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ぷら~り 欧州蹴球場百景【77】スタディオ・アルベルト・ピッコ / スペツィア

前々景スペインのリーガ2部に続いて、イタリアのセリエBを地味に振り返る。レウスの経営危機にふれたが、セリエBは開幕前からバーリとチェゼーナが破産してセリエDからの再スタートを余儀なくされる。正月から景気の悪い話はこれくらいにして明るいところでは、サイ・ゴダードがデビューを飾った。
ロンドン出身トッテナムの下部組織で磨かれた彼はこれまで年代別の日本代表のユニフォームを着てプレーをしている。ベネヴェント・カルチョに今季移籍。


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11月18日、セリエB第10節(順延) 3-1でスペツィアに敗れたがサイ・ゴダードは82分より途中出場している。
第77景はこの試合が行われたスペツィアのホーム、スタディオ・アルベルト・ピッコ。


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この街は、ミラノ・トリノからフィレンツェに移動する途中、小休止で下車する。試合を撮影したのは過去に一度だけ、2016年10月24日11節ASチッタデラ戦。当時スペツィアの指揮官は現ACキエーヴォ・ヴェローナ監督のドメニコ・ディ・カルロ。


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チッタデラッタは変わらずロベルト・ヴェントラート。セリエc時代の2015年に就任。一年目でセリエBに昇格させると、このシーズンも開幕5連勝の好スタートで持て囃されたが8節から3連敗で首位から転落。この試合も先制しながら勝ち切れず記者の質問に応える表情もやや渋い。


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フィジカル重視、テクニックのレベルに開きはあるが、戦術面ではセリエAと大差はない。
勝敗がどう転ぶかは、互いに中盤でボールを奪ってからのビルドアップやサイドチェンジの起点となるベテラン二人の捌き次第。チッタデッラはマニュエル・イオリ(1982年生まれ)、スペツィアはニコ・プルゼッティ(1984年生まれ)、プルゼッティがやや前よりなのでマッチアップする機会も多いはず。


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イオリにとってディ・カルロはかつての師。彼の長いキャリアの中、唯一セリエAでプレーとなった2009-10シーズンのキエーヴォを指揮していたのがディ・カルロだった。
実際試合が始まると30歳を超えたおっさん達が意外に豊富な運動量でゲームをコントロールする。前身黄色のチッタデッラの中で青いキャプテンマークに青いスパイクの髭面がイオリ。


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一方背番号30サイドを刈り上げた独特のヘアスタイルのプルゼッティ。ファインダー越しに二人がボールを触る機会が目立つ。ちなみに二人が履いているスパイクは共にミズノ製。


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この日同点ゴールを決めたプルゼッティ。2007年リボルノでセリエAデビューすると、2008年2月13日、カルロ・アンチェロッティ政権末期のミランと対戦。後半5分 プルゼッティは先制ゴールを決めたのだが、僅か6分後アンドレ・ピルロにPKを決められ追いつかれる。その後スコアは動かず試合終了のホイッスル。サンシーロにおいて自身のゴールで手にした貴重な勝ち点1は彼の長いキャリアで最高の勲章。

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2009年10月25日ホームにACミランを迎えての9節は、ミランU19出身のイオリにとって特別な試合であったに違いない。

レオナルド監督は同郷のパト、ロナウジーニョ、そしてフンテラールを起用。試合開始7分キエーヴォが先制し前半終了。後半になっても追いつけないミランは79分二人目の交代、ロナウジーニョに代えてフィリッポ・インザーギをピッチに送る。
その2分後バーに弾かれたボールをネスタが頭でねじ込んで同点に追いつく。

残り5分疲れの見えるイオリに代えて同じポジションのシモーネ・ベンティヴォッリョ。ディ・カルロにすれば引き分けで満足。一方レオナルドも最後のカードはアントニーニョからザンブロッタ。勝ち点3を狙うよりリスクを抑えた選択か。
ところが土壇場も土壇場、コーナーキックのチャンス。ネスタが頭を叩きつけたボールはキーパーの手を弾いてネットを揺らす。失意の底に叩き落とされたのはキエーヴォサポーター。


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ピッコのスタジアムではプレス・ホスピタリティでピザなど軽食が振る舞われたので皿に取った。これには少々驚く。

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盛り付けが雑過ぎてひどい写真。食レポの仕事は自分には一生来ない気がする。


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セリエAでも経済的に余裕のないクラブは、ミネラルウィーターさえ出ない。試合前にスタジアムの前で、豚の丸焼きバーガーをビールで腹に流しこんでいた。この味は日本人観光客にはお薦めできない。焼かれた豚が笑っている不気味な写真がこちら。


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イタリアのビールは29景でモレッティ、65景でペローニ社の「ナストロ・アズーロ」を紹介しているが、ベスト16進出は、カバー写真久留実さんが手にしているDREHER。

オーストリアでフランツ・アントン・ドレハー(ボヘミア出身)が1773年に創業。ドレハー(発音はドレヘール)が現在の隣国、ハンガリーでの醸造開始は1862年。しかしそのラベルに1773の文字はない。


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イタリア進出は7年後の1870年。麦芽、ホップ、前回のMAHOUと同じく副原料として、とうもろこしを使用している。
イタリアはヴェネト州北部のベッルーノで醸造されているのでアルプスの雪解け水=硬水を使用しているのが売り。
“新し物好き”が国民性の日本人と異なり、欧州では歴史を尊び、古く歴史を重ねたものの価値を重んじる傾向にある。中でもイタリア人は顕著だ。現在はハイネケン傘下にあるがイタリアのドレハーのラベルには創業年が記されているのも納得できる。


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昨シーズンはセリエCのパドバに移籍したプルゼッティは主将としてチームを牽引。今季昇格へと導く。

2018年11月3日セリエB第11節。背番号7キャプテンマークをつけたプルセッティと対峙したのは背番号4同じくキャプテンマークをつけたイオリ。試合は相譲らずスコアレスドローに終わっている。その6日後、アズーリのマンチーニ監督は、ブレシアの超新星サンドロ・トナーリを招集した。18歳の彼はセリエBでしかプレーをしていない。


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輝かしい次世代スター候補も悪くはないが、キャリアを重ねたベテランならではのいぶし銀のようなプレーに注目しなければカルチョの真髄を味わ得ない。豚の丸焼きバーガーは味わえなくても問題ない。【七十七景了】

文/撮影:横澤悦孝 モデル:久留実《Culumi》

By | 2019-01-06T09:40:57+00:00 1月 5th, 2019|Categories: Soccerlture League, コラム, ひゃくぷら|0 Comments

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横澤 悦孝
1964年生 / 東京都在住 NPO・NGOの経験を活かしてサッカルチャー・チャアマンをしてます。 本業は国際交流コンサルタント。文化催事の企画運営や講演など欧州と国内をころげまわってます。 サッカルチャーコラム連載では欧州蹴球文化探訪(全41回) 同ベルギーの光と闇(全27回)※最終話そのうちUPします。 長靴の国で観た異邦人たち(全21話) サッカルチャー・ホームタウン秘書室(2017年~ 同 日本人が知らないアーセナル 全8回含)他。 サッカルチャーやっててよかったのはバルセロナで故ヨハン・クライフに逢えたこと。世界各国の”秘書たち”とビールを飲むのもささやかな楽しみ。

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