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【書評】ヨハン・クライフ著 木崎伸也・若水大樹訳『ヨハン・クライフ サッカー論』

ただ少しづつ面白くなっていく。
最初からクライフは狙っていたのかもしれないが、具体的な動作の各論に入って行くと、
当時のクライフの動きが不思議と蘇ってくる。
ドリブルとボール運び、キックとパス、ヘディング、トラップと丁寧に各動作の細い体の使い方の説明が入ってくる。
ここまでくるとクライフの考える、正しいプレーというものをつかめるようになる。

そして「ポゼッション」という項目になると、いよいよクライフサッカー論の真骨頂が始まる。

「ポゼッションプレー」とは、ボールを持ったプレーヤーに、二つもしくは三つのパスの選択肢を創りだすプレーのことだ」と定義する。
「もし一人を見失えば、出し手自身がその仲間を視野にいれるように動いて修正するか、見失った選手に、出し手の視野に入るように指示することで解決できる」
シンプルな指摘だが、これができるかどうかがクラブとしてのクォリティーを決定する。

このあとは各ポジションごとにクライフの論理が展開されるのだが、これが一番おもしろくエキサイティングなの戦術論なので、ぜひ読んで感じてもらいたい。
とくにセットプレーに関する彼の考え方は、現役選手が読んでも参考になると思う。

この本を通じて伝わってくることは面的にも時系列的にもあらゆるところに彼の視線が注がれている点だ。

彼が体現してきた「トータルフットボール」の、情熱と経験に裏打ちされた理論を体感することができる。