
結果は1-1のドロー。

オケレクは立ち上がりこそ悪くはなかったのだが徐々に消えてしまい翌日ガゼッタ紙の採点は5。ダトコヴィッチも5と若手に厳しい評価。

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 それにしても今季のチッタデラはレガプロからの昇格直後ながら優勝争いに堂々加わるだけあって統率のとれた好チームでありロベルト・ヴェントラート監督の手腕は見事。

《上写真は試合後記者会見》

 ヴェントラートは残り10分でトップをコートジボワール人FWクリスチャン・クアメに代えて勝ち点3を狙う。しかし1997年12月生まれの18歳は何もできずにタイムアップの笛を聞き注目していた筆者は肩透かしを食らう。実はこのクアメ、フィレンツェ北部の弱小クラブ所属ながらこれまでサッスオーロ、昨年はインテルのユースに貸し出されておりプリマヴェーラ(ユース)では名も知られている。この日見せ場こそなかったものの次節(29日)のラティーナ戦は得点を決めた。これまでユースとレガプロでのプレー経験しかない彼にとっては新たな階段を上る記念すべきゴールとなった。

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 ナイジェリア五輪代表と日本代表の試合で一躍脚光を浴びたサディク・ウマルもスペツィアが発掘後ローマを経て今季からボローニャでプレーしており、15歳でスペツィアが同国から連れてきたアブドゥラヒ・ヌラも今季ローマとプロ契約している。
オケレクも数年後はビッククラブでプレーする未来、新たな旅立ちの日を夢見て、過酷なセリエBでの戦いに挑むのか。

About the Author:

Yoshitaka Yokozawa
1964年生 / 東京都在住 NPO・NGOの経験を活かしてサッカルチャー・チャアマンをしてます。 本業は国際交流コンサルタント。文化催事の企画運営や講演など欧州と国内をころげまわってます。 サッカルチャーコラム連載では欧州蹴球文化探訪(全41回) 同ベルギーの光と闇(全27回)※最終話そのうちUPします。 長靴の国で観た異邦人たち(全21話) サッカルチャー・ホームタウン秘書室(2017年~ 同 日本人が知らないアーセナル 全8回含)他。 サッカルチャーやっててよかったのはバルセロナで故ヨハン・クライフに逢えたこと。世界各国の”秘書たち”とビールを飲むのもささやかな楽しみ。

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