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ぷら~り 欧州蹴球場百景【75】 エスタディオ・ムニシパル・デ・サント・ドミンゴ / アルコルコン

晦日も正月も休みはない。そもそも休みを取る習慣がない。職場を放棄して欧州を巡るのも、カメラとPCを抱えて欧州蹴球場のピッチサイドをうろつくのも、ビールを飲みながら美女を撮影するのも仕事だから、休みはいらない。
年末年始が過酷な日程で知られるプレミアリーグには、親近感を覚える。気候が温暖な南欧ラ・リーガは年末を挟み2週間ぶりとなる18節が1月4日に開催される。

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第75景はADアルコルコンがホームとして使用するエスタディオ・ムニシパル・デ・サント・ドミンゴ。
今季のリーガ二部がなかなか面白い。年内に19節を消化し首位グラナダから5位アルコルコンまで、4ポイント差の間に5チームがギュッと詰まっている。今月初旬までは首位をキープしていたのはアルコルコン。


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第45景でジローナを取り上げている。当時は指宿洋史がプレーしていたこともあり、スペインの二部にまで、それなりに知見を広めていた。
しかしここ数年は関心も薄れていたせいか、昨年5月28日40節。当時テネリフェに所属していた柴崎岳がスタメン出場した試合の映像を眺め、相手チームが「アルコン・・・コン?」。

※動画⇒YOU TUBEへ

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ティロネのスルーパスに反応し、左足を鋭く振り抜き貴重な追加点を奪ったハポネス。客の入りは悪くないが5000人規模と思われるスタジアム。フィールドを囲む青地壁面に白抜きで協賛企業のロゴが並ぶ中、ゴール裏に三つ並んだ「mohou」のロゴが画面にアップされたので、マドリードの近くであることは間違いなさそう。それから一年が経過。今春サンチアゴ・ベルナベウを訪問、序でに寄ってみる。

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アトーチャ駅からセルカニアス線(C-5)のモストレス・エル・ソト 行きに乗車。アルコルコン中央駅では降りず、次のラス・レタマス駅が最寄りとなる。駅から歩いて5分も経たずにエステバン・マルケス通りに面した人工芝のコートが見えてきた。
取りあえず子供達のトレーニングをスタンドの保護者に混ざって眺める。

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同クラブのU23ジャパンセレクションが千葉市内で行われたり、静岡県浜松市のサッカー・スポーツ少年団コンフィアンサとも提携しているから育成のノウハウにも優れたクラブのようだ。

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スタジアムのフェンスには背番号8ルーベン・サンスの髭面を見つけた。2003-04シーズンの加入以来2016年までの13年間在籍。この夏38歳でスパイクを脱いだクラブのレジェンド。彼のキャリアのハイライトと云えば2009年10月27日。コパデルレイ4回戦のレアル・マドリード戦をおいて他にない。4-0で勝利したこの試合の観客数は7000人。アルコルコン市の人口はおよそ17万人。サント・ドミンゴの座席数は6000席程度なので明らかにキャパシティオーバーで人が溢れたはず。

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アルコルコンが首位から転落した今月の試合前の珍事をマルカが伝えている。

給与未払いは三ヵ月続き経営破綻は時間の問題とされるレウスのイレブンは試合開始の笛が肩を組んだまま不動の抗議。一分間続いたこのストライキの間、アルコルコンの選手、ファン、サポーターもこれに賛同し、ボールを回し彼らがピッチに散るのを待った。
翌週にはコルドバのファン・サポーターもバナーを掲げレウスの選手達を支持している。
クラブの負債額は520万ユーロ。レウスのアベル・モウレーロ氏がこの時期に徳島ヴォルテスのコーチに就任したのは、この騒動も影響したのだろうか。


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さて欧州ビール王決定戦。Mahouのシンコ・エストレージャスはベスト16に入れる実力。久留実さんにも、グラスにつがず小瓶をそのまま、ぐびぐび飲んでもらう。
特徴はコクとほのかな甘み。この甘みは麦100%ではなく、とうもろこしも使用しているからだろう。シンコ・エストレージャスは、スペイン語で五つ星の意味。


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サント・ドミンゴのフェンスにもこの5つ星が記されていたから、企業名ではなく製品名のロゴ。ホップもほどよく、前景のイェヴァーの苦みと比べると久留実さんの笑顔も納得できる。第67景で牛肉の話題に触れたが、米国産に依存している日本に対し、遺伝子組み換え食品を頑なに拒む欧州では、米国産とうもろこしを原料に用いた製品はないし、スペイン人となると、とうもろこしを食べる習慣すらない。

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ADAのエンブレムがプリントされたコートの女子三人組。フットサラーに名前を尋ねると左端のパウラ・ジョレンテ・サンチョ選手は今年イタリアで日本人と交流したらしい。


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実は3月29日からローマで開催された第6階ローマ・キャピタル・トーナメントにスペインから招待されたのはアルコルコン・FSFのBチーム。もう一つの海外チームが今季関東女子フットサルリーグ二連覇を達成した墨田区のフウガドールすみだレディースで、共に観光するなど親睦を深めていたのだ。

両クラブのSNSで同じ場所でのショットが公開されている。⇒ADAlcorconFSF 最前列中央にパウラさん。


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結果は3月29日初戦で地元FB5ローマに5対0の圧勝。2日目のフウガドールとの好ゲームを6-4のスコアで制すると、最終戦ではラツィオにも3-1、全勝で大会制覇したが、参戦したのは二部リーグが主戦場のBチーム。

一方一部を戦うAチームは、12月に入って四連敗。順位も10位と泥沼から足が抜け出せないまま前期を終了した。昨年5月ロシアでの国際親善トーナメントを戦う代表チームに6選手を送り出すほどの強豪は、後半巻き返しなるか。

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スペインはフットサルでも世界のトップレベル。アルコルコンの西隣モストレスのクラブには日本代表主将を務めた中島詩織が在籍する他、数名の日本人がプレー中。
そもそもADアルコルコンの女子フットサル部門は、欧州で屈指の規模を誇る。FIFAが呼称やルールを整理し「フットサル」の歴史は1994年にスタートした。アルコルコンFSFも1995年発足と歴史は浅いが、市教育省と連携して小学生(年齢5歳)以上の競技人口を増やした結果2016年には、+150人以上、約2倍の女子選手が同クラブの指導を受けているので、フィールドサッカーよりも、フットサル人口が多いといわれるスペインでもこの地域は出色している。

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ロス・カントス市営スポーツセンターのキャパは1700人。マドリッド共同体とアルコルコン市議会からの公的資金は、運営費全体の約2割程度。協賛はドミノピザ、コカ・コーラなどの大手企業の他にアルコルコンとモストレスの間にあるホテル・スパのラ・プリンセサなど。
不動産仲介のハウス&クレジット社のロゴが入ったユニフォームには瞠目した。今秋福岡RAFAから鍬田一雅と契約し公開された写真でも、のっぺらぼうで少々寂しい。
カナリア色のユニフォームに袖を通す女子フットサラーの誕生は、遠い未来ではない気がする。【七十五景了】

文/撮影:横澤悦孝 モデル:久留実《Culumi》

By | 2019-01-02T12:33:03+00:00 12月 31st, 2018|Categories: Soccerlture League, コラム, ひゃくぷら|0 Comments

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横澤 悦孝
1964年生 / 東京都在住 NPO・NGOの経験を活かしてサッカルチャー・チャアマンをしてます。 本業は国際交流コンサルタント。文化催事の企画運営や講演など欧州と国内をころげまわってます。 サッカルチャーコラム連載では欧州蹴球文化探訪(全41回) 同ベルギーの光と闇(全27回)※最終話そのうちUPします。 長靴の国で観た異邦人たち(全21話) サッカルチャー・ホームタウン秘書室(2017年~ 同 日本人が知らないアーセナル 全8回含)他。 サッカルチャーやっててよかったのはバルセロナで故ヨハン・クライフに逢えたこと。世界各国の”秘書たち”とビールを飲むのもささやかな楽しみ。

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