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2部所属からの代表定着と落選を経て、ASハリマFW千葉園子の現在地

 快晴で「一気に夏か?」と思うほどの暑さを感じた4月16日の日曜日。千葉の現状が気になった筆者は、ハリマの本拠地・兵庫県姫路市にあるウインク陸上競技場へ足を運んだ。

 千葉選手が所属するハリマはここまで開幕から3試合を消化した状態で1勝2敗。昨季から新設された『プレナスなでしこリーグカップ2部』で初代女王に輝いたものの、なでしこリーグ2部では7位に終わったチームだ。

 ハリマでの千葉はこれまで、1トップや2トップの1角での出場が多かったものの、ウイングやサイドMFどころかインサイドMFなどもこなし、試合中にも何度もポジションを変えるオールラウンダー。

 現チームには、U23代表のFW葛馬史奈(かつらま ふみな)も在籍しており、<4-4-2>や<4-2-3-1>を採用するチームの前線4枚に関しては2部の中位クラブとは思えない個の能力を持つ選手も複数在籍。千葉と葛馬は優勝したリーグカップ決勝で共にゴールを挙げるなど、クラブ史上初タイトルに貢献したFWだ。

 ただ、豊富なアタッカー陣を活かすMF陣の人選に苦心している様子で、この日の千葉は右サイドMFで先発出場。まさか代表で持ち味を発揮できなかったポジションをチームでも任されるとは皮肉だ。

単発な攻撃の多い中で孤軍奮闘も負傷交代

 試合はアウェイの吉備国際大学Charmeが後方から丁寧にパスを回しながら、前線の3人に縦パスが入ったタイミングで攻撃にスイッチを入れる組織的なサッカーを披露。今季未勝利とはいえ、その完成度は高い。

 そんな吉備国際が緻密なスタイルにあって、特に左ウイングバックの関口真由が高い位置をとっていたため、対面する右サイドMFの千葉には守備の負担が多くなり、かなり低い位置でプレーする時間が続いた。ただ、そんな千葉の守備意識の高さからも現われているように、吉備国際のスタイルに対策を打っていたようにハリマは相手にボールを持たせ、奪ってからの速攻でチャンスを作る。

 前半の終了間際にはハリマが狙ったようなシンプルな速攻で決定機。最後はFWを追い越してゴール前まで駆け上がったMF小池快がGKとの1対1を迎えるも外してしまい、前半はスコアレスで折り返す。

 ハリマの攻撃は単発だったが、ボールを奪うと千葉が右サイドからだけでなく中央や逆サイドまで動いてきてボールに絡み、2人・3人と囲まれても相手に奪われないキープ力を発揮。相手はファウルで止めざるをえず、ハリマはセットプレーのチャンスも多く獲得した。

 最終ラインから中盤を省略するロングボールの放り込みも多いハリマのサッカーは至ってシンプル。ただ、ボールを持ったら常に縦を狙う姿勢と、まずは個人で局面を打開しようとする選手が多いのが特徴。これは男女問わずに日本のサッカー界にとって最も欠如している部分。なぜハリマから代表選手が台頭してくるのか?その一端はこうした部分にあるのかもしれない。

 後半、守備の比重が多かった千葉は左サイドMFに移ってスタート。前半からロングパスやクロスで好機は演出していただけに、いよいよフィニッシュに絡む仕事が増えて来るか?と思いきや、後半開始10分前後で相手選手との接触プレーにより負傷。85分までプレーしたものの、足を引き摺る千葉がプレーに関与することが激減。ハリマの攻撃はセットプレー以外に可能性を感じられず。試合はスコアレスドローに終わった。

なでしこリーグ2部の競争力の高さを支えるモノ

 何より、千葉の怪我が心配なところだったが、試合終了直後のインタビューゾーンには笑顔で立ち話をしている千葉の姿を発見。大事には至っていないようで何よりだった。

 ハリマはこれで1勝1分2敗の6位、吉備国際は2分2敗未勝利の10位(最下位)。共に課題が多く見られる状態ながら、試合内容としては全く退屈するような事もない試合。女子サッカーの競技力向上と今季の2部リーグの競争力の高さを感じた試合だった。

写真1:来場者プレゼント

 ところでこの試合はハリマのスポンサーであるアース製薬株式会社による『One Day Match By アース製薬』と題し、観客には試供品や3000円相当の商品を先着プレゼントされていた。(筆者も写真のような商品をもらいました。『ライフマグ』というマグネシウムの加工食品は最近こむら返りになる事が多かった筆者の必需品となっています。)