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「楽しんで勝つ」バニーズ京都SC flapsに見る女子サッカーの型

 競技志向の強い勝利至上主義とは、とにかくロングボールを相手DFラインの裏に蹴り込んでくるサッカーを展開してくるチームのことだろう。中学生であれば背後へのボールを処理する際にミスも多く出ることが予想される。だからこそ、それは勝利への近道でもある。もちろん、そういう縦に速いサッカーと数的不利の状況での局面打開を求められる中で、万能なアタッカーが台頭してくるのも事実である。

 ただ、そこに選手個々の“判断”や“意図”はない。
 
 受験戦争で勝つには、ヒッカケ問題に対する“受験テクニック”が必要だが、その先の社会で役立つためには、基礎学力の方が重要だ。バニーズ京都SC flapsで指導しているのは、サッカーにおける「基礎学力」だ。

 また、大きく“蹴って走って”のサッカーは筋力が必要となる。上のカテゴリーや国際舞台に出て行くごとに“限界”も出て来る。論理的にも消去法で考えても、女子サッカーにはショートパスを繋いでいくサッカーが合っているのだ。

女子と男子の違いは“フォルダー整理”か“上書き保存”?

 阪田監督は1993年から2013年までの約11年間を少年サッカークラブ『京都紫フットボールクラブ』で指導を行って来た育成年代の指導経験豊富な人物だ。そんな阪田監督に女子選手の特徴を聞くと、

「小学生と中学生の違いはありますが、女の子は理屈が合っていないと動いてくれません。ただ、逆にきっちりと理詰めで進めると、女の子の方がスムーズに物事が進みます。

 例えば、練習しながら、『ちょっとこのパスの距離を短くしてみよう』などと条件を変えていくメニューをしていると、男の子はそれに対応しながら進めていけるんですけど、女の子の場合はそれが進まない。『コーチなにを言ってるんですか?』と。なるんです。

 でも、しっかりと理論付けて説明すると女の子の方が理解は速いんです。それ以上に女の子は1度理解・体得したことは忘れない。男の子は臨機応変にやりながらも、ちょっとその辺りは忘れてしまうこともあるという特徴の違いはあります。

『今日は右サイドから攻めるぞ』と言いながら、相手がそのサイドを固め出すと、男の子は『右は来てるから左から行こう』と切り替えるんですが、女の子はそれでも右から攻めようとしますね(笑)。

 男の子は“フォルダー整理(名前を付けて新規保存)”、女の子は“上書き保存”ができると喩えられるかもしれません。」

高校サッカーへの選手流出はJクラブにもあった

 中学年代の競技面に対してのバニーズの取り組みは以上の通りだ。ただ、それ以降の課題がある。中学卒業と同時にflapsを卒業すると、高校サッカー側に育てた選手が流出していくことだ。

 もちろん、現在開催中の『第27回全日本高等学校女子サッカー選手権大会』でも得点を挙げた日ノ本学園高校のMF俣野伶奈のような優秀なOG選手もいる。
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