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チャンピオンズリーググループリーグ第1節 ボルシア・ドルトムント−FCアーセナル 〜砲兵工廠爆発〜

 データ以上の完勝。それが試合を見た印象であった。ドルトムントはとにかく走った。
ミスを取り返すため、ゴールを入れるため、何よりも勝利するために。こちらは何よりもデータが物語っている。

チーム全体の総走行距離、実に120キロメートル超。普通のサッカーの試合では早々見ない数字である。これはチーム全体がピッチを走り回らなければ叩き出せる数値ではない。90分間、ピッチを走り回り、スペースを消し、パスを出させずにミスを誘発する。久々にチーム全体が『プレッシング・マシーン』と化したドルトムントを見た気がする。
 
 クロップのチャンピオンズリーグ挑戦1年目は全試合でプレスをかけようとして失敗した。
 2年目はセンター付近での奪取からのハーフカウンター、そして三年目は選手に叩き込んだ戦術を自在に操り、相手により使い分けることで乗り切ろうとしている。そんなように思える。

 チームも上昇気流に乗れそうだ。何よりも大きいのは、チロ・インモービレに待望のゴールが出たことに尽きる。これまで公式戦で多数のチャンスを生み出していたものの、それをモノにできておらず、本人にも焦りが見えていた。
 しかし、代表ウィークでの得点が彼自身をリラックスさせたのだろうか。オウバメヤンと連動して高い位置からのプレスを敢行、さらに鋭いカウンターで遂に待望の点をも手に入れた。これで全てが解決するわけではないが、よりリラックスして試合に望めるのは良いことだ。クロップ監督も自身のチームに新しいストライカーが加入した場合、馴染むのは難しい、と語っているように、通常のチームよりも与えられるタスクが多いのだ。それに適応するためには時間が必要となる。ましてや初めての国外挑戦も重なっているとなれば、難しさはさらに上がっていく。今シーズンは適応のためのシーズンと割り切ることも必要だろう。彼には、それだけの価値がある選手である。あのクロップが惚れ込んだ選手だ、長い目で見ていこうではないか。

 チームは香川抜きでアーセナルに完勝した。これがこの試合の最大の収穫だろう。まだ完全ではない香川を温存できたのは大きい。CL、ポカール、リーグとまだ試合は多い。怪我人が多い以上、無理はさせられないのだから。今シーズン、果たしてどのような試合をこれから見せてくれるのか。ドルトムントから眼が離せそうにない。