テキストテキストテキスト

テキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキスト

EURO2016開幕!注目の戦術的トレンドは?【前編】攻撃VS守備の戦術的発展の歴史

もうこれ以上、サッカーは進化しない

 何度もそう思った。戦術的にも、選手個々の能力的にもこの競技の開発・研究は出し尽くされた感があったからだ。

 筆者が初めてサッカーの国際大会をリアルタイムで、且つ大会を通して観たのは1994年のアメリカW杯からだが、「これ以上の進化はない」と思ったのは1度や2度ではなかった。
 それでもこのスポーツの進化は止まらず、時代の中で最強チームが現れ、その最強だったチームにして、「戦術的に最先端を行っている」と評価されながら、いつのまにか、「古臭い」と廃れていく。その頻度は増し、“ピーク”“サイクル”という周期の単位はどんどん短くなっている気がする。
 これだけサッカーが進化していく理由は、この競技特有の「自由」と「曖昧さ」ゆえだろうと感じる。
 ただ、戦術的な発展の経過を辿れば、それは攻撃の発展が、それを防ぐための守備力の発展を呼び、それを凌駕するための攻撃力の開発に繋がっている。

攻撃的発展の象徴=オランダのトータル・フットボール

 
 ラグビーのようにどんなチームも同じフォーメーションでプレーしなければいけなかった時代は、同じ戦略の下でプレーすれば個々の能力の差がそのまま試合結果に反映された。南米が強かったはずだ。
 しかし、それを「“小国”“大国”を喰うため」に考えられた戦術が、1974年のW杯で披露されたオランダの“トータルフットボール”だった。このサッカーは21世紀に映像を見返しても、「古い」とは思わない。
 前線から最後尾までを30m間隔でコンパクトにした布陣の中で、流動的にプレーする。攻撃面での“3人目の動き”があり、守備面の“プレッシング”の原型などがある。どれも連動しなければできない戦術の類なので、現代サッカーはここから派生されたモノであるのも納得させられる戦術だ。
 しかし、監督=リヌス・ミケルス、選手=ヨハン・クライフを主導に完成させたトータル・フットボールのオランダは、1974年のW杯で準優勝に終わった。
 あまりに攻撃的過ぎたのかもしれない。頻繁なポジションチェンジによるパスワークは華麗で、相手を混乱に陥らせるのだが、相手ボールになってからのプレッシングを交わされると、自分達も混乱しているようにも見えた。
 それだけ攻撃面から構築していった戦術だったのだ。

守備的発展の象徴=イタリアのゾーンプレス

 そんなトータル・フットボールを幼少期に見てから選手になったオランダの“新世代”が、1988年の欧州選手権(現・EURO)で初優勝を成し遂げる。当然ながらクライフは引退していたが、監督にはミケルスが復帰していた。
 トータル・フットボールで鳴らしたミケルスも、オランダの名門・アヤックスやオランダ代表を経て、スペインのバルセロナやドイツのケルンで指揮を執り、尖り過ぎていた戦術に他国のエッセンスが入って、より大陸的になって来た。
 そして、1988年当時のオランダ代表にはルート・フリットやフランク・ライカールト、マルコ・ファン・バステンといった大型で将来有望な若手が育っていた。
 選手個々で見ても他の強豪国と遜色ない選手が揃った上で、ミケルスのトータル・フットボールが柔軟性を持って融合した化学反応だった。

By | 2017-04-21T21:51:31+00:00 6月 9th, 2016|Categories: コラム, その他コラム, ユーロコラム|2 Comments

About the Author:

hirobrown
創設当初からのJリ−グファンで各種媒体に寄稿する副業サッカーライター。好きなクラブはアーセナル。宇佐美貴史やエジル、杉田亜未など絶滅危惧種となったファンタジスタを愛する。趣味の音楽は演奏も好きだが、CD500枚ほど所持するコレクターでもある。 サッカー歴:中学・高校時代にサッカー部に所属。 中学時は大阪市トレセンに選出される。 その後は競技者としてのサッカーから離れていたが、サッカー観戦は欠かさない 。

2 Comments

  1. […] EURO2016開幕!注目の戦術的トレンドは?【前編】攻撃VS守備の戦術的発展の… EURO2016開幕!注目の戦術的トレンドは?【後編】スペイン流パスサッカーVSゲーゲンプレス?新戦術? […]

  2. Jリーグファン 2016年6月20日 at 11:46 PM - Reply

    このトータル・フットボールとゾーンプレスの比較が絶妙でした!
    後編のスペイン流とゲーゲンプレスの説明も、これがないと頭に入ってこないと思います。

    なんか1970年代以降のサッカーを全部知った気になる記事でした。
    有難うございます。

Leave A Comment