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ポルト戦6ゴールの真実〜ペップの力では無い??〜

☆攻撃よりも目を奪われたハイプレス

バイエルンの6ゴールに目が行きがちな第2戦だが、最も注目すべきはハイプレスにある。前半のバイエルンは永遠に攻め続けている印象があったが、ポゼッション率は第1戦よりも低かった。つまりクロスや縦パスなど、相手に奪われる恐れのあるボールをどんどん供給していた事になる。
その証拠に1−3で敗北した第1戦のパス本数632本に対し、第2戦では502本と少なくなっている。それだけスピーディーにゴールを狙っていた事になり、クロスのような不確実なボールも多かったのだ。
本来であれば相手にボールを持たれる事をペップは嫌うのだが、ハインケスの植え付けた4−2−3−1には驚異的なハイプレスがある。ボールを失ってもすぐに相手を囲い込み、5秒以内にマイボールにしてしまう。ポルトは全く攻撃に転じる事が出来ず、ハーフコートを超える事すら出来なかった。

ペップの考える4−1−4−1は攻撃時にポジションをランダムに動かすため、ボールロスト時にプレスをかけにくい構造になっている。これは彼が率いたバルサも同じだ。ところが4−2−3−1は効率よくピッチをカバー出来ているため、プレスをかけやすい。
これがポルトからボールを回収できた理由だ。もともとバイエルンにはメッシのような守備に走らない選手が存在せず、バルサよりもハイプレスを実行しやすいチームだったのだ。現実的に考えれば攻守にバランスの取れる4−2−3−1を選択すべきで、点取り屋のミュラーとレヴァンドフスキを中央で起用するにもオススメだ。

4−1−4−1の場合、サイドのミュラーとレヴァンドフスキが中に入っていき、サイドはサイドバック1枚となる。そして中央にはゲッツェとチアゴとラームのインサイドハーフ2枚が入る形となり、どうしてもサイドでプレスがかかりづらくなってしまう。
そして中央はアロンソが1枚でカバーする形となり、アロンソのプレスが外されれば一気にカウンターを受ける結果となってしまう。この日の4−2−3−1も攻撃的ではあったものの、相手にカウンターを受ける1歩手前でボールを回収出来ていたため、永遠に攻め続ける事が出来た。
よくない表現だが、数打てば当たるの理論が通用するのだ。縦に攻め続けてボールを奪われても、すぐに回収できるのだから。

ペップが現実的にCL優勝を考えるなら、今後も4−2−3−1をチョイスすべきだ。しかしそれではハインケス政権から脱皮できていない事となり、哲学者であるペップが満足するはずはない。準決勝でも4−1−4−1を選択してくるだろう。
ただ、1回戦のシャフタール、準々決勝のポルトと、バイエルンはホームで爆発している。シャフタールとのホームゲームでは7−0と相手を玉砕し、今回も6−1と圧倒した。これは準決勝を戦ううえで大きな自信となり、どんなチームでもバイエルンのホームでは苦しむことになるだろう。
問題は4−1−4−1で得点を奪えるかという事だ。シャフタールとの試合では開始早々に相手選手が退場したため、90分のほとんどを数的優位で戦っていた。これはあまり参考材料にはならない。ポルトとのゲームでも4−1−4−1では1点しか奪えてないため、何とも評価しがたい。

こうした現実をペップはどう捉えるだろうか。ただ勝つだけではなく、美しさを携えて勝つのか。ペップのトライはCLの舞台でも続いているのだ。準決勝では、ペップがどのようなシステムを選択するかに注目していただきたい。