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バニーズ京都SCがなでしこリーグ2部昇格!~昇格を勝ち取ったオーダーメイドなサッカー【2017プレナスなでしこリーグ2部・チャレンジリーグ入替戦・第2節】

【2017プレナスなでしこリーグ2部・チャレンジリーグ入替戦・第2節】
開催日:2017年12月17日(日曜)13:00 KICK OFF 観客動員:837人
会 場: 岡山県津山陸上競技場(岡山県)
吉備国際大学 0-1 バニーズ京都
【得点者】<バニーズ京都>佐藤(22分)
≪公式記録PDF(なでしこリーグ公式HPより)≫
2戦合計2-5となり、バニーズ京都が来季からの2部昇格が決定

 1週間前、バニーズ京都SCのホーム・西京極で行われた“前半90分間”は、1277人という観客動員を集めた中でお互いが攻め合った。サッカーの魅力が詰まった爽快な試合だった。4-2というスコア上の勝負はついたとはいえ、敗れた吉備国際大学Charmeの選手達がバニーズ京都サポーターへお辞儀し、それを大きな拍手で称えたバニーズ京都サポーターの姿も美しかった。そんな清々しい1日は、まさに「女子サッカーの勝利の日」だった。

 3年前にはイレギュラーなレギュレーション(※)により、地域リーグ降格の危機に瀕していたバニーズ京都はこの日、『プレナスなでしこリーグ2部』昇格を勝ち取った。「いつも通り」だからなのか?特別な嬉しさを爆発させるような選手はいなかったが、日頃の練習からでも笑顔が溢れるバニーズ京都の選手達は輝き続けていた。「サッカーは何かをやらなければいけないのではなく、何をやるか?のスポーツ」を体現していた。

※2015年シーズンから『なでしこリーグ2部』を新設するため、当時2部相当のチャレンジリーグで「16チーム中10位以内が2部に“昇格”、下位2チームはチャレンジリーグ入替戦参入決定戦を勝ち上がったチームと入替戦」というレギュレーション。

相手エースFW池尻のポジションで変化した両サイドの攻防


 「組織」のバニーズ京都、「個」の吉備国際大学。両チームの攻撃の特徴は正反対ながら、第1節は、観ている人をワクワクさせるサッカーは出来ていた。しかし、両チームの攻撃陣で唯一持ち味を出せなかった選手がいた。吉備国際大学のエースFW池尻茉由。瞬時に加速できるスピードと高次元のテクニックを駆使したドリブル突破に、角度のない位置からでもニアサイドをブチ抜く鋭いシュートが魅力の左利き。思わず、名古屋グランパスの元日本代表FW玉田圭司を彷彿させるような強烈な個の能力を持つFWだ。

 第1節の池尻はほとんどの時間を<3-4-2-1>システムの1トップでプレーしたが、1本もシュートを打てず。それどころか、なかなか前を向いてボールを持つ事すら出来ていなかった。バニーズ京都は、「守ろうと思って守れるチームではない」、と千本哲也監督自らも言うが、「池尻選手のスピードにはCB石井咲希が対応して、抜かれても相方のCB山本裕美がカヴァーする関係性は良かった。」と、しており、第1節の勝因は、彼女を抑えたことも大きかった。

 迎えた第2節、アウェイゴールがあるとはいえ、最低でも2点奪わないと『プレナスチャレンジリーグ』への降格が決まる吉備国際大学は、その池尻を右ウイングバックの位置で先発起用。玉田のようにパスセンスにも長ける彼女のポジションを下げ、サイドに張らせることで前を向いて仕掛けさせたかったのだろう。

 実際、試合の入りはその右サイドに入った池尻を使う展開や、彼女自身のドリブル突破により、後がない吉備国際大学の攻勢で始まった。そんな池尻とマッチアップしたのは、左サイドバックの酒井望と左ウイングの佐藤莉奈。“左利きの左SB”である酒井望は、右足でのタックルが苦手な部分もあったが、前所属のASハリマ・アルビオン時代からのチームメイトである佐藤と連携する事で時間の経過と共に抑え込んでいった。

的確な3バック攻略法で先制に成功


 そして、「後がない」は、「うしろがない」とも読める。個人戦術の面でこそ試合に適応するためにバランスを取ったバニーズ京都だったが、「相手に合わすよりも、相手のプレスの方法やゾーン守備の並びを確認した」(千本監督)、上で、攻守の切替時に“3バックの盲点”として発生するサイドのスペースを使って鋭い攻撃を仕掛けた。

 そんな“3バック攻略法”のお手本通りだった。22分、ボール奪取直後に右サイドのスペースへフィードし、ウイングの吉田早紀が抜け出す。自らドリブルで持ち込み、相手DFが戻りきる前にグラウンダーの丁寧なクロスでお膳立て。コレを逆サイドから長い距離を走って来て中央でフリーとなった左ウイングの佐藤が流し込んで先制。池尻への対応で守備のタスクも多かった佐藤が、2試合合計で3点差となる貴重な“追加点”を挙げる。

 土俵際に追い込まれた吉備国際大学は、池尻を左のウイングバックへ移し、“稀代のオールラウンダー”吉田凪沙もボランチから1トップに上げて来た。ただ、「池尻選手と吉田選手のポジションを動かして、そこに強みを持って来ることも想定していました」(千本監督)との言葉通り、抑えるべきところは冷静に抑えた。逆にチームの軸である吉田がピッチ中央から消えた吉備国際大学は攻守のバランスを失っていたため、簡単にボールを動かすだけで、バニーズ京都自慢の快速3トップが相手の裏を突く速攻が冴えた。

 前半終了間際には右SBの草野詩帆のシュートがクロスバーを直撃し、そのシュートから得た左CKからMF澤田由佳が狙ったヘッドなど、惜しい場面が多かった。ただ、追加点を決めきれなかったことが、逆に集中力の持続には良い方向に左右したのかもしれない。

草野の自主的な提案に見られる“選手主体のサッカー”


 3点リードしたバニーズ京都は、後半開始早々に右サイドから酒井望が蹴った鋭いFKに草野がダイビングヘッドで飛び込み、ゴールライン上でクリアに遭うなど、再び決めきれず。逆に55分、スルーパスに抜け出した池尻に決定機を与えた。

By | 2017-12-22T22:47:13+00:00 12月 22nd, 2017|Categories: なでしこリーグコラム, なでしこリーグ観戦記|0 Comments

About the Author:

hirobrown
創設当初からのJリ−グファンで各種媒体に寄稿する副業サッカーライター。好きなクラブはアーセナル。宇佐美貴史やエジル、杉田亜未など絶滅危惧種となったファンタジスタを愛する。趣味の音楽は演奏も好きだが、CD500枚ほど所持するコレクターでもある。 サッカー歴:中学・高校時代にサッカー部に所属。 中学時は大阪市トレセンに選出される。 その後は競技者としてのサッカーから離れていたが、サッカー観戦は欠かさない 。

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