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欧州CL決勝、バルセロナVSユヴェントス

史上初の2度目の3冠達成 ~バルサはやっぱりバルサだった

欧州チャンピオンズリーグ決勝
バルセロナ3-1ユヴェントス

【得点者】
<バルセロナ>ラキティッチ(4分)、スアレス(68分)、ネイマール(97分)
<ユヴェントス>モラタ(55分)

前半戦の不振、逆境から蘇ったバルサ 監督交代とCLで逆境を跳ね返したユーヴェ

 今季の欧州チャンピオンズリーグ決勝はそれぞれが国内リーグと国内カップの2冠を達成している国内王者同士の対戦。ゆえに勝った方が3冠となる完全王者となり、バルサが勝った場合は欧州サッカー史上初の2度目の3冠となります。(1度目は2009年。)

 スペイン王者のバルサは未成年選手の移籍ルールに不正が発覚して1年間補強禁止。それにより、今季の開幕前には2年分のチーム編成を見越して、リヴァプールからは111億円という高額な移籍金でウルグアイ代表FWルイス・スアレス、昨季のヨーロッパリーグ王者のセヴィージャからはクロアチア代表MFイヴァン・ラキティッチを獲得。他にもアーセナルからベルギー代表DFトーマス・フェルマーレン、バレンシアからDFジェレミー・マシューを、CLを3度優勝したスペイン代表GKヴィクトル・バルデスの退団により、ドイツ代表GKテア・シュテーゲンとチリ代表GKクラウディオ・ブラーボという主戦級の守護神を2人獲得するなど大量補強して挑んだシーズンでした。

 しかし、前半戦はリーグ戦で「宿敵」レアル・マドリーに敗れるなど、不振により監督解任の噂も頻繁に流れました。特に長期の出場停止処分も響いたスアレスもフィットしきれないなど新戦力の選手が結果を出せない事を受けて、今年1月には強化担当のアンド二・スビサレッタSD(スポーツディレクター)を解任。

 そこから復調して連勝街道に乗り、リーグ戦もコパ・デルレイも制覇してのCL決勝進出は快挙だと思うのですが、それも南米強豪国のエース3人による「MSN」(アルゼンチン代表FWリオネル・メッシ、ウルグアイ代表FWスアレス、ブラジル代表FWネイマール)が3人で公式戦通算120得点を記録するなど、彼等3人による個人技と決定力に頼ったスタイルが批判対象となっていました。

 対するユヴェントスも昨季まで就任初年度から国内リーグ3連覇を達成していたアントニオ・コンテ監督がシーズン開幕直後に急遽退任。後任に招聘したのが「宿敵」ACミランの監督として数年前までユヴェントスと優勝を争っていたマキシミリアーノ・アッレグリ監督。それだけに就任しただけで試合もこなしていないのにサポーターやメディアからは解任を要求させる逆境からのスタートでした。それでもアッレグリ監督はコンテ時代の<3-5-2>(攻撃時は<3-3-4>)の可変型フォーメーションを継続しながら、中盤のイタリア代表MFアンドレア・ピルロ、フランス代表MFポール・ポグバ、イタリア代表MFクラウディオ・マルキジオ、チリ代表MFアルトゥーロ・ビダルを3バックでは同時に起用できないため、自身が得意とする<4-3-1-2>にメインシステムを徐々に移行。

 これが功を奏して、「国内では無敵でも、欧州では勝てない」という批判を受けていた近年のユヴェントスのレッテルを破ってCLでも決勝進出。その過程ではグループリーグから苦戦の連続。決勝トーナメントにギリギリで進出しても、準々決勝ではフランスのモナコ相手にPKによる1得点を守って2戦合計1-0、準決勝でも下馬評での圧倒的不利を自覚した上でレアル・マドリーを相手に2戦合計3-2という薄氷を踏むような勝利の連続での勝ち上がりでした。