昨季ACLベスト4のガンバ大阪が未勝利でGS敗退。混乱を招いたアデミウソンの補強

 2014年度の国内タイトル3冠王者となり、昨季のAFCチャンピオンズリーグでJリーグ勢最高位となるベスト4へ進出していたガンバ大阪。今季はアジア制覇を現実的な目標と捉えていた。

 その上で昨季はJ1・横浜FマリノスでプレーしていたFWアデミウソンを獲得。下部年代のブラジル代表で10番を付けていた実力者の獲得により、Jリーグでは無敵をなすフィジカルとスピードを誇る長身FWパトリックと、攻撃の全局面に関する絶対的な能力を持つ日本代表FW宇佐美貴史の2トップの個に依存傾向が強まっていた攻撃にバリエーションを加える補強だった。まさに、アジア制覇への「ラストピース」となるはず・・・だった。

 しかし、G大阪は今季のACLでグループステージを1試合残し、最下位での敗退が決定。最終的にはクラブ史上初の未勝利(2分4敗)に終わった。

 特に敗退が決まったホームでの第5節・水原三星戦(韓国)でPKを失敗するなど、大会通して無得点に終わったFW宇佐美を筆頭に、6試合で僅か4得点(9失点)に終わった得点力の低さは、もともと攻撃型のチームとして鳴らしたG大阪にとっては心苦しかったはず。

 その中で期待の新戦力・アデミウソンも4試合の出場で最終節の終了間際に1得点したのみの結果に終わった。

「タレントありき」だった西野監督時代

 ただし、上記の表のように長谷川健太監督が率いる現在のG大阪は20本以上のシュートを放つ事が日常だった西野元監督時代とは全く異なるサッカーをしている。それにしても、ACL6試合でのシュート数の合計が54対90では未勝利も当然か。

 ただ、この際、攻撃的か守備的か?の議論は抽象的なので、ここでは西野元監督と現在の長谷川監督がチーム作りをする上での選手起用の特徴を示したい。

 西野元監督が常々口にしていたのは、「ガンバでは”タレントありき”のチーム(システム)を作る」という言葉だった。

 象徴的だったのは2005年に悲願のクラブ史上初タイトルとなるJ1リーグの優勝を飾ったシーズン。当時の日本代表で主将としてプレーしていたDF宮本恒靖氏(現・G大阪ユース監督)は4バックで組む試合はボランチとして起用されるか、ベンチに座ることすらあった。代表のキャプテンがJリーグで試合に出れない中、“タレントありき”のチーム作りを考えた上で3バックを採用し始めたのが2005年の夏頃だった。宮本は4バックでは控え扱いだったが、ラインコントロールの巧みさが問われる3バックの中央としてはナンバーワンだという考えだった。

 また、同時に2人で49得点を挙げるアラウージョ(33得点)と大黒将志(16得点)を筆頭に豪華なメンバーが揃った攻撃陣の組み合わせにも活かすことができた。ユース出身で当時はまだ19歳だったMF家長昭博(現・大宮アルディージャ)を組み込むためにも、彼を左ウイングバックに据える事で多くのタレントが共存できる布陣となった。家長が控えに回る際は、その位置には二川孝広が入っていた。家長も二川もトップ下が本職の選手なので、如何にタレントを多く組み込ませるか?に重点を置いてチーム作りをしていたのかが窺える。

消去法「システムありき」の長谷川ガンバ

 逆に現在の長谷川監督は今季で4年目を迎えるが、3バックでスタートする事などは一切ない。1トップには長身FWであるパトリックか長沢駿が起用され、CBコンビはカヴァーリングでサイドに出る事を許さず中央で構えること、4バックがぺナルティエリアに入って相手のクロスに対応する守備ブロックを優先する基本コンセプトが徹底されている。従って相手のサイド攻撃に対してはサイドMFが戻って対応せざるをえない。