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FCソウルVSガンバ大阪 ~ACL限定で披露されるパスサッカーで先勝

 専守防衛策を取ってアウェイゴールを防ぎたいFCソウルの中ではチャ・ドゥリが上がったタイミングだけがスタジアムを沸かせる程度。34分にそのチャ・ドゥリが右サイドを駆け上がってグランダーの折り返しからFCソウルのシュートがあったものの枠を外れました。

 ただ、ここで言えるのはチャ・ドゥリの戦況把握能力や34歳でも衰えないどころか、この試合に出場した誰よりもファイトしていた事もさる事ながら、裏を取られても藤春と米倉のガンバの両SBが高い位置を取り続けていた事。サイド高い位置に起点を作った事でピッチを広く使って相手守備を分散させるという“種蒔き”をするためです。

 昨年のJ1リーグ優勝も、かつては“パスサッカーの本家”と言われたガンバのボール支配率は1試合平均51.5%。相手にボール支配率で上回ったのは全34試合中の半分となる17試合のみ。それも降格圏にいた時期にボール支配率が高く、現在のガンバは勝ちパターンではポゼッションは重視していません。むしろ捨てています。実際、直近の川崎フロンターレ戦では終盤に追いつかれて1-1のドローに終わったものの、35%というボール支配率で、“現・パスサッカーの本家”川崎にお株を奪われた格好。それでもACLでは相手が引いてくるチームが多く、押し込む試合展開になるため、パスサッカーへの転換が必要。実際、この部分の精度が低いため、GS序盤の苦戦があったと言えます。

 この試合でも引いて来たFCソウルに対して、長谷川健太監督就任後のJリーグ(J2時代も含めて)の試合では観られないような両SBが高い位置を取り、サイドに起点を作ったポゼッションサッカーが披露されていました。シュートがゼロで終わったものの、しっかりと「種蒔きをした」と言える前半は想定内だったと思います。

 そんな前半はスコアレスで終了。

宇佐美の美技、藤春の脱皮もパスサッカーあってこそ

 後半、ガンバはMF大森に替えてMF倉田秋を投入。パスを繋ぐだけのポゼッションに終始した前半だったものの、サイドで起点を作れている中で、後半は機動力のある倉田で“3人目”の動きを取り入れてよりフィニッシュに絡むボールの動かし方を意識。その意図は後半開始早々に左サイドで起点を作った中から倉田が細かいパスワークからドリブルを織り交ぜ、この日チーム初のシュートを放ったミドルシュートに現れていました。

 そして62分、左サイドの高い位置からスローインでリスタートしたボール。倉田→今野と細かいパスワークの連動から相手守備陣を引き付け、左サイドを抜けた藤春へ。マイナス方向へ浮き球のクロスを送ると、パスワークとサイド突破というセオリーで相手を引き付けてフリーになれていた宇佐美へ。ワールドクラスと絶賛される華麗な右足ボレーを突き刺して、アウェイのガンバが先制。0-1。

 続く74分にも波状攻撃からぺナルティエリア内に侵入した左SB藤春がまたも絶妙のクロス。これを逆サイドのSB米倉が合わせて0-2とする、この試合のポイントを象徴する得点。86分には相手のミスからボールを拾った遠藤が前線の宇佐美へ繋ぎ、「前掛かり」「集中力の欠如」を突いた宇佐美がドリブルで中央突破。DF2人を相手にしながら抜ききらずにシュートコースを作り、ぺナルティアーク付近から左足で決めるワールドクラスのゴールで0-3。

 追加タイムに強烈なミドルシュートで1失点したものの、これは第2レグでの気の緩みを抑える良薬となることでしょう。アウェイゴール3つや、週末のJ1リーグもGS突破により延期が決まっているため、1週間空く余裕が生まれてコンディションも良好。2008年の優勝時以来のベスト8進出に向けて十分過ぎる試合内容と結果でした。

 前半のシュートゼロも、後半の宇佐美の美技2発、両SBによる追加点。ついに代表デビューまで果たした藤春の2アシストという脱皮、全てはJリーグでは観られないパスサッカーあってこそ。なぜコレをJリーグで見せないのか?長谷川監督が指導できないのか?ピッチ上では唯一2008年のACL優勝を主力メンバーとして経験している遠藤が監督に見えてしまう程にリーダーシップを発揮するACLの試合は特別なのでしょう。やはり、遠藤のような国際経験を持った選手が引退して指導者になった時こそが、待望の「日本人日本代表監督」の誕生なのでしょうね。

 では最後に【選手採点&寸評】をご覧下さい。

【選手採点/寸評】