先制した事もあるが、この日は相手のDFライン裏のスペースを狙うシンプルなミドルパスが冴えた。そして、そのボールを受けるFW佐藤のキレが鋭く、彼女の突破やキープにより、自慢の技巧派MF陣が前を向いてプレーし、ぺナルティエリア内にも飛び出す事でバニーズらしさを発揮した。
そして35分、直前に決定機を量産しながら追加点を奪えなかったバニーズに2点目が入る。左サイド高い位置からのスローインからだった。MF澤田が左足で中央に入れたアーリークロスに右ウイングのFW吉田早紀がフリーで合わせて2点目。
リスクを冒さず、尚且つミスも少なく、危なげない試合運び。バニーズは前半を2点リードで折り返した。
テンポが落ちた後半~3点目が“取れてしまって”劣勢に
両チーム選手交代なしで入った後半。2点ビハインドの大和Sは、バニーズのビルドアップがいつもと違うためか?2点を奪いに行くためか?前半はルーズだった前線からのプレスが激しさを見せた。逆にバニーズは2点リードした事や、ベテラン選手も多い事から後半に入ってテンポが落ち、大和Sのプレスの前にミスも多く出てきた。
それでも61分、後方からの浮き球のパスに抜け出したFW佐藤がぺナルティエリア付近まで持ち込み、相手DFをブロックしながらキープ。巧みな身のこなしでシュート体勢を作ると、右足で放物線を描くシュートを放ち、これが美しい弾道のままゴールネットに吸い込まれて3点目。
ただし、3点目が入ってしまった事でさらにバニーズの選手の集中力が薄まったのかもしれない。これ以降の時間帯はほぼ大和Sに押し込まれ続けた。
それも自陣に引くというよりも、プレスが利かない状態でDFラインが高く設定されたまま裏のスペースを突かれるような攻撃で失点した。特に87分の2失点目は左サイドからのアーリークロスを逆サイドで折り返され、フリーのまま大和SのMF村山百花に押し込まれた。
それでも何とか3-2で逃げ切ったバニーズ。スタイルやパターンに固執せず、柔軟な試合運びを見せたところに、昨季3戦全敗で終わったチームからの積み上げを感じさせた。
プレーオフ初戦で重要な勝利を挙げたバニーズは次節、9月10日に敵地で同じWEST2位の静岡産業大学磐田ボニータと対戦する。
【バニーズ京都SC 今後の試合日程】
≪プレナスチャレンジリーグ プレーオフ順位決定戦1位~4位≫
第1節、9/2 (土)15:00バニーズ3-2大和S @太陽が丘
第2節、9/10 (日)15:00 静産磐田 – バニーズ@ゆめりあ
第3節、9/17 (日)15:00 バニーズ – 十文字 @太陽が丘
詳細はクラブ公式コンテンツにて。