前回の【前線編】に続いて、王者・サンフレッチェ広島のシーズン序盤8連戦を終えての戦力分析を続ける。

「2チーム分の戦力」を証明する充実した中盤

 2チームの分の戦力があると言っても、昨季のJリーグMVPを受賞したMF青山敏弘の代役はいない。だからと言って、青山のバックアップを高卒ルーキーのMF森島司だけの獲得に留めたのも違和感はある。だが、ボランチに関してはクラブW杯でMF丸谷拓也が台頭して来た事以上に、DF/MF宮原和也に期待している部分も大きく感じる。

 Jリーグ屈指のイケメン選手としても人気の宮原は、高校3年生で飛び級昇格してから今季でプロ4年目。下部組織に所属している頃から“森崎和幸の後継者”の後継者と言われながらも、これまでは出場機会が少なく、試合に出たとしても右ストッパーとして起用されて来た。それが今季はすでにボランチとして4試合先発起用されている。特に青山とボランチを組んだJ1の3試合では、欠場したチーム最年長のMF森崎和の役割を担い、十分にゲームをコントロールしていた。

 しかし、宮原にしても丸谷にしても、2人でボランチのコンビを組むのはFCソウル戦の惨敗から見ても厳しい。ただ、彼等も青山と組んだなら十分にチームとして機能できる実力は示した。今後は青山が欠場する際にはシャドーの柴崎晃誠をボランチとしてプレーさせるなどのやり繰りが必要だろうが、今は青山のフル稼働に期待したい。彼はそれだけチームの看板だからだ。もちろん、森保一監督から、「ピッチ上の指揮官」と評されるMF森崎和幸の復帰してくれば、アジアでも屈指のセクションになるだろう。

 尚、サイドアタッカーはこのチームの戦術に置いて最も負担を強いられるポジションだけに疲労が心配だが、ミカエル・ミキッチ、柏好文、清水航平というハイレベルな3人がおり、チームで最も充実したセクション。特に柏は代表入りもありえるほどのハイレベルなプレーをアグレッシヴに続けている。また、キム・ボムヨンに関しては攻撃に迫力を見せていた山形時代のように左サイドでの起用の方が良いのではないか?右サイド専任のミキッチとは違って、柏と清水は両サイド兼任できるだけに、何とか上手く左サイドの戦力として回して行きたい。

盤石にして万能なDFライン~佐々木の長期離脱も「2チーム分の戦力」で補う

 そして昨季リーグ最少の30失点に抑えただけでなく、攻撃の起点となるゲームメイクもできる盤石にして万能な最終ライン。左ストッパーには昨季終盤から1段階プレーのレベルを上げたDF佐々木翔が主戦場を確保した。依然として元日本代表の経験者である水本裕貴とのし烈なポジション争いがあるが、それはプラス面でしかない。

 千葉と塩谷に関しては、どちらかが休む時に宮原を右ストッパーに入れ、千葉か塩谷のどちらかがセンターを務めれば十分に補完できるレベルにある。また、ブリーラム戦では塩谷をベンチに置き、右に水本を起用した事でバランスの良い編成も見られた。