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世代交代のジレンマ ~鹿島戦の大敗が分岐点となり皆川を抜擢〜

 J1リーグを2連覇しているサンフレッチェ広島が苦しんでいる。第25節を終了して現在9位。残り9試合で首位・浦和レッズとは勝点16差となっており、3連覇は事実上消滅したと就任2年で連覇を果たした森保一監督も語った。

 そんな今季苦戦する広島にとってのターニングポイントとなったのはJ1リーグ第18節の鹿島アントラーズ戦だった。リーグを2連覇している広島が“リーグ最多タイトルホルダー”にアウェイで5-1と大敗したこの試合の後、森保監督が覚悟を決めた。絶対的エースのFW佐藤寿人を先発どころかベンチからも外したのだ。
 「コンディション不良」という表向きの理由や監督批判を行ったという噂もあるが、理由はどうあれ、以降のリーグ戦で佐藤の先発出場は1度もない。
 
 時を同じくして第19節のサガン鳥栖戦で途中出場から決勝点を奪った大卒ルーキーのFW皆川佑介が第21節のセレッソ大阪戦より先発に定着する。石原直樹の負傷離脱もあった上での抜擢だが、チームは上記の鹿島戦の大敗に代表されるように、連覇の原動力であったはずの堅守が決壊。それにより失点回避を優先するシフトをとっているのは以降の試合の数字を見れば明らかだ。
 そして、その後方へ重きが置かれた点と照らし合わせて結果を示し始めた皆川の高さという武器は現状のチームに不可欠な要素であった。
 また、それは連覇していたチームにあっては進めきれなかった世代交代も視野に入れた指揮官の勇断であった。そして、皆川はハビエル・アギーレ日本代表新監督により代表へもサプライズ選出され、ウルグアイ戦では先発のピッチに立った。

 しかし、高木琢也以来の本格派長身FWとして“新アジアの大砲”という呼称も流れ出した皆川のチーム成績への貢献度としては、リーグ連覇を牽引した主力選手達が残した18節までの成績と大差なし。(数字は下記参照)

佐藤がレギュラーだった開幕~第18節 18試合7勝6分5敗 勝点27 得点27失点26
佐藤がレギュラーを外れた第19節以降 7試合3勝1分3敗 勝点10 得点4失点3
皆川が先発出場した第21節以降 5試合2勝1分2敗 勝点7 得点3失点2