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監督の難しさ ~長期政権と短期政権と

 1986年から2013年まで27年もユナイテッドの監督を務めたアレックス・ファーガソン、1996年からアーセナルを指揮するアーセン・ヴェンゲル、1999年から2013年までブレーメンを指揮したトーマス・シャーフ。

 彼らは1つのクラブで長く監督を務めた人物たちだ。

 ファーガソンはユナイテッドをイングランドの最高峰へと導いたし、ヴェンゲルもタイトルに見放されているものの常に4位以内に入る強豪チームを作り上げた。長くチームを指導する事でスタイルを確立し、新しい選手が加入しても戦術にブレが無くなる。

 これが長期政権の強みだ。

 もしザッケローニが今も日本代表の監督を務めて いる場合を考えてみるといい。アギーレ政権でモタモタする事など無く、W杯の延長線上のままアジアカップを迎える事が出来ただろう。

 一方で、現在オランダ代表の監督を務め、過去にオーストラリア代表を2006W杯ベスト16、ロシア代表をEURO2008でベスト4に導いたフース・ヒディングや、ポルト、インテル、チェルシーとあらゆるクラブで結果を残し続けたジョゼ・モウリーニョのように、短期政権を得意とする監督もいる。

 彼らはチームを立て直す術を知っており、どのチームでも安定した結果を残してきた。

 短期間でチームに自分の色を浸透させる方が難しい作業のように感じるが、モウリーニョは「私が考えるサイクルは3年だ。4年目はチームがマンネリ化し、機能しなくなる」と語っており、短期政権の方がやりやすいと感じている。その証拠に、モウリーニョはポルト時代から1度も3年以上同じチームで監督を務めた事は無い。

 確かに同じ戦術を続けるだけでは選手にフレッシュさが無くなり、毎年同じ事の繰り返しと飽きる可能性もある。現在世界最高の監督と言われるグアルディオラですら、バルセロナ監督時代の終盤は散々な出来だった。あれもモウリーニョが語ったようにチームのマンネリが原因となっていたのかもしれない。

 そして今、そうした監督界のルールに苦戦しているチームがある。ユルゲン・クロップ率いるドルトムント、マヌエル・ペジェグリーニ率いるマンチェスター・シティ、ヴィンチェッツォ・モンテッラ率いるフィオレン ティーナだ。

 3年目、あるいは6年目を迎える監督たちは長期政権と短期政権の間で揺れている。長期政権樹立に成功する者、やはり3年が限界で辞めてしまう者。これら3チームを例に挙げて監督業界の難しさを分析する。

6年目の走らせ屋:ユルゲン・クロップ

 ドルトムントは現在まさかのブンデスリーガ最下位。。2008年からドルトムントの指揮を執るクロップは、ゲッツェやギュンドアンなどの若手を育成したスペシャリストであり、10-11、11-12シーズンと2年連続でバイエルンを抑えてリーグ優勝を果たしている。

 ドルトムント側はクロップと長期契約を結んでいるが、チーム内の空気はどこかきな臭い。ドゥルムやギンターなどの若手が活躍している環境に変化はないが、チームからはアグレッシブさが感じられない。まさにマンネリ化したようにも見える。

 そもそもクロップの志向するサッカーはとにかく走力を重視したハイスピードサッカーであり、ドルトムントの猛烈プレスには「ゲーゲンプレッシング」と名前が付けられたほどだ。レヴァンドフスキやゲッツェがバイエルンに去ったものの、チーム力は落ちていない。

 考えられるのは走力の低下だ。選手のモチベーション低下から走力が落ち、昔のようなハイスピードサッカーが実現できていない。チーム内ではDFフンメルスとGKヴァイデンフェラーが口論になったという情報まであり、明らかに過去のそれとは違ってしまっている。

 ただ、クロップの落とし込んできたサッカーはハマれば爆発的な力を発揮する。今季もCLグループステージ戦では3連勝を達成しており、決勝T進出が濃厚だ。対戦して0-2で敗れたアーセナルのヴェンゲル監督も、「勝つチャンスが無かった」と話すほどドルトムントの完成度は高い。

 それでもリーグ戦で失点が止まらない体たらくを演じているのは、選手たちのモチベーションに変化が起きているからだと考えられる。
 確かにアーセナルのDFメルテザッカー同様、ドイツ代表として2014W杯を制した面々の中には燃え尽き症候群のようになっている節もある。
 ドルトムントにもフンメルスを筆頭にドイツ代表の主力としてW杯の優勝に貢献した選手が数名在籍している。彼らのモチベー ション低下がチームにも影響しているのであれば、クロップ1人の責任と押し付ける事は出来ない。
 しかし、良い時のドルトムントのサッカーを実践できている試合が少なくなっている以上、やはりどこかにヒビが入ってきていると考えるしかない。今季のドルトムントがCLのみならず、EL出場権まで逃すような事があれば、クロップの進退が噂されるだろう。

About the Author:

大阪府在住 / 20代 / 趣味:サッカー観戦、カラオケ / サッカー歴:中学2年よりサッカーを始める。人生初の試合が0-12、チームとしてのシュート数0と歴史的な大敗となり、カルチャーショックを受ける。それ以降なぜ0-12で負けたのかを研究するようになり、気付けばサッカーオタクとなっていた。

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