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ぷら~り 欧州蹴球場百景【74】ルドルフ・ハルビッヒ・シュタディオン / ドレスデン

冬の欧州など行くものではない。フットボールを観ないのに、12月の欧州を訪ねるヒトの気が知れない。
アーチ型のトレイン・シェッドが美しいドレスデン中央駅に到着。左端の時計の針は午後09時25分を指している。どうせ5時前でも真っ暗なのだから、何時についても変わりはしない。寒くて暗いのが苦手な人には辛い所だ。


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しかしこの時期ドイツ語圏に行く楽しみがひとつ。それがクリスマス・マルクト(マーケット)である。下写真の横断幕でWeihnachtsmarkt auf…ヴァイナハツ・マルクトが現地での正式名称。撮影したのは10年前、初めてホットワインなる飲み物を口にしたのは古のザクセン選帝国・首都ドレスデン。


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街の至る所でマルクトの屋台を見かけたが、旧市街のアルトマルクト広場は、1434年から続くドイツ最古のマルクトになる。


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アウグスト2世の騎馬像。この街とワルシャワに壮麗な宮殿を建築し、芸術品を蒐集したポーランド王の東洋磁器コレクションは欧州随一。王様のコレクションを展示する日本宮殿もある。


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そんな理由で親日的なところかと思いつつエルベ川を渡ろうとするとこんな立体を発見。トビアス・ステンゲル作、葛飾北斎へのトリビュート作品か。


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この街のクラブはブンデス二部のディナモ・ドレスデン。国家警察を意味する名称は、ザグレブ、キエフ、モスクワ同様、この都市が旧社会主義国家に属していた証。第74景はルドルフ・ハルビッヒ・シュタディオン。東独時代の旧スタジアムでも常時か2万人を動員していた地元での人気は今も健在。


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2009年に大規模な修繕を施した現在のスタジアムの収容数は3万2500人。平均入場者数は2年連続で2万8000人を越えている。
三部で優勝した2015-16シーズンの2万7500人は兎も角、三部を6位でフィニッシュした2014-15シーズンでさえ、2万2700人と安定した集客力を誇る。

注目すべき攻守二人のキープレーヤーが共にボスニア・ヘルテツェゴビナ(以下BH略》人。背番号11ハリス・ドゥリェヴィッチ(1993年サラエヴォ出身)。先月のオーストリア戦にも9番を背負いスタメン出場。写真ではジェコの隣で小さく見えるが身長185cm。


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センターバックのダリオ・ジュミッチは、FCユトレヒトから今季レンタルで加入。ネーションズリーグには招集されていないが、昨季彼が代表初ゴールを決めたW杯予選9節は、サラエヴォでは語り草となる壮絶な点の奪い合いとなった。

ドゥリェヴィッチとジュミッチはスタメン。既に本選出場を決めていたベルギー代表ではあるがベストメンバー、手抜きの素振り無し。H組プレーオフ出場の2位争いはギリシャとBHのマッチレースである。キックオフから僅か4分でベルギー先制。しかしホームのBHは前半のうちに逆転。エンドが変わり後半はベルギーが猛攻を仕掛けまたもや逆転の映像がコチラ↓

それでも81分コーナーキック。緩やかに弧を描きスピードはなくともピンポイント。背番号4ジュミッチが頭であわせ同点。しかしドローも許されないBHは攻めるしかない。

ところが僅か2分後、ゴールを奪ったのはカラスコ。稀に見るシーソーゲームを制したのはベルギー。この試合でプレーオフ出場権=2位の座を明け渡した。

驚くべきは赤い悪魔の勝利への執念。予選突破は全組で一番乗り。最終節の勝利で9勝無敗1分。ノーガードでのど突きあいには滅法強いタイプで欧州予選最多得点も頷ける。

想えば職場でのTV観戦。2-0で日本代表がリードした直後、「ベルギーはここからシフトアップしてアクセル全開になるけど耐えられるかな」と同僚達の盛り上がりに水を差し、実際予想う通りの結末を迎える。2点をリードされても余裕があったとは思わないが、冷静な判断と諦めない闘志が大逆転に導いた。


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一大勢力を誇ったザクセン公国は1485年に北(現在のニーダーザクセン州)と南(現在の、ザクセン・アンハルト州、ザクセン州)に分裂した。
第71景でヴァイスビールのイチ押しは、バイエルン国王の結婚式でも飲まれたパウラナーと決めたので、ここではニーダーザクセン州イェヴァーで製造されているピルスナーを推す。ドレスデンにはフェルトシュレースヒェン・ピルスナー、北東にはドイツ最古のピルスナーとして知られるラーデベルガーもある。それを承知で城が描かれたこのゴールドレベルを推す理由はホップの苦み。筆者の味覚では最も苦い。

ドイツ国内では十九世紀以降、主にバイエルン州ハラタウ地方で収穫されるホップが使われているが、この北部の逸品も御多分に漏れず。久留実さんにもスッキリした苦みを味わってもらった。


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フランクフルトで初めて、この金ラベル&緑の瓶に手を伸ばした理由は単純に安かったから。筆者はこのイェヴァー、そのコスパの高さも含め相当お気に入りなのだが、そもそも苦いものが大好き。

ロストフ・アリーナで日本代表が味わった苦い経験を、約半年前ディナモ・ドレスデンのBH人プレーヤー二人も既に味わっていた。


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額面だけみれば余裕で欧州予選を突破したベルギー代表より、豪州戦に勝利して切符を掴んだ日本代表のほうが、苦しみを味わい修羅場を経験しているように思えるが、現実にはスパーリングのレベルが違う。
厳しい環境での経験、そこで得た勝利(=結果)だけが自信を生み成長を促す。別にフットボールに限ったことではない。【七十四景了】

文/撮影:横澤悦孝 モデル:久留実《Culumi》

By | 2018-12-29T00:02:33+00:00 12月 25th, 2018|Categories: Soccerlture League, コラム, ひゃくぷら|0 Comments

About the Author:

横澤 悦孝
1964年生 / 東京都在住 NPO・NGOの経験を活かしてサッカルチャー・チャアマンをしてます。 本業は国際交流コンサルタント。文化催事の企画運営や講演など欧州と国内をころげまわってます。 サッカルチャーコラム連載では欧州蹴球文化探訪(全41回) 同ベルギーの光と闇(全27回)※最終話そのうちUPします。 長靴の国で観た異邦人たち(全21話) サッカルチャー・ホームタウン秘書室(2017年~ 同 日本人が知らないアーセナル 全8回含)他。 サッカルチャーやっててよかったのはバルセロナで故ヨハン・クライフに逢えたこと。世界各国の”秘書たち”とビールを飲むのもささやかな楽しみ。

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