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【後編】城福監督とヴァンフォーレ甲府が成し遂げた偉業 ~「発展型自分達のサッカー」

 【前編】ではヴァンフォーレ甲府のチーム運営面にフォーカスしつつ、ヴァンフォーレ甲府と城福監督について書きました。

 今回は実際のチーム作りについて、2013年のシーズン後半では甲府で活躍しながら、昨年はガンバ大阪で3冠獲得へ貢献したFWパトリックの放出理由などと併せて、ヴァンフォーレ甲府のサッカーを城福監督が描くサッカー感を通して積み上げた3年間についてまとめました。

相手対策を含んだ”自分達のサッカー” 守備練習なし&パトリック放出の理由

 甲府は昨季のJ1リーグ全34試合で少ない方から数えて2番目の31失点。最少失点の横浜Fマリノスの29失点と2失点違いで、優勝したガンバ大阪と同じ数字というのは快挙でと言えるでしょう。また、もっと凄かったのは被シュート数がリーグ最少の249本に抑えた事。次に被シュート数が少ないアルビレックス新潟が296本だったので50本近い断トツの差があります。

 でも城福監督曰く、「守備の練習はしていない」。

 ブラジルW杯惨敗、アジア杯ベスト8敗退により、日本では“自分達のサッカー”を語る事が犯罪のように論じられるようになってしまいましたが、この堅守のチームが「練習ではずっと攻撃の積み上げをして来た。」と言っているのが面白いところ。ただし、同時に、「甲府が“自分達のサッカー”だけを追求していたら木端微塵になってる」とも付け加えてるところも興味深いところです。

 注目すべきは城福監督下での練習内容とスケジュール。(週1試合の例)

甲府の1週間のスケジュール
月曜 火曜 水曜 木曜 金曜 土曜 日曜
休養 課題 修正 相手対策 *練習試合は控組 セットプレー リーグ戦

 土曜日にリーグ戦から組まれているところから始まり、翌日にリーグ戦先発メンバー以外で対外試合を組んでいるので、そちらの試合に出場するメンバーを決めるところから1週間のスケジュールはスタート。月曜曜のオフを挟んで、火曜・水曜の「課題と修正」は前週末のリーグ戦で自分達が出来た事と出来なかった事の“振り返り”から練習メニューを作成。これを「自分達のサッカー」の“積み上げ”として毎週継続し、その間に次の試合の対戦相手の分析をした上で木曜・金曜を迎えて相手対策をする、というのが通常のルーティーン。

 守備の練習をしないのは、「攻撃が積み上げるのに時間がかかるから」であり、「相手の攻撃のエネルギーを削ぐために自分達の攻撃の時間を増やす必要がある」という考え方。コレは身体的不利な対世界では引いて守るだけでは耐えられない日本代表にも必要な考え方だと思います。

 攻撃の時間を増やす=ポゼッション志向に至ったのは、それまでは2012年のJ2は現・鹿島所属のFWダヴィの個人技を活かす事と、J1昇格という結果に執着したためで、2013年もシーズン途中加入となった現・ガンバ大阪のFWパトリックがダヴィにとって代わったようなチーム構成と戦術だった事からの発展を目指したから。甲府にとってはクラブ史上2度目のJ1残留を勝ち取った2013年は勝った試合でもシュート3本で相手が8本くらいというようなカウンター狙いが顕著だったのですが、それでは限界を感じていた事と、万年外国籍FW頼みの戦術では継続的なチーム力が付かないと感じたのでしょう。

 その中で、ガンバ大阪の3冠獲得にパトリックが大きく貢献した状況については、「ガンバでもパトリックはポゼッションには全く絡んでいないし、求められていない。」として、ガンバのスタイルの変貌とパトリックの異分子ぶりについて言及する言葉からは理路整然とした考えがある事が窺えます。本来は、攻撃をするために守備をするモノですが、甲府のような規模のチームは守備をするために攻撃の時間を増やす作業をする、という考え方では、ひたすら相手の裏を狙うパトリックではボールが落ち着かない。逆にもともとボールが落ち着くガンバがパトリックを加入させてから裏を狙い続ける異分子としてのパトリックの加入でバランスが良くなった事、攻撃をするための守備を遂行する事が整理されたのは城福さんの考えに合点がつきます。

By | 2017-04-21T21:52:08+00:00 2月 26th, 2015|Categories: J1リーグコラム, コラム|Tags: , |0 Comments

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hirobrown
創設当初からのJリ−グファンで各種媒体に寄稿する副業サッカーライター。好きなクラブはアーセナル。宇佐美貴史やエジル、杉田亜未など絶滅危惧種となったファンタジスタを愛する。趣味の音楽は演奏も好きだが、CD500枚ほど所持するコレクターでもある。 サッカー歴:中学・高校時代にサッカー部に所属。 中学時は大阪市トレセンに選出される。 その後は競技者としてのサッカーから離れていたが、サッカー観戦は欠かさない 。

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