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17 01, 2019

ぷら~り 欧州蹴球場百景【79】BSFZアレーナ / マリア・エンツェルスドルフ

By | 2019-01-17T01:04:54+00:00 1月 17th, 2019|Categories: Soccerlture League, コラム, ひゃくぷら, 未分類|0 Comments

開催中のアジア杯。日本代表の9番を背負う南野拓実が24歳の誕生日を迎えた。欧州に渡ってから既に四年年の歳月が流れた。2018年11月11日、ウィーン·ゼネラリ·アレーナでのアウストリア·ウィーン対レッドブルザルツブルグ(RBZ)の試合は前半の天王山となるはずだった。ところが今季のアウストリアは中位に甘んじる不振。この試合も首位の赤牛が敵地で完勝。途中出場ながらロスタイムにゴールを決めた南野の名前が紙面から確認できる。 ◆◆◆◆◆ そして写真で短髪の背番号14クリストフ・モンシャインが何やら興奮している様子。この試合アウストリアは4-3-3の布陣。右ウィングにはマクシミリアン·サックス。1トップのモンシャインの後ろにトーマス·エブナーが出場していた。 同日ラピドは、敵地でウォルフスバーガーに敗れる。スコアは3-1、トップ下のクリストフ・クナスミュルナーも残り8分でベンチに退いた。現在5位のアウストリアはまだマシ、ラピドは8位に低迷している。 ◆◆◆◆◆ 結果今季のオーストリア・ブンデスリーガは、資金力で他を圧倒するレッドブル・ザルツブルグが独走する味気ないものになってしまった。 それでも近年オーストリアの一部レベルは安定した水準が保たれている。理由として2004年から採用した同国オリジナルのテレビ放映権収益分配システムの効果が大きい。ベンチに入る外国人選手は6人以下に抑え、22歳以下のオーストリア人を多く入れると分配金が増える仕組み。 ◆◆◆◆◆ 第79景はFCアドミラ・ヴァッカー・メードリングの本拠地BSFZアレーナ。 ウィーンから南方向へ約10キロメートル行くとマリア・エンツェルスドルフ駅。スタジアムまではホームで撮影した写真に照明塔が写る程の距離。 ◆◆◆◆◆ アドミラにはウィーンの2大クラブから契約できず行き場を失った若手や出場機会に恵まれないプレーヤーが移籍してくる。そんな事情を知っていると興味深いカード。2017年4月5日、カップ戦の準々決勝は、スタンドの9割が空席(5万人規模のエルンスト・ヘッペルに5千人)でもファインダーをのぞき込むと胸は高鳴る。 ◆◆◆◆◆ ASKエブライヒスドルフからアドミラへ2015-16シーズンに移籍した無名のストライカーは14節からの四試合連続得点で不動のスタメンに定着。試合前のアップからも気合が伝わってくる。 ◆◆◆◆◆ クリストフ・クナスミュルナーはアウストリアの下部組織で育ち2008年の夏バイエルンミュンヘンのU17に移籍した。(欧州内での国外移籍が解禁は16歳)。2011-11シーズンはインテルのプリマヴェーラ、再びドイツに戻り、インゴルシュタットから2014年に母国のアドミラへ。期待が大きかっただけに寂しい凱旋となった。 ◆◆◆◆◆ しかしこの日は切れ味抜群。正直この日のプレーだけを見れば四大リーグでも通用するだろうし、代表入りしてもおかしくないのではと感じた。すると半年後 アラバ、ハルニク、サビッツァの体調不良が重なり、本当にマルセル・コラー代表監督からお声が掛かった。《前頁写真右端8番がクナスミュルナー》

11 01, 2019

ぷら~り 欧州蹴球場百景【78】ダリーマウント・パーク / ダブリン

By | 2019-01-12T17:17:00+00:00 1月 11th, 2019|Categories: Soccerlture League, コラム, ひゃくぷら|0 Comments

アジアカップが開幕、決勝は月をまたいで2月1日と結構な長丁場。 約2週間後にはフジゼロックス杯が埼玉スタジアムで行われ、J球春の幕が上がる。一日早く欧州でも15日(金)に新シーズンが開幕する。アイルランドのSSEエアトリシティ·リーグは、2003年から春秋制に変更した。 全人口の3分の1はダブリンに偏っているから、プレミアリーグも10クラブ中4クラブがダブリン近郊に集結しているのには納得。 ◆◆◆◆◆ ダブリンはアイリッシュ海から流れるリファー川を挟んで発展した街。河川北岸から、反対側にはアヴィヴァスタジアム【30景】が垣間見える。中心部から10キロ程北側にあるエアポートは、2010年から第二ターミナルが稼動した。バナーは当然ナショナルカラーの緑。 ◆◆◆◆◆ 第78景はボヘミアンズの本拠地ダリーマウント・パーク。開幕戦ではフィン・ハープスFCを迎え撃つ。 アヴィヴァスタジアムまでは、旧市街の中心ダブリン城から3.5キロ。聖ステファン公園内を歩けばこの距離はさほど苦でもない。 ◆◆◆◆◆ 一方、フィブスバラにあるダリーマウント・パークまではダブリン城から北に向って3キロ程度。スタジアム北側からは隣接するフィブスボロの聖ピータース教会。 ◆◆◆◆◆ ダブリン城から西に4キロ弱。アイルランドにキリスト教を広めたセントパトリックの名を冠するアスレチックFCの本拠地リッチモンドパーク。3月17日緑の祭りは今や世界的行事に。 ◆◆◆◆◆ ここまでは歩いて頑張れる距離にあるスタジアム。シャムロック・ローヴァーズFCの試合を観戦するならばLuas(ルアス)に乗る。2004年に開通した路面電車は西南方向に向かう赤と南側に下る緑の二路線。赤の終点タラトまで行けば本拠地タラトスタジアムまで100メートル。シャムロックとはクローバーのこと。セントパトリックデーには胸に装飾する。 残るひとつはユニバーシティカレッジダブリンAFC。これは緑線の東側ベルフィールド。こちらは行ったことはなく、この先行くこともないので省略。大学と関わるのは日本だけで勘弁。 1980年代まではアイルランド代表の試合はこのスタジアムで催されており、84年ユーロ·フランス大会の予選でも使用されている。 ◆◆◆◆◆ 1983年10月12日 このスタジアムに3万5000人の入場者数など今では想像もつかない。アイルランドの国旗では緑色がローマカトリックを、オレンジ色はプロテスタント、中央に白色が入り永遠の休戦を意味するが、この日はオランダ戦、グリーンとオレンジがピッチ上で対峙した。 7分の先制点に続き、ペナルティキックで前半2-0。アイルランドサポーターの歓喜が目に浮かぶ。しかし後半が始まると若きオランイェが牙をむく。7分DFのクリアミスをルート·フリットが右足ボレー。一度はキーパーが弾き返したボールを今度は左足で突き刺し反撃の狼煙を上げる。 ◆◆◆◆◆ 12分後のコーナーキック。ニアサイドで頭をあわせたのはマルコ・ファンバステン。同点に追いつくと勢いは止まらない。7分後、ファンバステンがためを作り、右サイドを疾走するフリットにインサイドで丁寧なパス、最後はフリットが決めて劇的な逆転勝利を収める。 しかしこのグループで予選を突破したのはスペイン。 ◆◆◆◆◆ 88年ユーロ·西ドイツ大会では共に予選を突破、本大会のグループステージで対戦。アイルランドは初戦イングランドを破り、2戦目ソ連とドロー。一方オランダは初戦のソ連戦を落としてしまい2戦目のイングランドに勝利。この試合勝たなければならない状況でオランダは残り8分キーフトが決めて2位でグループBを突破した。 アイルランドがオランダに雪辱を果たすのは2001年9月の日韓共催ワールドカップ予選まで待たなければならない。 ◆◆◆◆◆ 年が明け、連日の新年挨拶回り(徘徊)でぐったりしたサラリーマン時代を思い出す。 カバー写真は、新年の挨拶らしく自分の顔も晒してみた。パウラナーの瓶を手にした久留実さんの横にはマーフィーズのスタウト(黒)を持ってきた。 マーフィーズは1983年から、パウラナーは2001年からハイネケングループのブランドとして世界市場へ。 1866年からコーク市で醸造されているこの銘柄、おなじみギネスに比べて苦みはやや弱め、アルコール度数も4%と軽めなので、久留実さんに賞味してもらったのだが・・・ その結果は「スロバキアのウルピネールのほうが美味しい!」とボツ。さぞやコーク市民はショックを受けているに違いない。 ◆◆◆◆◆ 2017年6月11日ワールドカップ予選。ケヴィン・ロング、スティーブン・ウォード、ジェフ・ヘンドリックロビー・ブレイディと同一クラブから招集された四人がピッチ上に顔を揃えた。下写真は13番司令塔ヘンドリック。 ◆◆◆◆◆ この国で才能ある若者は、十代からイングランドのクラブが引き抜いてしまう為、代表クラスに国内でのプレー経験者は少ない。ボヘミアンズ·ユース出身の左サイドバック、スティーヴン・ロバート・ウォード(上写真17番)は2003年にトップチームでデビューしウルヴァーハンプトンに2006-07年移籍するまで4シーズンを自国で過ごした。 ◆◆◆◆◆ 1月5日のFAカップにはバーンズリーを破ったバーンリー。ヘンドリック、ケビン·ロング、そしてウォードも揃って出場。格下相手に薄氷の勝利。ロング(上写真18番)はコーク出身。コークFCで2009シーズンにプレーをしている。 ◆◆◆◆◆ 試合前、本場のアイリッシュパブでは両国サポーターが冷えたビールで友好を温めていたので撮影した。 この写真目を凝らしていただくとわかるが左赤サポーターはギネスのスタウトを飲んでいるが、地元の緑組が手にしたグラスは黄金色。 ◆◆◆◆◆ 軟水の日本やチェコはラガーづくりに向いているが、ダブリンはスタウント醸造に適した硬水。しかしギネスの強い苦みをアイルランド人が皆好むわけではなく、実際に見たところ若者や女性にはラガーのファンも増えている。それでは、「スタジアムで飲みたいビール」のアイルランド代表銘柄に何を推すべきか。 ◆◆◆◆◆ 結局この国はギネス社。但し同社が生産する「Hop House 13 Lager」その名のまんま、ラガーではあるが、グラスロゴの中央には、創業者であるアーサー・ギネスのサイン。アルコールは5%と平均的でこれが実に美味かった。 1978年、マーフィーズブルワリーは、オランダのハイネケンを国内で販売、ドラフトラガー市場のシェア9%を初年度で獲得する。コークの醸造所はオランダのハイネケンに買収され、現在のネーミングは「ハイネケン·アイルランド」へと変わり、1989年からはアイルランドで最も飲まれているラガービールとして定着する。 ケルトの民も1948年以降、グリーンをパッケージデザインのメインカラーとして使用するハイネケンならば、喉を潤すのもやぶさかではなかったか。【七十八景了】 文/撮影:横澤悦孝 モデル:久留実《Culumi》

5 01, 2019

ぷら~り 欧州蹴球場百景【77】スタディオ・アルベルト・ピッコ / スペツィア

By | 2019-01-06T09:40:57+00:00 1月 5th, 2019|Categories: Soccerlture League, コラム, ひゃくぷら|0 Comments

前々景スペインのリーガ2部に続いて、イタリアのセリエBを地味に振り返る。レウスの経営危機にふれたが、セリエBは開幕前からバーリとチェゼーナが破産してセリエDからの再スタートを余儀なくされる。正月から景気の悪い話はこれくらいにして明るいところでは、サイ・ゴダードがデビューを飾った。 ロンドン出身トッテナムの下部組織で磨かれた彼はこれまで年代別の日本代表のユニフォームを着てプレーをしている。ベネヴェント・カルチョに今季移籍。 ◆◆◆◆◆ 11月18日、セリエB第10節(順延) 3-1でスペツィアに敗れたがサイ・ゴダードは82分より途中出場している。 第77景はこの試合が行われたスペツィアのホーム、スタディオ・アルベルト・ピッコ。 ◆◆◆◆◆ この街は、ミラノ・トリノからフィレンツェに移動する途中、小休止で下車する。試合を撮影したのは過去に一度だけ、2016年10月24日11節ASチッタデラ戦。当時スペツィアの指揮官は現ACキエーヴォ・ヴェローナ監督のドメニコ・ディ・カルロ。 ◆◆◆◆◆ チッタデラッタは変わらずロベルト・ヴェントラート。セリエc時代の2015年に就任。一年目でセリエBに昇格させると、このシーズンも開幕5連勝の好スタートで持て囃されたが8節から3連敗で首位から転落。この試合も先制しながら勝ち切れず記者の質問に応える表情もやや渋い。 ◆◆◆◆◆ フィジカル重視、テクニックのレベルに開きはあるが、戦術面ではセリエAと大差はない。 勝敗がどう転ぶかは、互いに中盤でボールを奪ってからのビルドアップやサイドチェンジの起点となるベテラン二人の捌き次第。チッタデッラはマニュエル・イオリ(1982年生まれ)、スペツィアはニコ・プルゼッティ(1984年生まれ)、プルゼッティがやや前よりなのでマッチアップする機会も多いはず。 ◆◆◆◆◆ イオリにとってディ・カルロはかつての師。彼の長いキャリアの中、唯一セリエAでプレーとなった2009-10シーズンのキエーヴォを指揮していたのがディ・カルロだった。 実際試合が始まると30歳を超えたおっさん達が意外に豊富な運動量でゲームをコントロールする。前身黄色のチッタデッラの中で青いキャプテンマークに青いスパイクの髭面がイオリ。 ◆◆◆◆◆ 一方背番号30サイドを刈り上げた独特のヘアスタイルのプルゼッティ。ファインダー越しに二人がボールを触る機会が目立つ。ちなみに二人が履いているスパイクは共にミズノ製。 ◆◆◆◆◆ この日同点ゴールを決めたプルゼッティ。2007年リボルノでセリエAデビューすると、2008年2月13日、カルロ・アンチェロッティ政権末期のミランと対戦。後半5分 プルゼッティは先制ゴールを決めたのだが、僅か6分後アンドレ・ピルロにPKを決められ追いつかれる。その後スコアは動かず試合終了のホイッスル。サンシーロにおいて自身のゴールで手にした貴重な勝ち点1は彼の長いキャリアで最高の勲章。 ◆◆◆◆◆ 2009年10月25日ホームにACミランを迎えての9節は、ミランU19出身のイオリにとって特別な試合であったに違いない。 レオナルド監督は同郷のパト、ロナウジーニョ、そしてフンテラールを起用。試合開始7分キエーヴォが先制し前半終了。後半になっても追いつけないミランは79分二人目の交代、ロナウジーニョに代えてフィリッポ・インザーギをピッチに送る。 その2分後バーに弾かれたボールをネスタが頭でねじ込んで同点に追いつく。 残り5分疲れの見えるイオリに代えて同じポジションのシモーネ・ベンティヴォッリョ。ディ・カルロにすれば引き分けで満足。一方レオナルドも最後のカードはアントニーニョからザンブロッタ。勝ち点3を狙うよりリスクを抑えた選択か。 ところが土壇場も土壇場、コーナーキックのチャンス。ネスタが頭を叩きつけたボールはキーパーの手を弾いてネットを揺らす。失意の底に叩き落とされたのはキエーヴォサポーター。 ◆◆◆◆◆ ピッコのスタジアムではプレス・ホスピタリティでピザなど軽食が振る舞われたので皿に取った。これには少々驚く。 ◆◆◆◆◆ 盛り付けが雑過ぎてひどい写真。食レポの仕事は自分には一生来ない気がする。 ◆◆◆◆◆ セリエAでも経済的に余裕のないクラブは、ミネラルウィーターさえ出ない。試合前にスタジアムの前で、豚の丸焼きバーガーをビールで腹に流しこんでいた。この味は日本人観光客にはお薦めできない。焼かれた豚が笑っている不気味な写真がこちら。 ◆◆◆◆◆ イタリアのビールは29景でモレッティ、65景でペローニ社の「ナストロ・アズーロ」を紹介しているが、ベスト16進出は、カバー写真久留実さんが手にしているDREHER。 オーストリアでフランツ・アントン・ドレハー(ボヘミア出身)が1773年に創業。ドレハー(発音はドレヘール)が現在の隣国、ハンガリーでの醸造開始は1862年。しかしそのラベルに1773の文字はない。 ◆◆◆◆◆ イタリア進出は7年後の1870年。麦芽、ホップ、前回のMAHOUと同じく副原料として、とうもろこしを使用している。 イタリアはヴェネト州北部のベッルーノで醸造されているのでアルプスの雪解け水=硬水を使用しているのが売り。 “新し物好き”が国民性の日本人と異なり、欧州では歴史を尊び、古く歴史を重ねたものの価値を重んじる傾向にある。中でもイタリア人は顕著だ。現在はハイネケン傘下にあるがイタリアのドレハーのラベルには創業年が記されているのも納得できる。 ◆◆◆◆◆ 昨シーズンはセリエCのパドバに移籍したプルゼッティは主将としてチームを牽引。今季昇格へと導く。 2018年11月3日セリエB第11節。背番号7キャプテンマークをつけたプルセッティと対峙したのは背番号4同じくキャプテンマークをつけたイオリ。試合は相譲らずスコアレスドローに終わっている。その6日後、アズーリのマンチーニ監督は、ブレシアの超新星サンドロ・トナーリを招集した。18歳の彼はセリエBでしかプレーをしていない。 ◆◆◆◆◆ 輝かしい次世代スター候補も悪くはないが、キャリアを重ねたベテランならではのいぶし銀のようなプレーに注目しなければカルチョの真髄を味わ得ない。豚の丸焼きバーガーは味わえなくても問題ない。【七十七景了】 文/撮影:横澤悦孝 モデル:久留実《Culumi》

31 12, 2018

ぷら~り 欧州蹴球場百景【75】 エスタディオ・ムニシパル・デ・サント・ドミンゴ / アルコルコン

By | 2019-01-02T12:33:03+00:00 12月 31st, 2018|Categories: Soccerlture League, コラム, ひゃくぷら|0 Comments

晦日も正月も休みはない。そもそも休みを取る習慣がない。職場を放棄して欧州を巡るのも、カメラとPCを抱えて欧州蹴球場のピッチサイドをうろつくのも、ビールを飲みながら美女を撮影するのも仕事だから、休みはいらない。 年末年始が過酷な日程で知られるプレミアリーグには、親近感を覚える。気候が温暖な南欧ラ・リーガは年末を挟み2週間ぶりとなる18節が1月4日に開催される。 ◆◆◆◆◆ 第75景はADアルコルコンがホームとして使用するエスタディオ・ムニシパル・デ・サント・ドミンゴ。 今季のリーガ二部がなかなか面白い。年内に19節を消化し首位グラナダから5位アルコルコンまで、4ポイント差の間に5チームがギュッと詰まっている。今月初旬までは首位をキープしていたのはアルコルコン。 ◆◆◆◆◆ 第45景でジローナを取り上げている。当時は指宿洋史がプレーしていたこともあり、スペインの二部にまで、それなりに知見を広めていた。 しかしここ数年は関心も薄れていたせいか、昨年5月28日40節。当時テネリフェに所属していた柴崎岳がスタメン出場した試合の映像を眺め、相手チームが「アルコン・・・コン?」。 ※動画⇒YOU TUBEへ ◆◆◆◆◆ ティロネのスルーパスに反応し、左足を鋭く振り抜き貴重な追加点を奪ったハポネス。客の入りは悪くないが5000人規模と思われるスタジアム。フィールドを囲む青地壁面に白抜きで協賛企業のロゴが並ぶ中、ゴール裏に三つ並んだ「mohou」のロゴが画面にアップされたので、マドリードの近くであることは間違いなさそう。それから一年が経過。今春サンチアゴ・ベルナベウを訪問、序でに寄ってみる。 ◆◆◆◆◆ アトーチャ駅からセルカニアス線(C-5)のモストレス・エル・ソト 行きに乗車。アルコルコン中央駅では降りず、次のラス・レタマス駅が最寄りとなる。駅から歩いて5分も経たずにエステバン・マルケス通りに面した人工芝のコートが見えてきた。 取りあえず子供達のトレーニングをスタンドの保護者に混ざって眺める。 ◆◆◆◆◆ 同クラブのU23ジャパンセレクションが千葉市内で行われたり、静岡県浜松市のサッカー・スポーツ少年団コンフィアンサとも提携しているから育成のノウハウにも優れたクラブのようだ。 ◆◆◆◆◆ スタジアムのフェンスには背番号8ルーベン・サンスの髭面を見つけた。2003-04シーズンの加入以来2016年までの13年間在籍。この夏38歳でスパイクを脱いだクラブのレジェンド。彼のキャリアのハイライトと云えば2009年10月27日。コパデルレイ4回戦のレアル・マドリード戦をおいて他にない。4-0で勝利したこの試合の観客数は7000人。アルコルコン市の人口はおよそ17万人。サント・ドミンゴの座席数は6000席程度なので明らかにキャパシティオーバーで人が溢れたはず。 ◆◆◆◆◆ アルコルコンが首位から転落した今月の試合前の珍事をマルカが伝えている。 給与未払いは三ヵ月続き経営破綻は時間の問題とされるレウスのイレブンは試合開始の笛が肩を組んだまま不動の抗議。一分間続いたこのストライキの間、アルコルコンの選手、ファン、サポーターもこれに賛同し、ボールを回し彼らがピッチに散るのを待った。 翌週にはコルドバのファン・サポーターもバナーを掲げレウスの選手達を支持している。 クラブの負債額は520万ユーロ。レウスのアベル・モウレーロ氏がこの時期に徳島ヴォルテスのコーチに就任したのは、この騒動も影響したのだろうか。 ◆◆◆◆◆ さて欧州ビール王決定戦。Mahouのシンコ・エストレージャスはベスト16に入れる実力。久留実さんにも、グラスにつがず小瓶をそのまま、ぐびぐび飲んでもらう。 特徴はコクとほのかな甘み。この甘みは麦100%ではなく、とうもろこしも使用しているからだろう。シンコ・エストレージャスは、スペイン語で五つ星の意味。 ◆◆◆◆◆ サント・ドミンゴのフェンスにもこの5つ星が記されていたから、企業名ではなく製品名のロゴ。ホップもほどよく、前景のイェヴァーの苦みと比べると久留実さんの笑顔も納得できる。第67景で牛肉の話題に触れたが、米国産に依存している日本に対し、遺伝子組み換え食品を頑なに拒む欧州では、米国産とうもろこしを原料に用いた製品はないし、スペイン人となると、とうもろこしを食べる習慣すらない。 ◆◆◆◆◆ ADAのエンブレムがプリントされたコートの女子三人組。フットサラーに名前を尋ねると左端のパウラ・ジョレンテ・サンチョ選手は今年イタリアで日本人と交流したらしい。 ◆◆◆◆◆ 実は3月29日からローマで開催された第6階ローマ・キャピタル・トーナメントにスペインから招待されたのはアルコルコン・FSFのBチーム。もう一つの海外チームが今季関東女子フットサルリーグ二連覇を達成した墨田区のフウガドールすみだレディースで、共に観光するなど親睦を深めていたのだ。 両クラブのSNSで同じ場所でのショットが公開されている。⇒ADAlcorconFSF 最前列中央にパウラさん。 ◆◆◆◆◆ 結果は3月29日初戦で地元FB5ローマに5対0の圧勝。2日目のフウガドールとの好ゲームを6-4のスコアで制すると、最終戦ではラツィオにも3-1、全勝で大会制覇したが、参戦したのは二部リーグが主戦場のBチーム。 一方一部を戦うAチームは、12月に入って四連敗。順位も10位と泥沼から足が抜け出せないまま前期を終了した。昨年5月ロシアでの国際親善トーナメントを戦う代表チームに6選手を送り出すほどの強豪は、後半巻き返しなるか。 ◆◆◆◆◆ スペインはフットサルでも世界のトップレベル。アルコルコンの西隣モストレスのクラブには日本代表主将を務めた中島詩織が在籍する他、数名の日本人がプレー中。 そもそもADアルコルコンの女子フットサル部門は、欧州で屈指の規模を誇る。FIFAが呼称やルールを整理し「フットサル」の歴史は1994年にスタートした。アルコルコンFSFも1995年発足と歴史は浅いが、市教育省と連携して小学生(年齢5歳)以上の競技人口を増やした結果2016年には、+150人以上、約2倍の女子選手が同クラブの指導を受けているので、フィールドサッカーよりも、フットサル人口が多いといわれるスペインでもこの地域は出色している。 ◆◆◆◆◆ ロス・カントス市営スポーツセンターのキャパは1700人。マドリッド共同体とアルコルコン市議会からの公的資金は、運営費全体の約2割程度。協賛はドミノピザ、コカ・コーラなどの大手企業の他にアルコルコンとモストレスの間にあるホテル・スパのラ・プリンセサなど。 不動産仲介のハウス&クレジット社のロゴが入ったユニフォームには瞠目した。今秋福岡RAFAから鍬田一雅と契約し公開された写真でも、のっぺらぼうで少々寂しい。 カナリア色のユニフォームに袖を通す女子フットサラーの誕生は、遠い未来ではない気がする。【七十五景了】 文/撮影:横澤悦孝 モデル:久留実《Culumi》

25 12, 2018

ぷら~り 欧州蹴球場百景【74】ルドルフ・ハルビッヒ・シュタディオン / ドレスデン

By | 2018-12-29T00:02:33+00:00 12月 25th, 2018|Categories: Soccerlture League, コラム, ひゃくぷら|0 Comments

冬の欧州など行くものではない。フットボールを観ないのに、12月の欧州を訪ねるヒトの気が知れない。 アーチ型のトレイン・シェッドが美しいドレスデン中央駅に到着。左端の時計の針は午後09時25分を指している。どうせ5時前でも真っ暗なのだから、何時についても変わりはしない。寒くて暗いのが苦手な人には辛い所だ。 ◆◆◆◆◆ しかしこの時期ドイツ語圏に行く楽しみがひとつ。それがクリスマス・マルクト(マーケット)である。下写真の横断幕でWeihnachtsmarkt auf…ヴァイナハツ・マルクトが現地での正式名称。撮影したのは10年前、初めてホットワインなる飲み物を口にしたのは古のザクセン選帝国・首都ドレスデン。 ◆◆◆◆◆ 街の至る所でマルクトの屋台を見かけたが、旧市街のアルトマルクト広場は、1434年から続くドイツ最古のマルクトになる。 ◆◆◆◆◆ アウグスト2世の騎馬像。この街とワルシャワに壮麗な宮殿を建築し、芸術品を蒐集したポーランド王の東洋磁器コレクションは欧州随一。王様のコレクションを展示する日本宮殿もある。 ◆◆◆◆◆ そんな理由で親日的なところかと思いつつエルベ川を渡ろうとするとこんな立体を発見。トビアス・ステンゲル作、葛飾北斎へのトリビュート作品か。 ◆◆◆◆◆ この街のクラブはブンデス二部のディナモ・ドレスデン。国家警察を意味する名称は、ザグレブ、キエフ、モスクワ同様、この都市が旧社会主義国家に属していた証。第74景はルドルフ・ハルビッヒ・シュタディオン。東独時代の旧スタジアムでも常時か2万人を動員していた地元での人気は今も健在。 ◆◆◆◆◆ 2009年に大規模な修繕を施した現在のスタジアムの収容数は3万2500人。平均入場者数は2年連続で2万8000人を越えている。 三部で優勝した2015-16シーズンの2万7500人は兎も角、三部を6位でフィニッシュした2014-15シーズンでさえ、2万2700人と安定した集客力を誇る。 注目すべき攻守二人のキープレーヤーが共にボスニア・ヘルテツェゴビナ(以下BH略》人。背番号11ハリス・ドゥリェヴィッチ(1993年サラエヴォ出身)。先月のオーストリア戦にも9番を背負いスタメン出場。写真ではジェコの隣で小さく見えるが身長185cm。 ◆◆◆◆◆ センターバックのダリオ・ジュミッチは、FCユトレヒトから今季レンタルで加入。ネーションズリーグには招集されていないが、昨季彼が代表初ゴールを決めたW杯予選9節は、サラエヴォでは語り草となる壮絶な点の奪い合いとなった。 ドゥリェヴィッチとジュミッチはスタメン。既に本選出場を決めていたベルギー代表ではあるがベストメンバー、手抜きの素振り無し。H組プレーオフ出場の2位争いはギリシャとBHのマッチレースである。キックオフから僅か4分でベルギー先制。しかしホームのBHは前半のうちに逆転。エンドが変わり後半はベルギーが猛攻を仕掛けまたもや逆転の映像がコチラ↓ それでも81分コーナーキック。緩やかに弧を描きスピードはなくともピンポイント。背番号4ジュミッチが頭であわせ同点。しかしドローも許されないBHは攻めるしかない。 ところが僅か2分後、ゴールを奪ったのはカラスコ。稀に見るシーソーゲームを制したのはベルギー。この試合でプレーオフ出場権=2位の座を明け渡した。 驚くべきは赤い悪魔の勝利への執念。予選突破は全組で一番乗り。最終節の勝利で9勝無敗1分。ノーガードでのど突きあいには滅法強いタイプで欧州予選最多得点も頷ける。 想えば職場でのTV観戦。2-0で日本代表がリードした直後、「ベルギーはここからシフトアップしてアクセル全開になるけど耐えられるかな」と同僚達の盛り上がりに水を差し、実際予想う通りの結末を迎える。2点をリードされても余裕があったとは思わないが、冷静な判断と諦めない闘志が大逆転に導いた。 ◆◆◆◆◆ 一大勢力を誇ったザクセン公国は1485年に北(現在のニーダーザクセン州)と南(現在の、ザクセン・アンハルト州、ザクセン州)に分裂した。 第71景でヴァイスビールのイチ押しは、バイエルン国王の結婚式でも飲まれたパウラナーと決めたので、ここではニーダーザクセン州イェヴァーで製造されているピルスナーを推す。ドレスデンにはフェルトシュレースヒェン・ピルスナー、北東にはドイツ最古のピルスナーとして知られるラーデベルガーもある。それを承知で城が描かれたこのゴールドレベルを推す理由はホップの苦み。筆者の味覚では最も苦い。 ドイツ国内では十九世紀以降、主にバイエルン州ハラタウ地方で収穫されるホップが使われているが、この北部の逸品も御多分に漏れず。久留実さんにもスッキリした苦みを味わってもらった。 ◆◆◆◆◆ フランクフルトで初めて、この金ラベル&緑の瓶に手を伸ばした理由は単純に安かったから。筆者はこのイェヴァー、そのコスパの高さも含め相当お気に入りなのだが、そもそも苦いものが大好き。 ロストフ・アリーナで日本代表が味わった苦い経験を、約半年前ディナモ・ドレスデンのBH人プレーヤー二人も既に味わっていた。 ◆◆◆◆◆ 額面だけみれば余裕で欧州予選を突破したベルギー代表より、豪州戦に勝利して切符を掴んだ日本代表のほうが、苦しみを味わい修羅場を経験しているように思えるが、現実にはスパーリングのレベルが違う。 厳しい環境での経験、そこで得た勝利(=結果)だけが自信を生み成長を促す。別にフットボールに限ったことではない。【七十四景了】 文/撮影:横澤悦孝 モデル:久留実《Culumi》

21 12, 2018

ぷら~り 欧州蹴球場百景【73】MSAペトロフスキ / サンクトペテルブルグ

By | 2018-12-29T00:10:31+00:00 12月 21st, 2018|Categories: Soccerlture League, コラム, ひゃくぷら|0 Comments

前回は、米MLSの発展を見越して、米日豪主導による対欧州戦略を、葛飾の片隅で提唱した。ロサンゼルスとニューヨークシティ(NYC)の随分懐かしい画像(2009年撮影)を引っ張り出したがNYCに行けばメトロポリタン美術館に、パリを訪問すればルーヴルに、ロンドンに立ち寄れば大英博物館に・・・は寄らずテートモダンに必ず足を運んでいた。 ◆◆◆◆◆ 先月の渡欧時、機内でサンドラ・ブロック主演の《オーシャンズ8》トム・クルーズ主演の《ミッション:インポッシブル/フォールアウト》を鑑賞しているとメットとテート・モダンの屋上が登場した。 ◆◆◆◆◆ メトロポリタン、ルーヴル、大英、そしてエルミタージュは、世界四大美術館などと称される。水の都サンクトペテルブルグ。ピョートル大帝がバルト海の最奥部に新都を建設したのは1703年。 ネヴァ川のほとりにあるこの街の象徴、『エルミータジュ美術館』から二つの橋を歩いて渡る。バスを利用しても3区間の距離。第73景はゼニト・サンクトペテルブルグの“かつて”の本拠地。MSAペトロフスキ―・スタジアム。 ◆◆◆◆◆ 北西に位置するクレストフスキー島に昨年新スタジアムが完成。今年のワールドカップで使用されたが、最後に同市を訪問したのは2015年。 北側一方向のゲートからしか入場できず、まるで日本の城を囲む水堀にも似た独特のたたずまいが気に入った。城の周りに壁をこさえた欧州に対し、水に囲まれた要塞には東洋的な趣がある。 ◆◆◆◆◆ 2月27日 UEFAヨーロッパリーグ(EL)のベスト32でPSVアイントホーフェンと対戦。3-0(合計スコアでは4-0)とゼニトが完勝。16強へと駒を進めた。 この試合のパンフ写真は、欧州蹴球文化探訪 第三十九の巻 驚愕のアスタナとアイントホーフェンの葬列 にて掲載している。 ◆◆◆◆◆ 地下鉄の駅で見掛けたPONの広告にはニコラス・ロンバーツ。多くの外国人プレーヤーが在籍した中で、ひときわ目を惹くのがスロバキア人の活躍。 ◆◆◆◆◆

15 12, 2018

UEFAネーションズ・リーグ撮影記/ファインダーから見える近未来の世界勢力図(3)

By | 2018-12-18T09:19:03+00:00 12月 15th, 2018|Categories: Soccerlture League, コラム, ひゃくぷら, 未分類|0 Comments

ぷら~り 欧州蹴球場百景【72】ロフタス・ロード・スタジアム / ロンドン 来春開催されるUEFAネーションズリーグ準決勝と決勝。FIFAワールドカップロシア大会の実績が額面通りなら、本命は唯一ベスト4入りしたイングランド代表になるのか。 ◆◆◆◆◆ 昨年グラスゴーにて、ハリー・ケインの劇的な同点ゴールに絶叫して以来、今のスリーライオンズも気に入ってはいるのだがオランイェ贔屓は死ぬまで変わらないので、優勝予想はオランダ。 ◆◆◆◆◆ 東京から9000キロ離れたプラハ。UEFAネーションズリーグ・グループステージ最終節のエデン・アリーナ 国家斉唱から互いに健闘を称え握手。そして両主将によるコイントス。チェコ代表はブルーの腕章をつけたボジェク・ドチカル。 ◆◆◆◆◆ スラヴィアのユース出身ながら2013年から在籍したスパルタ時代、UEFAヨーロッパリーグでの活躍が印象に残る。2015-16シーズンはラツィオを破ってのベスト8入り。キャプテン・マークをつけた9番は敵地オリンピコで開始10分先制ゴールを決めた。翌シーズンのGSではサウサンプトンの吉田とも顔をあわせた。爆買い中国河南建業から現在は、メジャーリーグサッカー(MLS)フィラデルフィア・ユニオンにレンタルされている。 ◆◆◆◆◆ 2日前のウクライナ撃破の立役者、背番号10番の右ウィング、アルベルト・ルスナークは、先制点と3点目、4点目のアシストを記録。 ◆◆◆◆◆ しかしこの日は沈黙したまま1点ビハインドの後半7分と、早い時間帯でベンチに退いた。1994年生まれの彼は2008年、マンチェスター・シティが触手を伸ばし将来を嘱望されたスロバキアの星。 ◆◆◆◆◆ 2013年シティのU21からトップに昇格後、バーミンガムなどに貸し出されるが2015年にフローニンヘンに完全移籍。欧州デビューは2016-17シーズンのUEFAヨーロッパリーグ。マルセイユ、ブラガ戦などGS6試合にスタメン出場。現在24歳はレアル・ソルトレイクシティに所属している。 ◆◆◆◆◆ カカに始まりビジャ、ランパードにジェラード、ピルロ、シュヴァインシュタイガー、イブラヒモビッチ、そしてルーニーと30歳を超える超大物の移籍報道活字を目にする度、勝手に「年金リーグ」と決めつけていたが今春パソス・デ・フェレイラで注目したアンドレ・オルタ(当時ブラガ所属)の移籍を知り疑念が生じる。【70景参照】 ◆◆◆◆◆ 2009年ニュージャージー、ジャイアンツスタジアムを訪問。隣接する建設途中のスタジアムを目の当たりにした時から、1996年に開幕したMLSのインフラ整備が着々と進んていることは知っていた。【52景参照】 ◆◆◆◆◆ 現在観客動員数では室内競技のNBAやNHLを抜いて、人気スポーツのアンケートでは野球を上回る勢い。ハード面を整えてからソフト面=プレーヤーに着手した成果が結びつつある。 第72景はクイーンズパークレンジャース(QPR)の本拠地ロフタス・ロード。ロンドン地下鉄セントラル線のホワイト・シティ駅からおよそ10分。 ◆◆◆◆◆ 2010-11シーズンのチャンピオンシップ優勝で96年以来のプレミア復帰。世界最高峰の舞台で戦う為の戦力補強。当時マンチェスター・シティに在籍、サンダーランドに貸し出されていたネダム・オヌオハを獲得した。ナイジェリア出身の元イングランドU21代表は昇格と降格を繰り返し、近年3シーズンはチャンピオンシップ=2部に落ち着いてしまってもチームを離れることなく、OPRで200試合以上出場している。 ◆◆◆◆◆ 32歳の年齢を理由に契約を切られた彼が向かった新天地MLS。同じ時期に鷲の上に無意味な星が並ぶエンブレムを胸につけたルスナークとオヌオハ。二人が同じピッチに立ったのは9月20日スポルティング・カンザスシティ戦。※ルスナークはU21=セカンドチームでのみプレー、プレミアに出場経験はない。 ◆◆◆◆◆ 相対するカンザスシティ4-3-3のフォーメーション、10月ハンガリー代表に招集されギリシャ戦途中出場した元リヴァプールのネーメト・クリスティアーン(1989年生まれ)がスタメン。78分には、ダニエル・サロイ(1996年生まれ)と二人のハンガリー代表フォワードが出場している。MLSのカンファレンス決勝開催日が11月25日。ゾルターン・シュティーベル(1988年生まれ)もDCユナイテッドに所属するが米国組の姿がスタメンどころかグルパマ・アリーナのベンチにさえ見当たらなかったのはMLSプレーオフの日程の影響か。 ◆◆◆◆◆ サッカー版メジャーリーガーでは東欧勢よりも北欧勢がネーションズリーグで輝いた。最終戦キプロスから3ゴールを奪いノルウェー代表をB昇格に導いたエース オラ・カマラ(1989年生まれ)はロサンゼルス・ギャラクシーでズラタン・イブラヒモビッチと破壊力抜群の北欧ツートップを組む。 シアトル・サウンダースには、Aリーグ昇格したスウェーデン代表の中盤グスタフ・スヴェンソン(1987年生まれ)。ズラタンやスヴェンソン以外にも米国へ渡ったスウェーデン人は意外に多い。  ◆◆◆◆◆ 9月初戦のホーム、ハンガリー戦1-0勝利したフィンランド代表の11番。得点をアシストしたのはラスムス・シュレル(1991年生まれ)。ロビン・ロド、田中亜土夢とヘルシンキで中盤を構成したミッドフィルダーはミネソタ・ユナイテッドでプレーしている。《上写真左端マイク・ハーフナーの隣28番がシュレル。》 ◆◆◆◆◆ 前頁写真は昨春のロンドン西部グリフィン・パーク。外国人偏重のプレミアリーグが英国人選手から実戦の場を奪い、成長を妨げ代表を弱体化させたなどと馬鹿げた論調をよく耳にする。昨シーズン、チャンピオンシップは、スペインのリーガを上回る観客数を叩き出した。ロフタス・ロードにしても1万8000人程度のキャパシティでプレミア時代(2014-15シーズン)の1万7000人に及ばずとも、過去3シーズン平均は1万4000人を軽く超えている。 ◆◆◆◆◆ 別格のプレミアを切り離して考えるべきで、英国にはオランダやロシアよりも恵まれた環境=国内リーグがある。 プレーする場所を外国人に奪われてもイングランドの選手は他国でのプレーを嫌がるのが代表低迷の要因と囁かれた時期もある。確かに母国語以外を習得しない傾向は否めなくもないが、ここから本題。 ◆◆◆◆◆ 西・独・仏に限らず欧州ではほぼ見掛けることのないイングリッシュフットボーラー。彼らが最もプレーしている異国のリーグがMLSであることに間違いはなく、今後更に増えるだろう。今や投資家のベッカムに始まり前述のランパード、ジェラード、ルーニーと大物だけでなく、チャンピオンシップレベルのクラブと契約できなかった選手が米国に流れ易い。 一方MLSから本場欧州へと旅立つ選手達。バイエルンがカナダ代表の超新星アルフォンソ・デイビスを獲得すればトッテナムやニューカッスルがパラグアイのミゲル・アルミロンに興味を示す。昨夏QPRのセカンドチームには米国からDFジャイルズ・フィリプス(1997年生まれ)が加入した。MLSのレベルが上がりプレミアでプレーする米国人も増えるだろうから、ベクトルは一方向ではない。 ◆◆◆◆◆ さて前回述べたとおり、ようやく開国したJリーグではあるが、協会はいつまでも反日感情の強い近隣国やミミズがはったようなアラビア文字を駆使する中東諸国と歩調をあわせようとして足踏みをしている場合ではない。UEFAネーションズリーグを起ち上げ独自の強化を進めようとする欧州。対抗する勢力の台頭が望まれる今リーダーシップを発揮できるのは日米の経済大国に他ならない。 そして両国のパートナーシップに真っ先に反応するのは、国内移籍禁止の悪法を改正し発展が予想される豪州と睨んでいる。 代表強化のためにオセアニアに見切りをつけ、アジアの枠に参入する荒業も辞さない同国の協会は間違いなく動く。政治腐敗のブラジルや、ペソが急落するなど経済危機を繰り返すアルゼンチンを筆頭とする南米は、今となっては選手の産出国でしかない。 ◆◆◆◆◆ 2026年のワールドカップ北米開催に向け、代表強化を企むアメリカと、日本、豪州が手を組みUEFAネーションズリーグに対抗するパン・パシフィックリーグ構想が誕生すれば未来の勢力図は大きく変わる。 外交下手な日本人でも英語圏の国であれば言葉の壁も低い。欧州一極化に歯止めを聞かせたいFIFAにとっても悪い話ではない。 ◆◆◆◆◆ かつてMLS国際部在籍時の中村武彦氏が実現させたパンパシフィックチャンピオンシップ(PPC)。中村氏が大学時代に発案したPPCは秀逸なアイディアではあったが、大会を米国企業に買い取られ消滅する。ハワイ開催にこだわる中村氏はパシフィックリムカップを本年開催、MLSとJリーグの交流も復活した。 そのパシフィックリムカップに参加したMLSのバンクーバーホワイトキャップスFC。彼らのホームタウンから東京まではおよそ7500キロ。これは東京~シドニー間とほぼ同距離である。サンフランシスコで8200キロ、ロサンゼルスまで南下しても9000キロは超えない。 ◆◆◆◆◆ しかしドーハでサンフランシスコとほぼ同距離。ヨルダンやサウジアラビアのジェッダは9000キロを超え、欧州よりも更に遠いのだから、アジアで一括りにされている事自体が馬鹿げている。 [...]

9 12, 2018

UEFAネーションズ・リーグ撮影記/ファインダーから見える近未来の世界勢力図(2)

By | 2018-12-10T02:48:44+00:00 12月 9th, 2018|Categories: Soccerlture League, コラム, ひゃくぷら|0 Comments

ぷら~り 欧州蹴球場百景【21】エデン・アリーナ/ プラハ 其の二  ポーランドの首都ワルシャワのショパン空港。欧州圏入国許可のスタンプがパスポートに押された。ワールドカップ・ロシア大会、歴史に残る迷勝負を日本代表と演じたポーランド代表。同国の方達に質問してみると、「試合終了までガチでやったらポーランドが追加点を取っていたからニシノのクレバーな判断は正しい」という意見多し。当然か。 ◆◆◆◆◆ 日本代表に勝利したとはいえ、ポーランド代表にとっても不本意な結果での帰国となったロシア大会。UEFAネーションズリーグでも予選敗退不参加のイタリア、ポルトガルの後塵を拝した。 日本代表がベスト16入りを果たしたから、イタリアやオランダより強いと口にしたら鼻で笑われる。ワールドカップは所詮カップ戦だ。 紙面にはレバンドフスキの写真。チェコとの親善試合を直前に控え、絶対的なエースの調子は気になるところ。 ◆◆◆◆◆ テキストはポーランド語からチェコ語に変わりワルシャワでの結果を伝える紙面。0-1でチェコの勝利。9月ヤロリム監督を電撃解任し後釜にはヤロスラフ・シルハヴィーを据えた。2003年から2009年まで黄金期のチェコ代表でアシスタントコーチを務めたが、昨季、大型補強で期待されたスラヴィア・プラハとの契約をUEFAヨーロッパリーグ(EL)、まさかの最終節敗戦によるグループステージ敗退で切られたばかり。 ◆◆◆◆◆◆ スラヴィアの悲劇は第21景で紹介したが、チェコ国民の不安は払拭されようとしている。新体制初戦スロバキア戦に勝利。天王山キエフでのアウェー戦は、敗れたもののシュート数、ポゼッションもほぼ互角と悲観する内容ではなかった。そしてポーランド戦を準備万端で終え本番―スロバキアとの残留争いへ。 ロシア大会に出場しAリーグに組み込まれたポーランドを、同大会予選敗退、Bリーグのチェコが破っても驚きに値しない。実力差は紙一重どころかカンナの削りカス一重である。 ◆◆◆◆◆ ブダペストのグルパマ・アリーナ。昨春2018年W杯欧州予選前の親善試合ロシア戦以来1年半ぶりの訪問。UEFAネーションズリーグにかつてホンヴェドを指揮したイタリア人監督マルコ・ロッシを招き新体制で挑んだハンガリー代表は初戦のフィンランド戦に続きギリシャとのアウェー戦も落とし昇格争いから脱落。 ◆◆◆◆◆◆ それでもホームでの2試合は白星。この日もホーム無敗記録をキープしフィンランド相手に雪辱を遂げようと意外に(?)モチベーションは高い。 ◆◆◆◆◆◆

5 12, 2018

UEFAネーションズ・リーグ撮影記/ファインダーから見える近未来の世界勢力図(1)

By | 2018-12-10T02:42:46+00:00 12月 5th, 2018|Categories: Soccerlture League, コラム, ひゃくぷら, 未分類|0 Comments

ぷら~り 欧州蹴球場百景【6】シュタディオン・アントナ・マラティンスケーホ / トルナヴァ 其の二 一昨日UEFAネーションズリーグの準決勝カードが決定した。UEFAが新設したこのコンペティションを追って連日国境を越える旅。 ◆◆◆◆◆◆ はじめに訪れたのはおよそ1年振りとなるウィーンのエルンスト・ヘッペル。昨年ヨーロッパリーグGS最終節。(※第54景にて掲載)。ベスト16を決め興奮を抑えられないアテネ・サポーターはお行儀が良いとはいえなかった。 ◆◆◆◆◆◆ しかし紙面が事前に2万人と報じたボスニア・ヘルツェゴビナ(BH)サポーターの狂乱ぶりはその比ではない。 イビチャ・オシムの尽力で異なる三民族の協会が統一され2014年ブラジル大会への出場が叶ったこの国は、未だ内戦の傷が癒えない。戦火を逃れる為、故郷を離れる決断を下した人も少なくはないのだろう、彼らにとっても代表チームは、平和と復興のシンボルでありその人気は凄まじい。スモークを用いた映画の戦場シーンを想起させる程、スタジアムが白く烟る中ボールを追う選手たち。 ◆◆◆◆◆◆ 試合も黒星回避ならば予選突破(今大会は昇格)のアウェーチームがスコアレスドローでミッションをクリア。前年と全く同じ展開となった。 来季Aリーグに以下の12ヵ国が名を連ねる。 オランダ、フランス、スイス、ベルギー、ポルトガル、イタリア、イングランド、スペイン、ウクライナ、スウェーデン、デンマークそしてボスニア・ヘルツェゴビナ。 ◆◆◆◆◆◆ 格付けの上で、強豪ドイツやW杯ロシア大会銀メダルのクロアチアを見下せるのだからボスニア国民の鼻も高くなる。 現在のBH代表は、クロアチアの英雄ロベルト・プロシネツキが、最終ラインのズカノビッチ、中盤の司令塔ピアニッチ、大黒柱のエースストライカー、エディン・ジェコとセリエAで活躍する実力者を各列の要に配置した布陣。 ◆◆◆◆◆◆ この日得点こそ無かったとはいえ中盤にジェコが下がることで、ホルダーが出し所に詰っても彼の頭を経由すればボールは繋がる。後半、ふくらはぎの腓腹筋を伸ばすシーンも見られたが「オフザボールの動き」の質と量での貢献も見逃せない。 ◆◆◆◆◆◆

30 11, 2018

ぷら~り 欧州蹴球場百景【71】アリアンツ・アレーナ / ミュンヘン

By | 2018-12-18T10:14:43+00:00 11月 30th, 2018|Categories: Soccerlture League, コラム, ひゃくぷら|0 Comments

前景取り上げたブラガの石切り場。エドゥアルド・ソウト・デ・モウラの作品と聞けば斬新なデザインも納得がいく。ポルト大学の建築学部で教鞭を振ると、2011年のプリッカー賞獲得がポルトガル人建築家の名前を世界に知らしめる。 建築界で最高の栄誉とされるプリッカーは、ハイアット財団が毎年世界で一人(組)を表彰する。過去に日本人も多く受賞しており、昨年は前回コンペから周章狼狽の末に決定した新国立競技場の隈研吾氏もノミネートされていた。 木材使用で日本らしさをアピールする新国立同様、モウラの作品も大理石や花崗岩などを素材に用いるなど、天然石の宝庫ポルトガルらしいデザインが目を惹く。第 章のに立ち寄る際、目と鼻の先のブルゴタワーをフレームに収めたが、外壁にはポルト産の花崗岩プレートを用いていた。 ◆◆◆◆◆◆ 蹴球場のデザインを手掛けたプリッカー受賞者が、モウラの他に実はもう一人。正確には一組。スイスのバーゼル出身のジャック・ヘルツォークとピエール・ド・ムーロンは、今や欧州フットボールクラブの間では引っ張り蛸のユニット。 第71景はバイエルン・ミュンヘンの本拠地アリアンツ・アレーナ。ヘルツォーク&ド・ムーロンが手掛けたスタジアムである。近づいて観るとファサード照明が菱形のブロックで組まれ、透明の特殊フィルムで覆われた独特のフォルムに畏怖さえ感じる。 ◆◆◆◆◆◆ このタイミングでアリアンツを取り上げるのかと苦笑される程、絶対王者バイエルンが今季苦しんでいる。 ◆◆◆◆◆ 今月10日、首位ボルシア・ドルトムントとの"デア・クラシカー"敗戦を告げるドイツ語とニコ・コバチ監督の写真。ビールのラベルには空港名と同じくシュヴェヒャートの文字。19世紀メルツェンを考案したのは、この醸造所とミュンヘンのシュパーテン。 ◆◆◆◆◆ 昨季は6-0、その前は4-1と圧倒的な強さで葬り去った。フランス語が並ぶレキップ紙面に記されていたかは定かではないが、シュート数は倍の18本、ポゼッションはなんと7割以上バイエルンが支配する驚異的な数字を叩き出した。 紙面写真は、先制点のリベリーと4点目を決めたロッベン。日本ではロベリーと表記する媒体もあるが、フランス語でRobbéryと表記されているのでロッベリーがただしいのか。発音は兎も角英語で「強盗」を意味するRobberyは、ゴールを強引に奪い取るこのユニットにはハマり過ぎ。 ◆◆◆◆◆ ルフトハンザ機エアチケットの写真。都市名を表すスリーレターコード、MUCはミュンヘン、KRKはポーランドのクラクフ。実はドイツ第三の都市には、縁がなく経由地として駅、空港は何度か利用しているが宿を手配したことがない。乗り継ぎの僅かな時間、アリアンツ・アレーナの外観を眺めても市内を観光したことすらない。駅近辺でビールをひたすら胃袋に流し込むのみ。 ◆◆◆◆◆◆

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