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スポーツの理想を体現するドジャース、中田英寿時代のペルージャ

 以上のように、自然と名前を覚えてしまうような個性派の選手達が多かったペルージャは愛すべきチームでした。

ドジャースとペルージャに共通していたもの

 もともとペルージャにはイタリアの田舎町には珍しい外国人留学生のためのイタリア語学校がある事でも有名で、ペルージャで暮らす人々は異文化に寛容だと言われています。文明を重んじるイタリアでは珍しい事であり、北部の人が南部のナポリ人を野蛮人だと差別するような国では稀有な土地であると言えます。

 また、サッカーとは関係なく、イタリアで生活するために多くの日本人がペルージャの語学学校でイタリア語を習得し、その後はミラノやローマのような大都市で現在もビジネスを行っている日本人がいるとも聞きます。まさに、中田英寿がペルージャでの1年半を終え、2000年初冬にASローマへ移籍して行ったような事がいくつも起きていたのです。

 ドジャースには初めて黒人選手がプレーし、その後も多国籍軍団としてアジア人も獲得していった歴史があり、ペルージャには町全体がいかなる外国人をも受け入れる寛容さがある。野茂さんや中田英寿が加入初年度から活躍できた重要な要素だと思います。

 野茂さんも中田英寿も、共に最初のメジャーリーガーでもセリエA選手でもありません。しかし、野茂さんは1年目に新人王を獲得し、それ以降の日本人選手のメジャー移籍を可能にし、中田英寿も初年度からリーグ戦10ゴールを記録し、現在の本田や長友のような選手がイタリアでプレーできるようにしたパイオニア(開拓者)である事は共通していると思います。

 先日の「ジャッキー・ロビンソン・デー」を観ていて、小学生や中学生当時の僕が異なるスポーツの2チームに大きな魅力を感じた理由がやっと分かった気がしました。

 本田圭佑がACミランへ移籍した時、「ビッグクラブのACミランへ移籍」と報じながら、順位が当時のミランよりも上だっただけで、「次節・本田加入のビッグクラブ=ミランは“格上の”エラス・ヴェローナと対戦します」と、意味わからない報道をする事がよくありました。いったい何を強調したいのか?何も知らないのか?

 当コラムはサッカー専用媒体なので野球を扱う事はあまりありませんが、同じスポーツを扱う文書を書く者として、ドジャースとペルージャから感じたようなスポーツの魅力を伝えたいなと思いました。そういえば、広島カープに復帰した黒田博樹投手はドジャースに、ジュビロ磐田へ加入した元イングランド代表FWジェイ・ボスロイドもペルージャに在籍していた選手でもあります。カープとジュビロのファンは彼等のそういう部分に触れる事もできるのでしょうね。